夏のBチーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 16:14 UTC 版)
1巻から登場。長崎県近海に放出された。優秀な人間ばかりを選んでいた政府関係者が「まっとうで純粋培養な人間は生きる力が弱いのでは」と考え、保険で選ばれた問題児の落ちこぼれ集団。 健康状態などの条件は他チームと変わらないが、社会に適応しにくい、反抗的、殻にこもっているなどの条件が加えられる。チームの性質上、他のチームに比べ楽観的かつ享楽的なサバイバル生活を送っている。 岩清水 ナツ(いわしみず ナツ) 声 - 南里侑香(ドラマCD) / 東山奈央(Webアニメ) 夏のBチーム編の主人公で、物語の最初から登場する。16歳。蟹座のO型。 内向的で自分の殻にこもりがちな性格。学校でもいじめられていて登校拒否状態であった。ナッツという猫を飼っていた。埼玉県さいたま市出身。視力は良く、両目とも1.5。 当初は内気な性格ゆえ周りに迷惑をかけることも多かったが徐々にたくましくなりつつある。廃船富士号に潜入した際には、嵐と安居のピンチを救うほどの成長をみせた。嵐に好意を抱いており花に対する嫉妬と自己嫌悪のジレンマに悩まされたが、徐々に蝉丸を意識し始める。内向的ゆえに頼れる人に親しみを抱く傾向があり、なにかと世話を焼く夏Aチームの安居にも懐いている。 青田 嵐(あおた あらし) 声 - 鳥海浩輔(ドラマCD) / 福山潤(Webアニメ) 17歳。蠍座のO型。東京都杉並区出身。 水泳部のエースでオリンピックを目指していた。虫が大の苦手で、音痴。母親を亡くしている。「春のチーム」の末黒野花とは恋人同士。以前襲われそうになった花を守るために傷害事件を起こしたことがある。花を一途に思う。 優しく誠実な性格で、ナツに対しても気さくに接する。夏Bチームの中では比較的知的で状況判断に長けるが、自立している花と比較され軽く見られがちであり花の父の貴志からも傷害事件を起こすまでは認められていなかった。不安なときは疑心暗鬼に陥りやすいが、心を許した人間は愚直なまでに信頼する純粋な一面を持つ。安居のことを尊敬し、彼が成長するきっかけを与えた。 麻井 蝉丸(あさい せみまる) 声 - 小西克幸(ドラマCD・Webアニメ) 18歳。静岡県浜松市出身。 水商売の母親と子供一人という母子家庭に育つ。口の悪いわがままな不良少年だが、面倒見はいい。不良に育ったのは複雑な家庭環境とかつて自分自身がいじめられていた過去によるものである。虫と犬が苦手。ナツが気になるようで、何かと彼女に絡むことが多い。考えなしで基本的に行き当たりばったりな行動をとるが、いざというときの機転と勘の鋭さは夏Aの涼にも認められる程である。チームのムードメーカー的存在であり、繁華街で様々な人種を見てきたために人に対する洞察力は鋭い。 天道 まつり(てんどう まつり) 声 - 松野郁美(ドラマCD) / 阿澄佳奈(Webアニメ) 16歳。プチ家出中だった。 実家は農家で、多少なりとも田畑作りのことに知識がある。明るくて社交的な性格の持ち主だが、元の世界にいたころは自分を押し殺して周りに合わせるばかりで、本当の自分を見てくれる人などいないと感じていた。そのためか、涼や牡丹が認めるほど観察力が優れており、周囲の空気を読むのが得意。涼に出会った当初から好意を抱いており、積極的にアプローチしている。ナツとは本音で話し合うことのできる良き友人関係にある。 守宮 ちまき(やもり ちまき) 声 - MIKI(ドラマCD) / 石田彰(Webアニメ) 美術大学1年生。熊本県出身で、金沢の美大(父親の母校)に在籍していた。 彫刻や絵が得意。日がな一日創作活動にふける超マイペースな性格。 できちゃった結婚の両親がわずか2年で離婚後、自身のために父・有衛キイチが送ってくれた金を母親が持ち逃げして以降、祖母に育てられた。父親に関する記憶は2歳の時に一緒に絵を描いたことだけ。 草刈 螢(くさかり ほたる) 声 - 徳永愛(ドラマCD) / 悠木碧(Webアニメ) 12歳。