タツノコに対するハーモニーゴールド USA社のライセンス返還
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「ロボテック」の記事における「タツノコに対するハーモニーゴールド USA社のライセンス返還」の解説
タツノコ・プロダクションは1998年8月6日に最初の延長更新、2002年1月20日に再度(第二回目)の契約延長更新され、2021年3月14日に満了予定であった1984年9月11日の原初のライセンス契約に関して、満了日から再延長許諾に関する猶予期間である7日後の同年3月21日をもってハーモニーゴールド USA社に対して日本国以外の 全世界頒布に関するハーモニーゴールUSA社への独占的な改変・翻案可能な利用許諾契約で与えられていた「ロボテック・シリーズ」の原作となる、3つのテレビアニメシリーズの各々の権利を取り戻すことになる。 これには、従前ハーモニーゴールド USA社の最高責任者であり創業者でもあったフランク・アグラマ(英語版)(Frank Agrama)が、2015年の初頭を契機に会長となり経営実務から引退したあと、2017年に入るころから認知症を患ったことを原因として発言力を失い、経営学修士(MBA)を取得した彼の長女であるジェハン・F.・アグラマ(Jehan F. Agrama) が、代表取締役(President)兼 最高経営責任者(Chief executive / CEO)に就任により、ロサンゼルスのウエスト・サンセット大通りにある富裕個人層向けの豪華な映像と音響設備を備えた本社の映写室(プライベート・シアター)の利用料金収入の好調と同様に、カリフォルニア州の南カリフォルニア地域での富裕個人層を対象にした別荘などの大口個人対象(Business-to-consumer/B2C)の不動産販売業にも関心を示し、新代表者であるジェハン自身が博打的要素が強く収入が不安定なコンテンツ事業への関心が薄れ、同社の体制に変化が生じたことも大きい[要出典]。 タツノコ・プロダクションのハーモニーゴールド USA社に対するシリーズの原作であるテレビシリーズ3作品のライセンス回収訴訟の提起は2017年3月1日。 なお、タツノコ・プロダクションは 1984年9月11日の原初の「ロボテック」の米国へのライセンス付与契約締結当時、「ハーモニーゴールド株式会社(香港)」(Harmony Gold Ltd (Hong Kong))においてタツノコ側の取締役が出頭のうえで締結された 当初の契約には、日本側の原作の著作権管理者に対する媒体販売の権利に関する契約項目が想定されていないにもかかわらず、「ロボテック・シリーズ」の家庭用ビデオソフトウェア(VHS 、 作品の有償ウェブ配信、Blu-ray 、DVD などの媒体販売収入)、およびトイナミ(Toynami)が販売する『シャドウ・クロニクル』(影の年代記)に登場するVFA-6 レギオス ほか変形玩具の販売に関する権利金(ロイヤルティー)が、1985年の原初の契約締結以来、支払われておらず契約違反だとして、ハーモニーゴールド USA社に対して2016年11月に、過去から遡った前記権利金の累積総額として、1,500万米ドル(日本円換算で 1,663,035,000円 、約16億6,300万円)を求めたが、これはさすがに不当な請求であるとして、管轄裁判所であったカリフォルニア州裁判所 (アメリカ合衆国)より却下されている。 しかし、和解調停による仲裁 (Arbitration) 合意の結果、カリフォルニア州中央地方裁判所のパーシー・アンダーソン(英語版)裁判官による2017年8月23日の裁定(ruling)により、タツノコ・プロダクション側は2021年3月21日をもって、ハーモニーゴールド USA社に対して許可していた「ロボテック・シリーズ」の原作である基本三部作のライセンスを「更新しない」という形式にて回収し、ハーモニーゴールド USA社側は返還テレビシリーズの登場人物設定(キャラクターデザイン)、機械・建物・美術線画設定(プロダクションデザイン)などの資料の確認精査および監査に掛かる諸経費と、タツノコ・プロダクションに対する前記2017年3月1日にタツノコ側が提訴したライセンス回収訴訟に対する反訴に関してハーモニーゴールド USA社が費やしたすべての訴訟費用、その他の名目で タツノコ・プロダクション側より 全額を金銭債権の形とする 848,708 米国ドル(約9,259万円)を獲得することとなった。 この発端となったのは、2016年11月23日にハーモニーゴールド USA社側が自社の持つ「ロボテック・シリーズ」に関する権利の確認を行った(『ロボテック:マクロスサーガ』実写映画の進行に絡み)行為である。