大分川とは? わかりやすく解説

おおいた‐がわ〔おほいたがは〕【大分川】

読み方:おおいたがわ

大分県中央部流れる川。大分川水系本流由布岳南西麓に源を発し湯布院盆地をほぼ南西流したのち、東流し大分市街地東で別府湾に注ぐ。長さ55キロ支流多く11か所に発電所がある。堂尻(どうじり)川。


大分川

人・歴史調和都市と自然の共存豊かないのちが輝く「大分川」

大分川は、その源を大分県大分郡湯布院町由布岳標高1,584m)に発し湯布院盆地通過し阿蘇野川芹川等を合わせて挟間町において、大分平野入り賀来川七瀬川合わせ大分市において別府湾に注ぐ、幹川流路延長55km、流域面積650km2一級河川です。

大分市の中心部を流れる大分川
大分市中心部流れる大分川

河川概要
水系大分川水系
河川名大分川
幹川流路延長55km
流域面積650km2
流域内人252,808
流域関係都県大分県

大分川流域図
○拡大図
1.大分川の歴史
"大分川中流域支流含め河岸段丘地帯であったため、昔から河川かんがい用水利用するのは困難でした。しかし、元禄7年初瀬井路を完成させ、干ばつから守りましたまた、中流及び下流平安時代~鎌倉時代室町時代~江戸時代までに現在の流路を形成してます。"

大分川の歴史先人の知恵

水路位置図
かんがい用水歴史
中流域支流含め河岸段丘地帯であるため、昔から河川かんがい用水利用する ことは困難でした正保4年(1647年)の「豊後国郷帳(ぶんごくにごうちょう)」では、 河川沿いの多くが、干ばつ常襲とされています。
このような背景のもと、この地域で最も大きいかんが施設である 初瀬井路(はつせいろ)総延長36.4km、かんがい面積380haで櫟木(いちき)ダム(庄内町(しょうないまち))で取水し、 大分市(おおいたし)大分港放水)ができました
この流路は、天正年間(1573~1592)に築かれた「荏隈井手(えのくまごういで)」、 慶安3年(1650年)に築かれた「阿南新井(あなんのしょうしんいで)」、 元禄7年(1694年)に築かれた「向原新井(むかいのはるしんいで)」の 3つの用水路つないで作られています。

南大分の今昔図
治水の歴史
明磧橋(あけがわらばし)付近より下流流路は、その昔平安時代には七瀬川(ななせがわ)合流点付近より右に寄り滝尾(たきおまがり)碇山(いかりやま)の間を流れ津守(つもり)貫いて下郡(しもごおり)付近に流れ込んでいましたが、鎌倉時代になると明磧橋付近(奥田(奥田))より左より流路変え奥田古国府(ふるごう)貫け元町(もとまち)付近に流れ込んでいたといわれています。元町付近より下流部流路は、鎌倉時代~室町時代江戸時代にかけて、元町長浜(ながはま)住吉川(すみよしがわ )に至る流路大川であったらしく、さらにその後元町からまっすぐ海へ流れこむ現在の流路を形成したようです
2.地域の中の大分川
"大分川支川七瀬川蛇行部をショートカット洪水被害軽減を図るため、市捷水路完成させました。大分川の中下流部及び七瀬川では、広い河川敷利用した様々なイベント実施され毎年多くの人が利用してます。"

地域根付く大分川

市捷水路
七瀬川捷水路(ちしょうすいろ)建設
大分川支川七瀬川本川合流点から3.0km~3.6kmに位置し、川の蛇行(だこうぶ)堤防の未改修により被害受けていたため、川の蛇行部をショートカット洪水被害軽減を図るため、市捷水路事業実施され平成8年度に完成しましたまた、大分市によって旧川との間に整備され七瀬川自然公園は、平日休日問わず地域人々憩いの場として利用されています。