勘のいい朗らかな少女。天気は百発百中で当てる。 春のチームの新草ひばりとは縁戚関係にあり、互いに存在を確認することができる。草刈家は新草家を本家とする分家(通称・草家<そうけ>)の一つ。手相を見るのが得意。子供らしからぬ鋭い洞察力と機転で仲間のピンチをたびたび救う。 早乙女 牡丹(さおとめ ぼたん) 声 - 高島雅羅(ドラマCD) / 沢海陽子(Webアニメ) 夏のBチームのガイド。元・警察官。他のグループのガイドが死亡したため、ガイドの中で唯一の生き残りになった。通称「牡丹姐さん」。 結婚し、妊娠していたこともあるが、臨月間近に飲酒運転の車と事故に遭い、流産してしまった。ガイドであるためチームの中でも豊富なサバイバル知識と高い決断力を持つが高圧的でもあり、ナツと嵐からは当初不信感を抱かれ、彼らが一時チームを離れるきっかけとなった。それを自覚し、後に改善された。また、夏Bチームの例に漏れず、平穏時には我を忘れるまではしゃぐ柔軟な一面を持つ。安居と涼が合流した当初から2人を警戒しており、何かあった時につねに身に着けている毒薬の使用も考えていたが、彼らの成長を見て安心して毒薬を捨てた。 百舌戸 要(もずのと かなめ) 声 - 井上和彦(ドラマCD・Webアニメ) 年齢不詳。サバイバル術に大変長けている。しかし、「百舌」は夏の季語ではなく、秋の季語である。 貴士の大学の後輩。夏のAチームを指導する先生の1人。「7SEEDSプロジェクト」の発案者で、プロジェクト責任者である総理大臣の甥。夏のAが育った施設一帯の土地を有する大臣は祖父である。両親は自殺し、幼少時に政治家も輩出する旧家の金持ちである百舌戸家の出自ゆえに誘拐され、解放されるも誰も知る由の無い山奥だったため、救助されるまでの遭難の2週間を苦難の末に生き抜いた。そのことが土台となって非常時の対応に長けており、貴士に頼まれ、花にサバイバル術などを仕込んだ。夏のAに課した最終テストも自身の体験を元にしている。 未来では「百舌」と名乗り、本名を明かしていなかったが、『夏至の章』(第12巻収録)にて本名を明かし、総理大臣の甥であることを牡丹に明かすが、文明が滅んだ未来においては出自は無意味だと語った。また「夏のAチーム」指導者であったことが全メンバーに明かされた。「死神」の真の正体であり、各チームの行動を遠くから観察している。生きることに絶望していた花を殺害しようとし、安居と涼が暴走した際には彼らを殺すことも考えていた。 上記の過酷な幼少時代に加え早熟な頭脳故か非情な振る舞いが多く、安居を大きく変えた張本人でありながらチームを放逐された彼に対し一方的に「失敗」と断定するなど、若干傲慢かつズレた思考の描写が見られ、後にチームメイトのまつりや教え子の小瑠璃からも、その点を指摘され非難されている。秋ヲに至っては「あんただけが過去に生きてる」と今を見ていないと評されている。当初は自身の考えた7SEEDSプロジェクトに間違いは無かったと思っていたものの、優等生集団であるはず夏のAチームがあっさり分裂し、逆に落ちこぼれ集団の夏のBチームが順調に生活しているのを目の当たりにし、自身の計画が誤っているのではないかと考えるようになった。 夏Aと秋のチームに遭遇しくるみの出産の場所を確保するために離島に案内するもそこは壊滅した佐渡島跡地であり逆にチーム全員を危機的状況に陥らせてしまう。そのことで自棄になり歪んだ使命感から途中で発見した安吾を始末しようと行動するも、最終的に辿りついたかつての施設の奥地にて他の生き残りのメンバーから諭され自身の生き方の愚かしさとメンバーの成長を痛感させられる。そのことで生き残りのメンバーを未来へと送り届けるという新たな使命感に目覚め、くるみを蟻たちの襲撃から守るために自らが囮となりそのまま行方不明となった(後に刈田によって左手だけが発見されている)。
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