2016年12月29日、つまり2016年末ぎりぎりになってタツノコ・プロダクション側がこのハーモニーゴールド USA社の見解に 1985年の契約以来、初めての異議を申し立てた。 前記のとおり、タツノコ・プロダクション側がハーモニーゴールド USA社に対してライセンス回収を求めて、アメリカ合衆国連邦裁判所(カリフォルニア支所)に対して2017年3月1日に訴訟提起をしたが、翌年になり連邦裁判所の和解勧告により仲裁人(Arbitrator)が選任され、双方の主張と資料が提出されたすえ、2017年6月28日に合意に至る。この合意に拘束されるため、ハーモニーゴールド USA社は、ふたたびタツノコ・プロダクション社より許諾を獲得しない限り、2021年3月21日をもって「ロボテック・シリーズ」のライセンスを喪失し、よって2017年現在ソニーピクチャーズおよびコロンビア映画が制作中の実写特撮映画『ロボテック:マクロス・サーガ』についても、たとえ(日本国を除く)全世界公開を強行するにしても、2021年3月21日までに少なくともライセンスのマスター保有国であるアメリカ合衆国およびカナダ連邦のいわゆる北米大陸での映画完成と公開を間に合わせなければ、せっかく多額の予算を掛けて製作した作品の商業収入(興行収入のみならず、作品の有償ウェブ配信、Blu-ray 、DVD などの媒体販売収入を含む)の途を永遠に失うことになる。 また、実写映画シリーズの『マクロス・サーガ』以降の続編として予定していた第2作『ロボテック:マスターズ』(原作は『超時空騎団サザンクロス』)、第3作『ロボテック:ニュー・ジェネレーション』(原作は『機甲創世記モスピーダ』)、米国独自の物語構成と脚本であるロボテックシリーズ第四作『ロボテック:シャドウ・クロニクル』もまた、原作である基本3作と米国独自の派生作品の創作元である『機甲創世記モスピーダ』を核とする3作品の原作の設定の利用権ならびに翻案権を包括的に喪失するため、権利喪失後はタツノコ・プロダクションよりライセンスの再許諾を獲得しない限り、期限切れにより実質的に実写特撮映画の制作は不可能となる。 なお、タツノコ・プロダクション側が「ロボテック・シリーズ」のライセンス回収に際して日本円換算で1億円に届く多額の回収費用を支払ってまで実行した真の動機と理由、回収費用の調達先は明らかにされていない。
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タツノコに対するハーモニーゴールド USA社のライセンス返還
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「ハーモニーゴールド USA」の記事における「タツノコに対するハーモニーゴールド USA社のライセンス返還」の解説
タツノコ・プロダクションは1998年8月6日に最初の更新、2002年1月20日に再度〔第二回目〕の契約延長更新され、2021年3月14日に満了予定であった1984年9月11日の原初のライセンス契約に関して、満了日から再延長許諾に関する猶予期間である7日後の同年3月21日をもってハーモニーゴールド USA社に対して日本国以外の 全世界頒布に関するハーモニーゴールド USA社への独占的な改変・翻案可能な利用許諾契約で与えられていたロボテックシリーズの原作となる、3つのテレビアニメシリーズ の各々の権利を取り戻すことになる。 これには、従前ハーモニーゴールド USA社の最高責任者であり、創業者でもあった「フランク・アグラマ」(Frank Agrama)が、2015年の初頭を契機に会長となり経営実務から引退した後、2017年に入るころから認知症を患ったことを原因として発言力を失い、経営学修士(MBA)を取得した彼の長女である「ジェハン・F.・アグラマ 」(Jehan F. Agrama) が、代表取締役(President)兼 最高経営責任者(Chief executive officer/CEO)に就任により、ロサンゼルスの「ウエスト・サンセット大通り」の富裕個人層向けの豪華な映像と音響設備を備えた本社の映写室(プライベート・シアター)の利用料金収入の好調と同様に、カリフォルニア州の南カリフォルニア地域での富裕個人層を対象にした別荘などの大口個人対象(Business-to-consumer/B2C)の不動産販売業にも関心を示し、新代表者であるジェハン自身が博打的要素が強く収入が不安定なコンテンツ事業への関心が薄れ、同社の体制に変化が生じたことも大きい。 タツノコ・プロダクションのハーモニーゴールド USA社に対するシリーズの原作であるテレビシリーズ3作品のライセンス回収訴訟の提起は2017年3月1日。 