ファシリテーター
ファシリテーターとは、ファシリテーターの意味
ファシリテーター(英: facilitator)とは、会議やミーティングなど議論や意見交換の行われる場で、参加者たちの話の内容を整理したり、意見が活発に出るように発言を促進したりする進行役のことをいう。議論の決定権は持たず、中立的な立場で討論が円滑に行われるようにする世話役を担う。ファシリテーターの語源
英語の facilitator は、もともとは、動詞 facilitate (促進する)に接尾辞 -er (~する人)を加えて名詞化した単語である。単純に捉えれば facilitator は「促進する(役割の)人」という意味であると解釈できる。動詞の facilitate は、もともとは英語の名詞 facility に接尾辞 ‐ate を加えて動詞化した単語である。また、名詞の facility の基本的な語義は「設備・施設」「容易さ・簡便さ」「(事を簡単にこなす)器用さ」などである。接尾辞 ‐ate は名詞について「~させる」という意味の動詞にする機能がある。つまり、facilitate は「容易にする」「簡単にこなせるようにする」という意味合いといえる。名詞の facility は、もともとは、形容詞 facile に接尾辞 -ity を加えて名詞化した単語である。facile が「楽に手に入る」「容易に・楽々と」という意味の語であり、接尾辞 -ity は「(そのような)性質」という意味の抽象名詞にする接辞である。形容詞の facile の語源はラテン語の「facilis」である。ラテン語の facilis は同じくラテン語の「facere」を語源とする。ラテン語 facilis はもともとは「容易である」(easy)のような意味の語であり、ラテン語の「facere」は「実行する」(do)に相当する意味合いの語である。
ファシリテーターの特徴・活躍するシーン・メリット
ファシリテーターを置かずに会議や議論を行う場合では、参加者同士の力関係に発言内容が左右されてしまい、新しい発想が生まれにくいという問題が多く見られた。一方、ファリシテーターを置いて進行する議論では、ファリシテーター自身は意見を促す調整役に徹するため、参加者たちが気軽に意見を出しやすくなるというメリットがある。たとえばビジネスの場面においては、経験の少ない若手社員でも声をあげやすくなり、新しいアイデアの実現や実行に取り組みやすい組織風土の確立にも貢献する。教育におけるファシリテーターとは、教える教師がいて教わる生徒がいるという従来のイメージではなく、「聞き出す力」によって生徒それぞれの意見を平等に取り上げていき、そのひとつひとつの意見をまとめることで、教室全体のチームワークを高めていく役割を担うことをいう。わかりやすく言えば「先生に言われたことだから、従おう」ではなく「クラスみんなで話し合って決めたことだから、みんなで実践していこう」という雰囲気にしていくのが、教育ファシリテーターの役割である。
医療や看護におけるファシリテーターとは、教育における場面と同様に、どのような方針で患者に医療や看護をしていくのかということを「決められる」のではなく「自分たちで考える」という雰囲気を創り上げていく役割のことをいう。「このように看護をしていきなさい」と上司が決めるのではなく「こんな風な看護をして患者に向き合っていくとどうだろう」という話し合いにおいて、医療従事者たちがそれぞれの立場で自分の想いを述べ合う。結果として、自らが考えた方法で患者に向き合っていくことになるので、ひとりひとりが自信と責任を持って業務に取り組むようになり、「自ら考えて動き出す」という主体的に動ける医療従事者の育成に役立っていくことになる。
ファリシテーターが進行を担う話し合いや議論では、「決められたことに従う」のではなく「自分が積極的に参加・発言した内容によってチームの雰囲気が向上していく」ため、「その場で決まったことに皆が納得し」「新しいアイデアが生まれやすく」「一人ひとりが関わり合いを持ったチームワークが確立されやすい」といったメリットがある。
ファリシテーターの類語
ファリシテーターの類語にコーディネーターが挙げられる。コーディネーターとは、会議の筋道を考える人のことをいう。あらかじめ、会議で検討するべきテーマを定め、どんな流れで進行していくのかという「脚本家(台本を書く)」の役割を担う。ファリシテーターは会議の雰囲気を作っていく人なので、脚本家に対して「演出家」のイメージとして捉えると違いが分かりやすくなる。教育ファシリテーターとは、教師の話を聞いて終わるのではなく、自ら発言し行動する、自主性と協調性を持った生徒を育てていくための「参加型授業」を行う能力を持った指導者のことである。生徒に教えるのではなく生徒から聞くという姿勢を教師が持つことで、生徒一人一人が積極的に授業に参加していく雰囲気をつくることを目的とする。
ファシリテーター【facilitator】
ファシリテーター
ファシリテーター
(ファシリテーション から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 01:30 UTC 版)
ファシリテーター(英語: facilitator)とは、グループや組織がより協力し、共通の目的を理解し、目的達成のための計画立案を支援する人のことである。ファシリテーターは活動の中で、参加者の様々な意見や考えを公平に扱い、特定の側に立つことはなく[1]、また、自身がイメージする意図や落とし所に参加者たちを誘導しないよう、2つの意味で中立の立場を保つ[2]。狭義には会議や議論の際に、司会を行い場を促進する人を指す。
注釈
- ^ ラップアラウンドとは、アメリカ、カナダ等で行われているソーシャルワークのアプローチの一種。児童福祉、少年司法、精神保健、教育などの分野において、行動面・情緒面・精神面に深刻で複雑な問題を抱える子どもや若者に対して、コミュニティを基盤として子どもと家族を支援するチームを組み、クライエントの自己決定を重視した、柔軟で包括的な支援やサービスを行うチームアプローチ。1年半 - 2年程度集中的に関わって支援し、エンパワーすることで、彼らが自らの周囲の環境や問題に目を向け、理解し、その意味をリフレーミングすることを重視しており、クライエントが地域をまきこんだ(ラップアラウンドした)形でつながりを作り、成長し、自分たち自身で必要なものに手を伸ばし、生活していく力を身につけることを目指す。[43][44]ラップアラウンド・ファシリテーターは、この支援チームの会議を主導、管理し、必要な支援を行うことができるよう議論を援助する。
出典
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ファシリテーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 07:36 UTC 版)
会議を考案し進行役を務めるファシリテーターという専門職がある。そもそも会議は、時間や人件費など、貴重なリソースを投じて行われる。ファシリテーターは、会議の進行を通じてそれら「資源の浪費」を防ぐ役割を担うことが多い。
※この「ファシリテーター」の解説は、「会議」の解説の一部です。
「ファシリテーター」を含む「会議」の記事については、「会議」の概要を参照ください。
ファシリテーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/12 14:34 UTC 版)
いのちの積み木を扱ってワークショップをできるファシリテーターを育てる制度を取っている。 ファシリテーターの内訳 僧侶 神主 葬儀屋 石材店 終活関係者 法務関係者 自営業 会社員
※この「ファシリテーター」の解説は、「いのちの積み木」の解説の一部です。
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ファシリテーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 13:33 UTC 版)
「クロスオーバー (官民協働ネットワーク)」の記事における「ファシリテーター」の解説
池田洋一郎:代表。元財務省職員。『ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ 世界を変えてみたくなる留学』、『バングラデシュ国づくり奮闘記――アジア「新・新興国」から日本へのメッセージ』著者。現在アジア開発銀行勤務。 服部真子:チーフファシリテーター。NHK World勤務。 その他多数。
※この「ファシリテーター」の解説は、「クロスオーバー (官民協働ネットワーク)」の解説の一部です。
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