きもつき‐がわ〔‐がは〕【肝属川】
肝属川
肝属川は、その源を鹿児島高隈山系御岳(標高1,182m)に発し、鹿屋市を貫流して、姶良川、高山川、串良川等を合わせて肝属平野を流下し、志布志湾に注ぐ、幹川流路延長34km、流域面積485km2の日本最南端の一級河川です。 |
肝属川河口部 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.肝属川の歴史 |
"弥生時代より米づくりが盛んに行われ、米どころとして有名でした。平安時代より、肝属川は荷物や情報の船による輸送手段として利用され、有数の貿易港として栄えていました。流域には大隅半島では数少ない眼鏡橋である大園橋があります。" |
肝属川特有の歴史、先人の知恵の活用 |
2.地域の中の肝属川 |
"肝属川の水は古くから農業用水として利用されています。また、流鏑馬祭りや八月口説踊りなど、昔から地域と河川が密着した祭りやイベントがあります。最近では、小中学校にて、河川を利用した学習活動が行われています。" |
地域社会とのつながり 肝属川流域の主な市町は、鹿屋市、串良町、東串良町、高山町、吾平町の1市4町で、いずれもその市街部を肝属川、支川串良川、高山川、姶良川が流れており、昔から地域と川が密接に係わってきました。
鹿屋市で旧暦8月28日行われる八月口説踊りは、新田川水神奉納と合わせ五穀豊穣を祈ったものであります。唄は、和田新田川の水路工事に加わった琉球人の望郷の念悲哀な思いがこの唄の元唄となったと伝わっています。また、永良部・徳之島・喜界島等に元唄があることから波見港を通じて伝来したという説もあります。
鹿屋市にあるホタルの里では、5月下旬頃から6月中旬にかけて、約500~1,000匹のホタルが川いっぱいに飛び交うホタルの光のショーが見られます。
各市町の小中学校では、環境教育の一環として河川を利用した学習活動が行われており、その中でも、総合学習の時間で川の生物調査や水質調査や地域住民と連携した清掃活動などが盛んに行われています。
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3.肝属川の自然環境 |
"肝属川は、最南端を流れる1級河川で、流域の約70%がシラスに覆われています。また、台風の通り道でもあることから降水量も多く、流域内では、動植物約2,700種が確認され、中でも全国でも珍しいサシバの渡りが見られます。" |
肝属川流域の約70%は、火砕流堆積物である「しらす」に覆われています。しらすは水を通し易く、水を吸うと非常にもろくて、崩れやすいという特徴があります。 また、梅雨や台風の季節を中心に雨が多く、過去10年間の年降水量の平均は約2,650㎜で全国平均と比較しても多いです。肝属川流域では洪水の約70%が台風によるものであり、毎年多くの台風が接近・上陸し、大きな被害が発生することもしばしばあります。
水質は、近年、九州内一級河川20水系の中でBOD(生物化学的酸素要求量)値の評価でワースト上位を占めていますが、数十年前と比べると改善傾向にあります。 温暖多湿な気候のため自然環境にも恵まれており、近年の水辺の国勢調査等によると肝属川流域には、動植物が約2,700種確認されており、そのうち約6割は陸上昆虫類です。また、特定種としては、オオタカ、メダカ、シオマネキなど60種確認されており、そのうち約4割は鳥類です。
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4.肝属川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
肝属川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 08:10 UTC 版)
肝属川(きもつきがわ・肝付川とも表記)は、鹿児島県南東部、大隅半島中部を流れ太平洋に注ぐ肝属川水系の本流で、一級河川である。上流部を鹿屋川と称する。「肝属川」の川の名前は「肝属郡」の郡名に由来する[1]。
- ^ “【肝属川】の概要/国土交通省九州地方整備局河川部”. www.qsr.mlit.go.jp. 2019年9月8日閲覧。
- ^ 吾平川氾濫で麓地区に濁流『九州日報』(昭和13年10月16日)『昭和ニュース辞典第6巻 昭和12年-昭和13年』p216-217 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ a b 明治建造のアーチ橋 氾濫恐れで撤去検討 鹿児島・鹿屋市 南日本新聞、2021年9月16日閲覧。
固有名詞の分類
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