なお、タツノコ・プロダクションは 1984年9月11日の原初のライセンス契約締結当時、「ハーモニーゴールド株式会社〔香港〕」(Harmony Gold Ltd (Hong Kong))においてタツノコ側の取締役が出頭の上で締結された の当初の契約には、日本側の原作の著作権管理者に対する媒体販売の権利に関する契約項目が想定されていないにも関わらず、ロボテックシリーズの家庭用ビデオソフトウェア(VHS、作品の有償ウェブ配信、Blu-ray、DVDなどの媒体販売収入)、およびトイナミ(Toynami)が販売する『シャドウ・クロニクル』〔影の年代記〕に登場するVFA-6 レギオス ほか変形玩具の販売に関する権利金(ロイヤルティー)が1985年の契約締結以来支払われておらず、契約違反だとして、ハーモニーゴールド USA社に対して2016年11月、過去から遡った前記権利金の累積総額として、1,500万米ドル (日本円換算で 1,663,035,000円 、約16億6,300万円) を求めたが、これはさすがに管轄裁判所であったカリフォルニア州裁判所 (アメリカ合衆国)より却下されている。 しかし、和解調停による仲裁(Arbitration)合意の結果、カリフォルニア州中央地方裁判所のパーシー・アンダーソン(英語版: Percy Anderson)裁判官 の2017年8月23日の裁定(ruling)により、タツノコ・プロダクション側は2021年3月21日をもって、ハーモニーゴールド USA社に対して許可していたロボテックシリーズの原作である基本三部作のライセンスを回収し、ハーモニーゴールド USA社側は返還テレビシリーズの登場人物設定〔キャラクターデザイン〕、機械・建物・美術線画設定〔プロダクションデザイン〕などの資料の確認精査および監査とタツノコ・プロダクションに対する前記2017年3月1日にタツノコ側が提訴したライセンス回収訴訟に対する反訴 に関してハーモニーゴールド USA社が費やした全ての訴訟費用、その他の名目でタツノコ・プロダクション側より全額を金銭債権の形とする848,708 米国ドル(約9,259万円)を獲得することとなった。 この発端となったのは、2016年11月23日にハーモニーゴールド USA社側が自社の持つロボテックシリーズに関する権利の確認を行った(『ロボテック:マクロスサーガ』実写映画の進行に絡み)行為である。2016年12月29日、つまり2016年末ぎりぎりになってタツノコ・プロダクション側がこのハーモニーゴールド USA社の見解に1985年の契約以来、初めての異議を申し立てた。 前記のとおり、タツノコ・プロダクション側がハーモニーゴールド USA社に対してライセンス回収を求めて、アメリカ合衆国連邦裁判所〔カリフォルニア支所〕に対して2017年3月1日に訴訟提起をしたが、翌年になり連邦裁判所の和解勧告により仲裁人(Arbitrator)が選任され、双方の主張と資料が提出され、2017年6月28日に合意に至る。 この合意に拘束されるため、ハーモニーゴールド USA社は、再びタツノコ・プロダクション社より許諾を獲得しない限り、2021年3月21日をもってロボテックシリーズのライセンスを喪失し、よって2017年現在ソニー・ピクチャーズおよびコロンビア映画が制作中の実写特撮映画『ロボテック:マクロス・サーガ』についても、たとえなし崩し的に〔日本国を除く〕全世界公開を実行するにしても、2021年3月21日までに少なくともライセンスのマスター保有国であるアメリカ合衆国およびカナダ連邦のいわゆる北米大陸での映画完成と公開を間に合わせなければ、せっかく多額の予算を掛けて製作した作品の商業収入〔興行収入のみならず、作品の有償ウェブ配信、Blu-ray、DVDなどの媒体販売収入を含むので〕の途を永遠に失うことになる。 また、シリーズ続編として予定していた第二作『ロボテック:マスターズ』〔「プロトカルチャー (マクロスシリーズ)」を意味する。原作は「超時空騎団サザンクロス」〕、第三作『ロボテック:ニュー・ジェネレーション』〔「新世代」を意味する。原作は「機甲創世記モスピーダ」〕、米国独自の物語構成と脚本であるロボテックシリーズ第四作『ロボテック:シャドウ・クロニクル』〔邦訳例『ロボテック:影の年代記』〕もまた、原作である基本3作と米国独自の派生作品の創作元である3作品の原作ライセンスを包括的に喪失するため、再びタツノコ・プロダクションよりライセンスの再度の許諾を獲得しない限り、期限切れにより実質的に実写特撮映画の制作は不可能となる。 なお、タツノコ・プロダクション側がロボテックシリーズのライセンス回収に際して日本円換算で1億円に届く多額の回収費用を支払ってまで実行した真の動機と理由、回収費用の調達先は明らかにされていない。
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