蒸気機関車に引かれてタッガート・トンネルに入って行ったコメット号の乗客
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/07 05:56 UTC 版)
「肩をすくめるアトラスの登場人物一覧」の記事における「蒸気機関車に引かれてタッガート・トンネルに入って行ったコメット号の乗客」の解説
一号車A寝室の男 The man in Bedroom A, Car No. 1 社会学の教授。 「個人の能力は社会には何の影響も及ぼさず、個人の努力は無駄であり、個人の良心は役に立たない贅沢であり、個人の精神も人格も業績もなく、すべては集団として達成され、重要なのは大衆全体であり、個人ではないと教えていた」と描写されている。 二号車七番室の男 The man in Roomette 7, Car No. 2 ジャーナリスト。 「『善い大義』のためであれば、何であれ彼自身が『善い大義』の思想とみなすと決めたことのためならば、強制行為は妥当で道徳的であると書き、自分には他人に対する暴力―人生を台無しにし、野心を抑圧し、欲望を絞め殺し、信念を侵し、刑務所に入れ、略奪し、殺戮する暴力の拘束を解く権利があると信じていた。彼は善を定義したこともなく、ただ『感情』に従ったというだけであり、善い大義とは思想である必要さえなかった。そして情緒は知識に優ると考え、自分自身の『善意』と銃の力のみに依存しており、感情が知識によって抑制されることはなかった」と描写されている。 三号車十番室の女 The woman in Roomette 10, Car No. 3 年配の学校の教諭。 「多数の意思だけが善悪の基準であり、多勢であれば何をしてもよく、人は我を張るべきではなく、人並みに生きねばならないと教えることによって子どもたちを軟弱な臆病者に変えることに生涯を費やしていた」と描写されている。 四号車B室の男 The man in Drawing Room B, Car No. 4 新聞社の社長。 「人間は生来悪であり、自由には適さず、人の基本的な本能は監視がなければ嘘をつき、盗み、殺しあうことであり―従って、人を働かせ、道徳的たらしめ、秩序と正義の中におさめておくためには、支配者だけの特権にされた嘘と盗みと殺しによって支配されなければならないと信じている」と描写されている。 五号車H寝台の男 The man in Bedroom H, Car No. 5 ビジネスマン。 「機会均等化法案の下に国庫貸付金の援助を得て鉱山を買収することによって事業を始めた」と描写されている。 六号車A室の男 The man in Drawing Room A, Car No. 6 金融業者。 「『凍結』鉄道社債を購入し、ワシントンの友人にそれを『解凍』させて財産を作った」と描写されている。 七号車五番座席にいた男 The man in Seat 5, Car No. 7 労働者。 「雇用主が自分を求めようが求めまいが、自分には仕事に対する『権利』があると信じていた」と描写されている。 八号車六番室の女 The woman in Roomette 6, Car No. 8 講演家。 「消費者として、鉄道の人間が提供したかろうがしたくなかろうが彼女には交通手段を求める『権利』があると信じていた」と描写されている。 九号車二番室の男 The man in Roomette 2, Car No. 9 経済学の教授。 「工業生産において知性が果たす役割はなく、人間の精神は物理的な道具によって条件づけられ、工場や鉄道は誰にでも経営でき、それは機械があるかないかだけの問題だと説明することによって私有財産の廃止を唱えていた」と描写されている。 十号者D寝台の女 The woman in Bedroom D, Car No. 10 二人の小さな子供を連れた母親。夫は政令を守らせる政府の仕事についている。 夫の仕事について、「『私はどっちだっていいわ。困るのはお金持ちだけですもの。結局のところ、私は自分の子どもたちのことを考えなければなりませんから』と弁護した」と描写されている。 十一号車三番室の男 The man in Roomette 3, Car No. 11 脚本家。 「鼻水をたらした気弱で神経質な」人物で、「貧乏臭くてつまらない台本に、社会メッセージとして、すべてのビジネスマンは下劣だという趣旨の猥褻な場面をおそるおそる挿入していた」と描写されている。 十二号車九番室の女 The woman in Roomette 9, Car No. 12 主婦。 「何の知識もない事業を営む大企業を規制するために、どんな人物かも知らずに政治家を選ぶ権利が自分にはあると信じている」と描写されている。 十三号車F寝台の男 The man in Bedroom F, Car No. 13 弁護士。 「『私? 私はどんな政治制度の下でもやっていけますよ』といった」と描写されている。 十四号車A寝台の男 The man in Bedroom A, Car No. 14 哲学教授。 「知性はなく―トンネルが危険だとどうしてわかるだろう?―現実はなく―トンネルが存在するとどうして証明できるだろう?―論理はなく―なぜ列車が動力なしに動けないと主張するのかな?―原則もなく―なぜ因果律にしばられるのかな?―権利もなく―なぜ強制的に人を仕事につかせてはいけないのかな?―道徳もなく―鉄道の経営にどんな道徳があるというんだね?―絶対などない―どのみち君が生きるか死ぬかで何の違いがあるだろう?―と教えていた。そして人は何も知らず―なぜ上司の命令に逆らうのかね?―何事についても決して確信できず―なぜ君が正しいとわかるのかな?―そのときどきの都合で行動しなければならない―仕事を失いたくはないだろう?―と教えていた」と描写されている。 十五号車B室の男 The man in Drawing Room B, Car No. 15 財産を相続した人物。 「なぜリアーデンだけがリアーデン・メタルの製造を許可されるべきなのだろう?」と繰り返していた。。 十六号車A寝台の男 The man in Bedroom A, Car No. 16 人道主義者。 「能力のある人間? かれらの苦しみもかれらが苦しんでいるのかもどうだっていい。能力のない人間を支えるにはかれらに負担させなければならない。正直いって、これが公平かどうかは問題ではない。私は窮乏した者への慈悲が関係するところで、能力のある人間にいかなる公平さも認めたくはないということに誇りを感じている」と述べた。
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