九州地方整備局
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九州地方整備局(きゅうしゅうちほうせいびきょく)は、国土交通省の地方支分部局である地方整備局の一つ。沖縄県を除く九州地方7県(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)を管轄する(沖縄県は内閣府沖縄総合事務局開発建設部の所管)ほか、港湾事業については関門海峡周辺の一体的整備を図るため山口県下関市を管轄区域に含める。
注釈
出典
- ^ 土木監督区署官制(明治19年7月12日内務省令第13号)
- ^ 府県土木監督区署位置(明治19年7月12日内務省令第14号)
- ^ 土木監督署官制(明治27年7月3日勅令第83号)
- ^ 土木監督署ノ位置ヲ定ム(明治27年10月1日内務省告示第124号)
- ^ 明治三十八年四月一日内務省告示第五十七號
- ^ a b c d e 国土交通省九州地方整備局港湾空港部. “九州地方整備局港湾空港部 沿革”. 2010年5月3日閲覧。
- ^ 明治四十四年四月十一日内務省告示第二十六號
- ^ 昭和十八年十一月一日内務省告示第六百三十六號
- ^ 運輸通信省港湾建設部設置ノ件(昭和十八年十一月一日運輸通信省告示第十號)
- ^ 昭和二十年二月十日内務省告示第二十五號
- ^ 建設院設置法施行令(昭和二十二年政令第三百三十四号)附則第十五條
- ^ 九州初の高速道路維持出張所を設置します。 - 国土交通省九州地方整備局 記者発表資料 2013年5月7日付
- ^ 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成31年3月29日国土交通省令第21号)
- ^ a b 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(令和2年3月31日国土交通省令第31号)
- ^ a b 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(令和3年3月31日国土交通省令第20号)
- ^ a b 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(令和4年3月31日国土交通省令第22号)
- ^ a b 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成21年3月31日国土交通省令第19号)
- ^ a b 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成22年4月1日国土交通省令第23号)
- ^ 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成24年4月6日国土交通省令46号)
- ^ 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成25年5月16日国土交通省令第41号)
- ^ 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(令和3年3月31日国土交通省令第20号)
- ^ 地方整備局組織規則の一部を改正する省令(平成29年3月31日国土交通省令第25号)
- 1 九州地方整備局とは
- 2 九州地方整備局の概要
- 3 船舶
九州地方整備局
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「国土交通省直轄ダム」の記事における「九州地方整備局」の解説
九州地方整備局管内では既設ダム・堰18基、工事中・再生事業中ダム5基の合計22基を直轄管理・施工している。なお沖縄県は沖縄振興特別措置法に基づき国直轄河川事業は内閣府沖縄総合事務局が担当しているため、九州地方整備局の管轄外である(後述)。 台風の常襲地帯である九州地方は、古くから加藤清正や成富茂安などによる治水事業が手掛けられており、流域の治水に寄与していた。だが1953年(昭和28年)6月に九州北部を襲った梅雨前線豪雨・昭和28年西日本水害はそれら営々と積み重ねた治水事業をご破算にし、死者・行方不明者1,001名を出す戦後九州最悪の水害となった。この水害を契機に、旧建設省や九州の各県は河川総合開発事業を計画し、多目的ダムの建設に乗り出した。 