黒又川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 08:50 UTC 版)
「只見特定地域総合開発計画」の記事における「黒又川」の解説
新潟県と福島県が激しく争った只見川分水問題の解決策として導入された黒又川の分水計画は、黒又川第一ダム・黒又川第一発電所(出力6万1500キロワット)と黒又川第二ダム・黒又川第二発電所(出力1万7000キロワット)を中心に、黒又川第三・第四発電所の四発電所を建設する計画となった。 四発電所のうち黒又川第二発電所、及び黒又川第四発電所は揚水発電を行うのが目的で、副次的に奥只見ダムの水を只見川の水が豊富な時に黒又川に導水し、黒又川第四発電所から放流して黒又川第一ダムに貯水し、越後平野への灌漑用水補給を図るのが狙いであった。最後に黒又川第三発電所を建設してこの流域の水力発電事業は完成する予定であった。 まず黒又川第一ダムと発電所が1958年2月17日に運転を開始し、続いて第二ダムと発電所の建設が行われた。ところが第二ダムが当初の有効貯水容量を1000万立方メートルから5000万立方メートルに拡張したことで、越後平野へ供給する灌漑用水が黒又川単独で賄えることになった。このため新潟県は1961年9月、電源開発に黒又川第四発電所と奥只見ダムからの分水計画の中止を申し入れ、第34回電源開発調整審議会で了承されたことで只見川からの分水計画は中止され、只見川の水は全て本流で一貫して利用されることになった。こうして、新潟県長年の課題であった「只見川分流案」は、思わぬ形で解決したのである。同時に黒又川第三発電所計画も中止になり、黒又川の水力発電計画は1964年1月14日に第二ダムが完成したことで終了した。なお、第二発電所の揚水発電は後に廃止され、一般水力発電所になっている。
※この「黒又川」の解説は、「只見特定地域総合開発計画」の解説の一部です。
「黒又川」を含む「只見特定地域総合開発計画」の記事については、「只見特定地域総合開発計画」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- 黒又川のページへのリンク