12 Etudes Op.10 CT14-25とは? わかりやすく解説

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ショパン:エチュード集(練習曲集)

英語表記/番号出版情報
ショパンエチュード集練習曲集12 Etudes Op.10 CT14-25作曲年: 1829-32年  出版年1833年  初版出版地/出版社: Kistner,Schlesinger,Wessel  献呈先: Franz Liszt ("À" SON AMI)

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1番 ハ長調 C-dur Op.10-12分00
2 第2番 イ短調 a-moll op.10-21分40
3 第3番 ホ長調 「別れの曲」 E-dur op.10-34分30秒
4 第4番 嬰ハ短調 cis-moll op.10-42分00
5 第5番 変ト長調 「黒鍵」 Ges-dur op.10-51分40
6 第6番 変ホ短調 es-moll op.10-63分30秒
7 第7番 ハ長調 C-dur op.10-71分40
8 第8番 ヘ長調 F-dur op.10-83分00
9 第9番 ヘ短調 f-moll op.10-92分30秒
10 第10番 変イ長調 As-dur op.10-102分30秒
11 第11番 変ホ長調 Es-dur op.10-112分30秒
12 12番 ハ短調 「革命」 c-moll op.10-123分00

作品解説

2008年7月 執筆者: 朝山 奈津子

 ショパン2つの《練習曲集》全24曲の起源は、2つある。
 ひとつは、バッハ平均律クラヴィーア曲集》、すなわち24の調によるプレリュードとフーガである。もちろんこうした曲集の編み方自体バッハ発明ではないが、音楽あらゆる技法形式見本として、学習者のための規範として《平均律》こそが金字塔打ち立てた。そして、ショパン以前には既に、クレメンティカルクブレンナーなど、ショパン以後にはリストバルトークラフマニノフピアノ以外にもパガニーニなど、実に多く作曲家バッハへのオマージュ込めて練習曲集》を世に送り出している。18世紀後半の間は、前奏曲練習曲を1対としたものが、19世紀に入るとこうした組み合わせ時代に合わなくなりそれぞれ別の曲集として作られるようになったショパンまた、練習曲集Op. 10, 24のほかに《24の前奏曲集》Op. 28出版している。
 もうひとつ起源とは、もちろん、19世紀前半さかんに書かれピアノ教則本としての練習曲集である。これらは、楽曲形式演奏技法包括的範例であるとともに実践的な訓練のためのプログラムだった。ショパンは特に、クレメンティモシェレスのものを参考としたが、先達練習曲集にはない「独自の方法で」みずからの練習曲書いた。すなわち各曲には、高度な練習曲は高度な音楽であるはずだ、というショパン信念反映されている。これが単なる学習課題範疇超えてこんにち広く愛されているのは、美し旋律和声織り成す抒情性、まさに高度な音楽であるが故だろう。ただし、これらが実際に自身のための練習課題であったことは間違いない。つまり、リストがのちに行なったような、「練習曲」の語をひとつのジャンル名として捉え当初から演奏会曲目として、つまり技巧聴衆披露する手段としての楽曲ショパン構想していない。そしてこれが、現代でもピアノ教育最終段階における課題として学習者に必ず課せられるのは、24曲を通じて技巧だけでなくショパン音楽性真髄あますことなく学びとれるからである。

練習曲集Op.10 は、当代最高のピアニストとして敬意表しリスト献呈された(ただしショパンは、作曲家としてはリストをあまり評価せず、後年友人としては距離を置いた。)この献呈はおそらく、この卓越したヴィルトゥオーゾからの賞賛狙ったものであり、リスト望みどおり惜しみない賛辞送った
 12曲の調配列は、
C:-a:-E:-cis:-Ges:-es:-C:-F:-f:-As:-Es:-c:
第1番第7番ハ長調を置き、前半シャープ系、後半フラット系にまとめようした痕跡窺える変ト長調嬰ヘ長調異名同音調である)。また各曲間には緩やかな調的連関見られる。すなわち、各関係はつねに一定ではないにせよ、何らかの近親調範囲にある。なお、《練習曲集Op.25 第1番変イ長調(As:)であり、2つの曲集を順番通り通して演奏する際にも調的な違和感生じない構成になっている



第1番
 ハ長調であること、同一音型で和声少しずつ変化することなどから、明らかにバッハ平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュードへのオマージュである。
 練習課題は、右手首、右肘の柔軟な使い方と腕の疲労の処理。

第2番
 練習課題は右内声の処理。

第3番(「別れの曲」)
 練習課題は、両内声の処理、および上声カンタービレ表現

第4番
 こうした旋律作り方は、バッハ時代に「紡ぎ出し」と呼ばれたもの。細かな動機変奏転回によって徐々に発展してゆく。
 練習課題は、正確で粒の揃った右手発音各部コントラスト

第5番(「黒鍵」)
 右手黒鍵音のみを使用するため、機能和声の力が殺がれ、一種エキゾティック響き生まれる。
 練習課題黒鍵奏法

第6番
 非対位法的ポリフォニーの例。一貫して3つのパート維持される
 練習課題は、左内声の処理。

第7番
 練習課題は、重音レガート奏法

第8番
 練習課題右手のパッセージワーク、特に幅広い音域に渡る分散和音音型。

第9番
 練習課題左手分散和音音型。

10番
 ショパン付けたスラーアクセントによって、両手異な拍子現われている。
 練習課題は、両手対照的アクセント左手跳躍を含む分散和音音型。

第11番
 練習課題は、両手幅広い分散和音をつかむこと。

12番(「革命」)
 通称は、リストによる命名。ただし、ショパンポーランドからパリに向かう途中1831年シュトゥットガルトで、前年12月起こったロシア軍ワルシャワ侵攻知ったのは事実だが、失望憤怒のあまり〈革命〉のエチュード一気書き上げたというのは俗説である。そもそもこの曲の構想それ以前からあったとみられ、前年秋に作曲着手していた可能性がある。また、確かに即興的なパッセージワークに満ちているが、ショパン作品が常にそうであるように、即興性はあくまで演出であって、〈革命〉のエチュードもまた細部まで精緻計算され、よく練られている。
 練習課題は、左手細かな音型の正確な発音、右のオクターヴ奏法、そしておそらくはフォルティシモそのもの演奏




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