櫛山家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:09 UTC 版)
櫛山雄一(くしやま ゆういち) - 大熊啓誉 32 - 37歳(第1部)→46歳 - (第2部)→54歳(第3部)。真紀枝と唯幸の長男。『美容院タチバナ』の美容師。離婚歴があり前妻の子・健がいる。郁造の借金のカタとして憧れていた桜子と再婚。再婚後一度も関係を持てず苛立っていたが、自分以外の男の子供を桜子が妊娠した事を知り激怒(両親の前では桜子と一度も関係がないことが知られるのを恥じ、自分の子だと嘘をつく)。さくらの父親は勝だと思い込んだが、桜子と比呂人の子だと知り少し安堵。唯幸には桜子との結婚前からずっと見下され続け、桜子の尻に敷かれていると揶揄される。密かにさくらと面会する事を許した事がきっかけで、ようやく桜子と結ばれるが、3年後に比呂人が高山に戻った事を知り桜子の浮気を疑う。桜子が心中に失敗すると、沙也香と愛人関係になり、離婚を切り出すが唯幸に反対される。沙也香が妊娠すると自宅で一緒に生活する。桜子と離婚後、沙也香と再々婚。娘・睦美をもうける。桜子と比呂人の不倫再炎に興味津々。唯幸の死後、明美の常連客に。後に美容院の経営から手を引き、健が用意した本町のマンションに一家で転居する。堂一を美容室で採用しろと桜子に迫り、沙也香と共に堂一たちの三角関係を面白がる。 櫛山真紀枝(くしやま まきえ) - 大島蓉子( - 第30話) 55 - 61歳。唯幸の妻、雄一の母、健の祖母。『美容院タチバナ』のマダム。一人息子の雄一を溺愛している。勝気で気が強い性格。桜子が嫁いで間もなく、唯幸の愛人・由佳子を店から叩き出す。嫁いだ後も頑なな姿勢の桜子を嫌う。唯幸が桜子に甘いことを不満に思っており、唯幸の桜子への思いに薄々感づいている。性格がきつい出戻りの沙也香のことも桜子以上に憎悪して嫌っている。腰や股関節を患い立ち仕事が辛くなってきた為、桜子が店に出る事を喜ぶが、唯幸と桜子が男女の仲になっていると沙也香に吹き込まれ、唯幸と言い争っている最中に階段から転落し意識不明になり、翌年亡くなる。 櫛山唯幸(くしやま ただゆき) - 神保悟志( - 第43話) 60 - 65歳(第1部)→74歳 - 75歳(第2部)。金融業『櫛山商事』社長、『いさみ酒造』社長、『美容院タチバナ』も経営。真紀枝の夫、雄一の父、健の祖父。美容院で働く女性たちに片っ端から手を付け、由佳子と愛人関係にある。郁造が残した莫大な借金のカタに桜子と雄一との縁談を迫るが、本当の狙いは女性として興味があった桜子を側に置くことであった。桜子が生んださくらの父親が雄一ではないことを見抜き、密かに血液鑑定をし、桜子に追及する。短気な性格であり、勝の弱みを握りながら圧力を掛けていく。心中前の桜子と比呂人の濡れ場を偶然見てからは、桜子への執着が以前より強くなる。真紀枝が死亡すると桜子を後妻に迎える。性格がきつい沙也香を嫌っており、孫の睦美も邪険にしている。桜子とさくらと幸せに暮らしていたが、比呂人が高山に戻って来た事を知り再び桜子と比呂人が愛し合う事を恐れる。明美と共謀し結婚式を強行するが失敗に終わる。比呂人・桜子・さくらの3人と一緒に暮らそうと桜子に懇願するが拒否される。9年前同様に屋根裏小屋で愛し合う2人を目撃して興奮。脳梗塞を起こし床下に転落死する。 櫛山健 - (くしやま けん) - 大澤志遠(第9 - 31話)、真山明大(第31話 - ) 7 - 12歳(第1部)→21歳 - (第2部)→27歳(第3部)。雄一と前妻との子。人見知りが激しく、父の再婚相手である桜子になかなか懐かなかったが、桜子の料理がキッカケで心を開くようになる。好きな食べ物はハンバーグとかき卵で、ニンジンやピーマンが苦手。苦手科目は算数。さくらを実の妹のように大事にしている。さくらを連れ出そうとした際、「フランダースの犬」の本を借りたことから陸雄と親しくなる。桜子と比呂人の心中を「フランダースの犬」のネロとパトラッシュに例える。雄一が連れ込んだ愛人・沙也香の衣服を屋根に投げ捨て、軽蔑して嫌う。陸雄に宝物の高価な寛永通宝を無理に渡そうとして仲違いする。大学で経済を学び、美大に通う恋人・涼子の影響でステンドグラスに夢中になるが、ひねくれた性格に。成人後も自宅2階に住む雄一一家を軽蔑している。