七瀬川自然公園七瀬川自然公園


・大分川の河川利用状況
大分川の中下流部及び七瀬川では、広い河川敷利用した様々なイベント実施されています。かなでも、豊後(ぶんご)流しびな、リバーフェスタ、花火大会火群(ほむら)まつりは毎年多くの人が利用してます。
豊後流しびな大分川リバーフェスタ
豊後流しびな大分川リバーフェスタ
ななせ火群まつり大分川花火大会
ななせ火群まつり大分川花火大会
3.大分川の自然環境
"淡水区間の全区間渡って裏の砂礫地にはツルヨシ群落高水敷にはオギ群落見られオオヨシキリなどの鳥類小動物生息となってます。下流広瀬橋周辺水面には冬季カモ類が越冬のため数多く渡来し探鳥会が行われています。"


大分川流域

大分県温泉地多く、大分川流域には、全国的に有名な由布院(ゆふいん)温泉湯平(ゆのひら)温泉、また周辺には名水100選選ばれている男池湧水群(おいけゆうすいぐん)景勝地として有名な渓仙峡(けいせんきょ)点在しており、毎年多く観光客賑わってます。
オオヨシキリ
オオヨシキリ
大分川では淡水区(たんすいくかん)の全区間渡って裏の砂礫地にはツルヨシ群落高水敷(こうずいじき)にはオギ群落見られオオヨシキリなどの鳥類小動物生息となってます。
コガモ
コガモ
下流広瀬橋(ひろせばし)周辺水面には、冬季カモ類が越冬のため数多く渡来し探鳥会が行われています。
支川七瀬川賀来川(かくがわ)淡水区間であり自然河岸多く水際にはツルヨシ生息し区間全体渡って高木林分布している為、林地性の鳥類多く生息してます。
ゲンジボタル
ゲンジボタル
また、七瀬川ホタル生地として知られており、夏になると鑑賞訪れる人も多くます。胡麻鶴橋(ごまづるばし)付近にホタル護岸設置されており、毎年ゲンジボタル幼虫放流し保護してます。
4.大分川の主な災害


発生発生原因被災市町村被害状況
昭和28年
6月24日26日
梅雨前線大分市死者行方不明者84
家屋流出全半壊3,330
床上床下浸水38,582
昭和32年
9月5日7日
台風大分市行方不明者8名
家屋流出全半壊102
床上床下浸水13,236
平成5年
9月2日4日
台風大分市死者行方不明者7名
家屋全半壊58
床上床下浸水3,090
平成9年
9月13日16日
台風大分市家屋全半壊1戸
床上床下浸水303


(注:この情報2008年2月現在のものです)

大分川

読み方:オオイタガワ(ooitagawa)

所在 大分県

水系 大分川水系

等級 1級


大分川

読み方:ダイブガワ(daibugawa)

所在 福岡県

水系 遠賀川水系

等級 1級


大分川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 23:23 UTC 版)

大分川(おおいたがわ)は、大分県中部を流れる大分川水系の本流で、一級河川である。古くは堂尻川寒川とも呼ばれた。


  1. ^ a b 大分川水系河川維持管理計画 (PDF) 国土交通省九州地方整備局大分河川国道事務所、2012年4月、p.44(天神橋から下流の橋梁の名称等は特記がない限り本資料による)
  2. ^ a b 第1章 大友氏遺跡の概要と価値”. 大分市. p. 6. 2019年9月8日閲覧。
  3. ^ 県名の由来 - 大分県ホームページ”. www.pref.oita.jp. 2019年9月8日閲覧。
  4. ^ 大分市. “大分市のあらまし”. 大分市. 2019年9月8日閲覧。
  5. ^ 膳伴公氏(かしわでのとものきみうじ) 連綿と続く古代氏族の系譜 - 大分歴史事典
  6. ^ a b 大分川水系の流域及び河川の概要 (PDF) 国土交通省河川局
  7. ^ a b “大分川沿い 豪雨被害相次ぐ”. テレビ大分. (2020年7月9日). https://www.tostv.jp/news/6476.html 2020年7月11日閲覧。 
  8. ^ 【警戒レベル5】洪水に関する災害発生情報発令について”. 由布市 (2020年7月8日). 2020年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月8日閲覧。
  9. ^ 令和2年7月豪雨に伴う出水について(速報版) (大分川水系) - 国土交通省大分河川国道事務所(2020年7月10日、7月11日閲覧)
  10. ^ 平成27年度大分川水系流域・水系浸水想定区域図・重要水防箇所一覧 (PDF) 国土交通省九州地方整備局大分河川国道事務所


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