建設過程
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当初は、新京阪線同様の規格で、高速運転に有利な1,435mm軌間での建設も考慮されていた。この当時、鉄道省は南海鉄道の買収に失敗し、また同線に並行する大阪 - 和歌山間を結ぶ省線の新規建設も、折からの財政難で不可能となっていた。このため、建設中の国鉄紀勢線は、路線を欠いて半ば宙に浮く事態となった。それゆえ、渡りに船とも言える内容を備えたこの阪和電鉄の申請に対し、鉄道省は将来の国家買収を視野に入れた付帯条件をつけて免許を交付した。この結果阪和電鉄線は、必然的に国鉄や南海と同じ1,067mm軌間で建設されることになった。この選択は、国鉄からの貨車直通、さらには当時建設が進行していた紀勢線への直通をも可能とするもので、その点では営業上有利であった。 既存の南海鉄道が大阪湾岸の紀州街道および孝子越街道沿いの都市を経由したのに対し、阪和電気鉄道はそれよりやや内陸寄りの農村地帯に敷設され、極力直線的なルートを取り、高速運転に適合した線路設備が整えられた。また、和泉山脈越えでは南海が避けた紀州街道の雄ノ山峠越えを選択し、距離の短縮に努めている。架線電圧も、路面電車並の低圧な直流600Vであった南海に対し、当初からより効率が良く高速向けの直流1,500Vとされた。電力については、開業の段階では大阪方面は宇治川電気から、また和歌山方面は京阪和歌山支店からそれぞれ供給を受けた。 しかし、国鉄線との連絡という付帯条件によって大阪側起点用地の確保は困難をきわめた。当初は大阪市南区木津大国町(現・浪速区大国1・2丁目)、今宮駅の南東付近を予定した起点は、都市部ということもあって用地買収に難渋し、最終的に旧・南大阪電鉄が取得し、当時大阪鉄道(2代目。後の近鉄南大阪線の前身)が所有していた国鉄天王寺駅駅舎東側(ホーム北側)の台地上に確保された。 だが、この起点決定により、阪和電気鉄道線には鉄道省城東線、関西本線、大阪鉄道本線、それに南海平野線の4つの既存鉄軌道を立体交差する必要が生じることになった。そのため、線形維持の必要性もあって、南田辺以北の約2.7kmの区間において高架構造の採用を強いられた。この高架橋は、大正時代末期以降、日本でも採用例が見られるようになった鉄筋コンクリート製で、八角形の断面を持つ橋脚を一部に採用するなど、特徴的な意匠を備え、大林組の施工になるものである。大林組はこれ以前に、関西の鉄道用鉄筋コンクリート高架橋の嚆矢となった、新京阪鉄道天神橋駅付近の高架工事や、奈良電鉄桃山御陵前周辺の高架工事などを手がけていた。 1929年7月18日、阪和天王寺(現、天王寺) - 和泉府中間と鳳 - 阪和浜寺(現、東羽衣)間で部分開業。翌1930年6月16日、阪和天王寺 - 阪和東和歌山(現、和歌山)間を全線開業した。 なお、当初の計画では浜寺支線(1926年3月4日免許出願)と同時に、粉河支線(山口 - 粉河間8マイル40チェイン)が単線で出願されていた。しかし財政難から、未着工のまま南海合併後まで棚上げされ続け、太平洋戦争開戦に伴う資材不足で本線の運行維持さえ困難になり、建設の見通しが全く立たなくなったことから、結局1942年7月28日付で免許失効となっている。
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建設過程
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1836年からフランクフルト - ハイデルベルク間鉄道建設を目指す会議が、ダルムシュタットで開いて、1838年事前調査が行われた。同年フランクフルト自由市、ヘッセン大公国、バーデン大公国の間に一次条約が結ばれたが、翌年ヘッセン鉄道会社の資金問題のため、計画を実行するのができなかった。1843年3月25日、二次条約が締結され、国家予算による建設及びフリードリクスフェルトでのマンハイム - ハイデルベルク区間の接続が確定された。当時バーデン本線は1600 mmの広軌で建設されて、バーデンは広軌建設を望んだが、それが実現されなかった。 マイン=ネッカー鉄道の建設は1843年フランクフルトの区間で始まった。工事区間の地面は相対的に平坦で、12個の鉄道橋のみが必要だった。路線経路は本来複線用で整えられたが、実際の複線化は1860年から実現された。1846年からいくつかの区間が開通されて、1847年8月から貨物列車の運行が始まった。
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