蒸気機関車の復水器とは? わかりやすく解説

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蒸気機関車の復水器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:14 UTC 版)

復水器」の記事における「蒸気機関車の復水器」の解説

蒸気機関車では通常ボイラー作られ蒸気シリンダー送られ動輪駆動し使い終わった蒸気煙室内にドラフトとして吹き出して火室英語版)の空気流れ助けるために使用されるこのためサイクル循環せず、一方的に消費され煙突から燃料燃焼ガス一緒に外に吐き出されてしまう。これは、蒸気機関車運行をするためには頻繁に水の補給をしなければならないことを意味する。 これに対して水源確保難しく補給設備少な乾燥地帯や、調達可能な水の水質条件劣悪な戦場などでは、蒸気機関車運行するために水の消費量極力減らしたいという需要があった。 こうした地域では給水用に大型水タンク設置し、さらにその水タンク備蓄する輸送するためにタンク車連ねた水輸送列車定期的に運行せねばならないなど、水の確保難渋する状況となっていたのである。 そのため、蒸気機関車復水器搭載して循環させるようにしたものがある。復水器循環させても漏れる蒸気を完全には無くせないため全く水の補給省略できるうになるわけではなく当然に燃料補給も必要となるが、理論上一般型機関車比でおよそ90パーセント実用例では40パーセント程度まで水の消費削減できるため、一般型機関車比較してかなり航続距離伸ばすことや、各給水施設水の消費量軽減が可能となる。 もっとも、その一方で排気蒸気回収してしまうためこれをドラフトとして使用できず、ターボブロアファンなどの動力ドラフト装置設置するなどの代替措置が必要となり、さらに復水器での水分凝結に際して冷却ファン駆動が必要となる。そのため、こうした補機に本来走行使用すべきエネルギー消費されてしまう=復水器持たない通常型機関車よりも性能低下してしまうというデメリットがある。また、複雑な復水器搭載するため、機関車自体サイズ大型化するという問題もある。 復水器使用した蒸気機関車ドイツヘンシェル社に実績があり、第二次世界大戦前アルゼンチンロシア向けの復水器蒸気機関車納入実績がある。また第二次世界大戦独ソ戦では、ドイツ自身復水器式に改造したBR52使用した第二次世界大戦後では南アフリカ国鉄25型蒸気機関車の例がある。

※この「蒸気機関車の復水器」の解説は、「復水器」の解説の一部です。
「蒸気機関車の復水器」を含む「復水器」の記事については、「復水器」の概要を参照ください。

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