唯幸の遺言どおり櫛山商事を継ぎ、今では豊子(豊香)のパトロンになっている。『桜衛』の新酒発表会当日、明美に出刃包丁で切られた傷跡が額に残っている。陸雄と共に、堂一へ片思いするさくらの行動を心配する。さくらの結婚後、二人に肉体関係がないと悟るとさくらを強引に抱き、愛人関係に。後に、豊香が妊娠し、結婚。 櫛山(押川)さくら(くしやま〔おしかわ〕 さくら) - 篠川桃音(第20 - 31話)、林丹丹(第31話 - ) 0 - 4歳(第1部)→13歳 - (第2部)→20歳(第3部)。桜子と比呂人の娘。「桜に縁がある子だから」と勝が命名。桜子と勝の娘とされ、生まれてすぐに桜子から引き裂かれ、勝夫妻に育てられるが、唯幸の指示で由佳子にさらわれ、押川家に里子に出された。陸雄を実の兄のように慕っている。3歳の時、唯幸が桜子を家に呼び戻す切り札として櫛山家に戻される。9年後、心優しい中学生に成長したが、奇妙な家族環境をひそかに悩み、大人になったら櫛山家を出たいと思っている。母・桜子と唯幸の年齢差に戸惑い、恥だと思っている。比呂人が実の父と分かると唯幸を「金貸し爺さん」と呼び、嫌う。明美に首が切れた人形をプレゼントされ恐怖におののく。『いさみ酒造』の一室で比呂人と暮らせる事になり喜ぶ。冬休みに上京する際、明美に誘拐・監禁され、井伏に乱暴されそうになったトラウマから男性恐怖症となる。数ヵ月後、睦美に乱暴されたことが噂になっていると言われて自殺未遂。『桜衛』の新酒発表会当日に明美が比呂人を刺殺するのを目撃したため恋愛や異性に対し憎悪するようになり、陸雄と健を弄ぼうとするなど歪んだ性格に。陸雄と健の気を引こうとして呉矢をからかい、ホテルに連れ込まれ、陸雄と健に救出される。比呂人そっくりな堂一に一目惚れするが、堂一が桜子に好意を寄せていることを知り、激しく嫉妬し、自分の髪の毛をめちゃくちゃに切ったり、桜子の部屋を荒らしたり過激な行動に出る。その後、堂一に好意を向けられるようになり喜ぶ。堂一とホテルに向かうが、乱暴された恐怖の光景を思い出し、堂一を拒絶して逃げてしまう。肉体関係ぬきの約束で陸雄と結婚したが、健に抱かれてから不倫関係に。心は陸雄を愛しているのに、体は健を求めてしまうことに悩み、心中を決意。陸雄と心中するも失敗。健と豊香が結婚することで穏やかな生活を取り戻す。梓川賞受賞で上京する陸雄を見送る。 栗本(宗形、櫛山)沙也香(くりもと〔むなかた、くしやま〕 さやか) - 須藤温子 19 - 24歳(第1部)→33歳 - (第2部)→41歳(第3部)。『カラオケスナック赤かぶや』のマスターの娘。幼い頃から桜子とは親友同士であった。計算高く、きつい性格。桜子と雄一の結婚式当夜、好きでもない相手と結婚した桜子への不満をぶちまける勝と関係を持ち、桜子からの応援もあり、積極的にアプローチして結婚。蔵人たちの部屋を清掃中に桜子に宛てた比呂人の手紙を偶然発見。結婚後も桜子への愛を平然と語る勝に困惑しつつもさくらを養育していたが、さくらが勝の子でないことを知り、裏切られた気持ちから勝や桜子への態度を豹変、実家に戻り勝と離婚。その後は店を手伝っていたが、比呂人と心中を図った桜子を憎む雄一に近づいて雄一の愛人となり、櫛山家に上がり込むようになる。そして妊娠が分かったのを機に、櫛山家で雄一と同居を始めたが、唯幸夫婦からは冷たく邪険にあしらわれる。真紀枝の死後、桜子と離婚した雄一と正式に再婚し、睦美を出産。明美に桜子と対決するようけしかける。さくらをめぐる陸雄と健の三角関係や堂一と桜子親娘の三角関係を楽しむ。 櫛山睦美(くしやま むつみ) - 尾崎千瑛(第32話 - 第49話) 9歳 - 。沙也香と雄一の娘。母・沙也香にそっくりな地味な容姿。実の祖父であるが唯幸から邪険に扱われ、腹違いの兄・健からも軽蔑され卑屈になっており、身勝手でわがままな性格である。さくらを「心中の生き残りの娘」と見下しており、それに怒ったさくらから大怪我を負わされる。留守中勝手にさくらの部屋に入っては、CDなどを持ち出ししている。母・沙也香とともに唯幸に比呂人が高山に居ることを吹き込み、健に殴られる。学校へ行こうとしていたさくらに「乱暴されたと学校で噂になっている」と意地悪く言う。 中尾(なかお) - 倉橋悦子 真紀枝がいた頃の櫛山家の家政婦。
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