沖縄総合事務局
沖縄総合事務局
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「国土交通省直轄ダム」の記事における「沖縄総合事務局」の解説
日本の多目的ダム一覧#沖縄県も参照のこと 内閣府沖縄総合事務局管内では既設ダム9基が直轄管理されている。 沖縄県は九州地方整備局の管轄外であり、直轄ダムの施工と管理は沖縄総合事務局が行っている。1972年(昭和47年)の沖縄返還により沖縄の施政権は琉球列島米国民政府より日本政府へと継承された。しかし日本本土に比べ沖縄県のインフラストラクチャー整備は遅れており、本土とは別に国の強力な支援による一体的な措置を講じる必要性が生じた。復帰前年(1971年)に現在の沖縄振興特別措置法の前身に当たる沖縄振興開発特別措置法が成立し、沖縄返還後の1972年5月15日には沖縄開発庁と地方支分部局である沖縄総合事務局が設置され、2001年(平成13年)の省庁再編により現在の内閣府沖縄総合事務局となった。沖縄総合事務局は北海道開発局と同様に道路、河川、農地開発などの施策を一体的に実施する役割を持ち、国土交通省地方整備局の業務は沖縄総合事務局開発建設部が担当している。 沖縄県の河川は全て二級河川であり本来特定多目的ダム法の適用範囲外であるが、先の理由もあり沖縄振興特別措置法第107条(沖縄の河川に係る特例)を設けて対処した。すなわち河川法第10条の特例措置として二級河川であっても沖縄県では必要に応じて国土交通大臣が直轄で河川改修を実施できると定め、直轄ダムについては第107条第6・7項に準拠し河川法第10条や特定多目的ダム法の特例として二級河川であっても国土交通大臣が事業者である特定多目的ダムの施工・管理が可能であることが定められた。この法規定により沖縄県では沖縄総合事務局が直轄ダム事業の施工と管理を国土交通省から代行する形で実施しているが、直轄ダムの所有権者は国土交通大臣であり内閣府ではないため「内閣府直轄ダム」にはならない。 沖縄県には大河川が無く、台風常襲地帯であるため大雨が降れば本土に比べ洪水到達時間が早く水害の危険性が高い河川が多い。しかし少雨になれば元来水量が乏しいため容易に水不足に陥る。沖縄県における河川総合開発事業は利水、特に上水道供給などの水資源開発を重視して行われたがその萌芽となったのは1963年(昭和38年)にアメリカ陸軍工兵司令部が沖縄本島北部を流れる新川(あらかわ)川、安波(あは)川、普久(ふん)川の3河川にダムを建設するマスタープランである。また琉球水道公社は逼迫の度合いを強める沖縄本島の水需要に対処するため同じく県北部を流れる福地川に水道専用ダムの計画を1969年(昭和44年)に立てた。こうしたダム計画は1971年より琉球列島米国民政府建設局による多目的ダム事業として統合され進められた。一方日本側は1970年(昭和45年)より当時の建設省水資源開発調査団がダム事業についての調査を行い積極的な財政措置の必要性を報告、1972年の本土復帰後は名護市に沖縄総合事務局北部ダム事務所を設置してこれらの事業を継承し沖縄北部河川総合開発事業として本格的な施工を開始した。 沖縄北部河川総合開発事業は福地(福地川)、新川(新川川)、安波(安波川)、普久川(普久川)、辺野喜(辺野喜川)の5ダムを建設してダム湖間を導水路で連結して貯水を相互に融通することで沖縄本島の水需要に対処すると同時に治水安全度を高めることを目的とし、1990年(平成2年)の福地ダム再開発事業完成により概ね完了した。しかしこの間にも給水制限延べ326日に及ぶ沖縄県大渇水(1981年 - 1982年)を始め渇水が頻発。さらなる水資源開発の必要性が生じ新規の直轄ダム事業が計画され、漢那(漢那福地川)、倉敷(与那原川)、羽地(羽地大川)、大保(大保川)の各ダムが建設され、最後に金武ダム(億首川)が建設された。沖縄県企業局が管理する水道用ダムの再開発事業としてダム直下に建設され、2013年(平成25年)完成した金武ダムは当初重力式コンクリートダムとして計画されたが、事業コスト縮減と環境保護の観点から型式を変更し、世界で初めて台形CSGダムとして施工が開始された。ただし完成については北海道の当別ダム(当別川)が先となる。以上10ダムのうち完成後沖縄県に管理が移管された倉敷ダムを除く9ダムは1983年(昭和58年)に発足した沖縄総合事務局北部ダム統合管理事務所による統合管理下にあり、効率的・一体的な管理が実施されている。 施工中のダム、国土交通省によるダム事業再検証ダムは存在せず、水源地域対策特別措置法(水特法)に指定されたダムも存在しない。沖縄県における直轄ダム事業は、金武ダムの完成により一区切りが付けられた状態になっている。 水系河川ダム型式高さ総貯水容量着工完成分類水特法備考安波川 安波川 安波ダム 重力 86.0 18,600 1972 1982 特定 新川川 新川川 新川ダム 重力 44.5 1,650 1972 1976 特定 億首川 億首川 金武ダム 台形CSG 39.0 8,560 1978 2013 特定 旧名億首ダム再開発 漢那福地川 漢那福地川 漢那ダム 重力 45.0 8,200 1978 1992 特定 ダム湖百選 大保川 大保川 大保ダム 重力 77.5 20,050 1987 2011 特定 羽地大川 羽地大川 羽地ダム ロックフィル 66.5 19,800 1976 2004 特定 福地川 福地川 福地ダム ロックフィル 91.7 55,000 1972 1974 特定 1990年再開発ダム湖百選 普久川 普久川 普久川ダム 重力 41.5 3,050 1972 1982 特定 辺野喜川 辺野喜川 辺野喜ダム 複合 42.0 4,500 1975 1987 特定
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