九州最大の河川である筑後川水系では1949年(昭和24年)に筑後川改訂改修計画が策定され、筑後川支流の玖珠川と津江川に治水ダムを建設する計画が立案された。しかし昭和28年の西日本水害を受けて全面改訂され、1958年(昭和32年)に筑後川水系治水基本計画を定め、大規模堤防建設・放水路整備などと共に多目的ダムによる治水計画が加わる。検討の結果、筑後川本流に松原ダムと支流津江川に下筌(しもうけ)ダムが計画され、1972年(昭和47年)に完成した。だがこの時期は高度経済成長期に当たり、九州最大の都市・福岡市を中心とする福岡都市圏の人口増加や北九州工業地帯の拡充、さらに筑後平野の農地拡大による農業用水不足といった利水に対する問題が発生。これに対処すべく1964年(昭和39年)筑後川水系は水資源開発促進法に基づく水資源開発水系に指定され、以降水資源開発公団(現在の独立行政法人水資源機構)が河川総合開発を主に担当し江川(小石原川)、寺内(佐田川)、筑後大堰(筑後川)、大山(赤石川)といったダム・堰を施工・完成させた。一方建設省は公団事業とは別に筑後川と佐賀県を流れる嘉瀬川を連結する導水路・佐賀導水事業に1974年(昭和49年)より着手した。これは筑後川、城原(じょうばる)川、巨勢川、嘉瀬川を水路でつないで内水氾濫防除を含む洪水調節と、流域市町村に対する上水道供給、さらに水質汚濁が進行した佐賀市内の河川へ河川浄化用水を供給するなどの目的を持った、河川の流量を用水路で調節する「流況調整河川事業」である。佐賀導水事業の中で、巨勢川や周辺の中小河川の洪水を貯留し、ポンプで嘉瀬川へ排水する治水目的を有した巨勢川調整池が建設され、2009年(平成21年)導水路と共に完成した。また日田市への上水道供給や筑後川の流量改善を図る目的で1977年(昭和52年)より松原・下筌ダム再開発事業が行われ、1986年(昭和61年)に完成している。 昭和28年西日本水害で大きな被害をもたらした筑後川以外の遠賀川、矢部川、山国川、嘉瀬川、六角川、菊池川水系といった一級河川では、上水道・工業用水道需要の増大に対処するため、利水目的の総合開発を治水事業と一体化して促進させる目的で建設省、農林省(現在の農林水産省)、通商産業省(現在の経済産業省)の地方支分部局、九州・山口経済連合会と地元経済団体、そして福岡県・佐賀県・熊本県・大分県が北部九州水資源開発協議会を1963年に結成。北部九州を流れる7水系の河川総合開発指針である北部九州水資源開発マスタープランを1969年(昭和44年)に策定した。マスタープランで提示されたダム計画候補の中で、後に治水事業計画である工事実施基本計画にも明記され直轄事業として施工、完成したダム事業としては遠賀川河口堰(遠賀川)、耶馬溪ダム(山移川)、嘉瀬川ダム(嘉瀬川)、六角川河口堰(六角川)、竜門ダム(迫間川)があり、平成大堰(山国川)を含め北部九州の治水・利水に資している。これ以外では鹿児島県最大の河川である川内川に1965年(昭和40年)鶴田ダムが完成、九州最大の直轄ダムとして治水のほか多目的ダムに付随する水力発電所としては出力が九州では最大の川内川第一発電所(12万キロワット)による水力発電が行われている。また2018年には鶴田ダム再開発事業が行われたが、これは川内川流域に未曾有の水害をもたらした平成18年7月豪雨により鶴田ダムの治水機能が喪失し、水害の被害を受けた下流域住民からの強い要望を受けて実施された、治水容量増加を目的とした事業である。緑川には本流に緑川ダム、松浦川には支流の厳木(きゅうらぎ)川に厳木ダムがそれぞれ完成し、流域の治水と利水に貢献している。さらに塩害防除や河川流下能力の向上を図るため堰を新築・改修する事業なども行われ、瀬高堰・松原堰(矢部川)、嘉瀬川大堰(嘉瀬川)、松浦大堰(松浦川)、六間堰(加勢川)が建設または改築された。大分川水系には支流の七瀬川にななせダム(旧称大分川ダム)が水系唯一の特定多目的ダムとして建設されている。 現在施工中のダムは5基ある。このうち川辺川ダム(川辺川)は1967年(昭和42年)より多目的ダムとして計画されたが水没予定地の球磨郡五木村・相良村で403戸・528世帯が移転対象となることで猛烈な反対運動が長期化。