租税法
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国際租税法
国際的な経済活動・経済取引に対する課税を国際課税といい、国際課税に関する法を国際租税法(英語: International Tax Law)という[64]。国際租税法には、貿易や投資などの国境を超えて行われる取引に関する国内法のほか、租税条約や外国の関連法令も含まれる[65]。国際租税法は、適正な課税の実現を行わなければならないとされており、適正な課税とは、「円滑な国際取引の障害にならない課税」というだけではなく、「世界的効率(租税の中立性)」「国際的公平」「納税者間の公平」といった理念に沿う課税でなければならないとされる[66]。
課税権は国家主権の重要な要素とされ、国際法上においても主権国家の課税権を制約するものはないとされる[67]。そのため、基本的には国内取引と変わらないが、一切の調整を行わなければ、国際取引では1つの取引に対して複数の国が課税を行うこととなってしまう[68]。そのため、各国は国際的二重課税を回避し、国際的な課税秩序の確立のために、国内法の規定や租税条約の締結などにより課税権を調整する[68][69]。
また、国際的経済活動においては、資金洗浄やタックス・ヘイヴンなど、各国の法令や制度の相違を利用した国際的な脱税や租税回避が行われることが多く、その防止策として国内法や租税条約において措置を講ずることが必要となる[70][71]。
国際租税法の法源としては、自国の国内法、租税条約、外国の国内法、国際法の4つが挙げられる[72]。
日本においては、国内法については外国税額控除制度、過少資本税制、移転価格税制、タックスヘイヴン対策税制などを規定しており[73]、租税条約については2020年(令和2年)11月1日時点において65本の租税条約が74の国・地域において適用され、それを含めた78の租税条約等が141の国・地域において適用されている[74]。
注釈
- ^ 個別の租税法の内容は他の独立した記事で説明することになるので、当記事で取り扱う内容は主にこの部分に関するものが中心となる。
- ^ 一般に政令は「施行令」、省令は「施行規則」と呼ばれる。ただし、1964年(昭和39年)以前は政令を「施行規則」、省令を「施行細則」と呼んでいた[22]。
- ^ ただし、通達に基づいて課税処分が行われた場合であっても、その通達の内容が法律の正しい解釈と合致している場合には、法律に基づいて行われた課税処分とされる[25]。
- ^ 旧ドイツ租税調整法は、1977年の「租税基本法(Abgabenordnung)」の改正に際して吸収統一され、この規定は承継されなかった[41]。
出典
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