地元との補償交渉は1996年(平成8年)に妥結するものの市民団体や球磨川漁業協同組合が反対運動を継続、さらに灌漑事業者の農林水産省や電気事業者の電源開発が事業から離脱し治水ダム事業として縮小されたものの、2008年(平成20年)以降蒲島郁夫熊本県知事を始め人吉市・八代市・相良村がダム建設反対に方針を転換。翌2009年には鳩山由紀夫内閣がマニフェストに基づき川辺川ダム事業の中止を発表するなど、事業は錯綜した。その後はダム事業中止を前提にして、ダム建設中止に強く反発する五木村に対する生活再建対策事業について検討を進めていたが、令和2年7月豪雨による球磨川の災害を機に熊本県が建設容認に方針を再転換した。残る3ダム(城原川・本明川・立野)は何れもダム事業再検証対象ダムとなったが、全て事業が再開している。一方宮崎県が管理する岩瀬ダム(岩瀬川)については、バイパストンネルを建設して放流能力を増強し治水安全度を向上させる岩瀬ダム再生事業に国直轄事業として着手している。 ダム事業と移転住民の軋轢については1958年から1971年(昭和46年)まで13年間続いた蜂の巣城紛争が著名である。松原・下筌ダム建設に際して建設省が取った高圧的な姿勢に室原知幸ら移転住民が反発し、下筌ダム右岸に「蜂の巣城」という砦を築いて頑強に抵抗。流血事件や法廷闘争にまで発展したこの反対運動は公共事業と基本的人権(生存権)の整合性を世に問い、水源地域対策特別措置法(水特法)を始めとするダム関連法規の改正など河川行政に多大な影響を与えた。 なお、管内の一級河川において大野川、番匠川、五ヶ瀬川、小丸川、大淀川、肝属川の各水系には直轄ダムが建設されていない。何れも流域自治体により補助多目的ダムや補助治水ダムといった国庫補助を受けたダム事業が小丸川では本流、他は支流で実施されている。ただし肝属川水系には支流串良川に高隈ダムが建設されているが、同ダムは南九州特定地域総合開発計画に基づき大隅半島にある笠野原台地に対する灌漑を目的として建設された農業用ダムであり、治水目的は有していない。 所在水系河川ダム型式高さ総貯水容量着工完成分類水特法備考福岡 遠賀川 遠賀川 遠賀川河口堰 堰 6.5 11,140 1969 1983 特定 福岡 矢部川 矢部川 瀬高堰 堰 - - - 1990 福岡 山国川 山国川 平成大堰 堰 3.2 278 1983 1990 特定 福岡 矢部川 矢部川 松原堰 ラバーダム - - - 1998 佐賀 嘉瀬川 嘉瀬川 嘉瀬川大堰 堰 - - - 1992 佐賀 嘉瀬川 嘉瀬川 嘉瀬川ダム 重力 97.0 71,000 1973 2012 特定 9条等指定 佐賀 松浦川 厳木川 厳木ダム 重力 117.0 13,600 1973 1986 特定 佐賀 筑後川 巨勢川 巨勢川調整池 掘込式貯水池 - 2,200 1974 2009 佐賀導水事業 佐賀 筑後川 城原川 城原川ダム 重力 61.0 3,500 1979 未定 治水 佐賀 松浦川 松浦川 松浦大堰 堰 - - - 1974 佐賀 六角川 六角川 六角川河口堰 堰 11.5 3,300 1968 1982 長崎 本明川 本明川 本明川ダム 台形CSG 64.0 8,600 1990 未定 特定 熊本 球磨川 川辺川 川辺川ダム アーチ 107.5 133,000 1967 未定 治水 9条等指定 熊本 白川 白川 立野ダム 重力 90.0 10,100 1979 未定 治水 熊本 緑川 緑川 緑川ダム 重力 76.5 46,000 1964 1970 特定 熊本 菊池川 迫間川 竜門ダム 複合 99.5 42,500 1970 2001 特定 9条等指定 熊本 緑川 加勢川 六間堰 堰 - - 1993 1999 大分 筑後川 津江川 下筌ダム アーチ 98.0 59,300 1958 1972 特定 1986年再開発 大分 大分川 七瀬川 ななせダム ロックフィル 91.6 24,000 1978 2019 特定 指定 大分 筑後川 筑後川 松原ダム 重力 83.0 54,600 1958 1972 特定 1984年再開発 大分 山国川 山移川 耶馬溪ダム 重力 62.0 23,300 1970 1984 特定 指定 宮崎 大淀川 岩瀬川 岩瀬ダム 重力 55.5 57,000 1953 1967 補助 再生事業中 鹿児島 川内川 川内川 鶴田ダム 重力 117.5 123,000 1959 1965 特定 2018年再開発ダム湖百選
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