ゲームの進行方法に関するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:59 UTC 版)
「大富豪」の記事における「ゲームの進行方法に関するもの」の解説
基本ルールで述べた部分のみでも例えば次のような点でルールの解釈において細かい部分に差異が生じる可能性がある。ローカルルールの細かい運用まで踏み込むとさらに複雑になる。 親の決め方 ランク付けされていない第1戦において最初の親をディーラーの左隣の者とするのか、じゃんけんなどでランダムに決めるのか、特定のカードを持っている者(3♥、3♠、3♦など)とするのかを決めておく。特定のカードで親を決める場合、始めに出すカードはその特定のカードを含めねばならない場合がある。 2回目以降は大貧民など特定の階級から始めるのか、最初の親の決め方同様にするか。 カードの端数 配るカードの枚数に端数が出た場合の扱いをどうするか。一例は以下の通り。初回の場合、ディーラーからゲームの進行順に、端数と同じ人数にだけ1枚ずつ端数分を配る。単にゲームの進行順に、配るカードがなくなるまで配り続けると考えればよい。 2回目以降の場合、階級が下のプレイヤーから順番に、端数と同じ人数にだけ1枚ずつ端数分を配る(あるいは、初回と同様にする)。 予めデッキの枚数を人数の倍数になるまで無作為にゲームから除外する(ブラインドカード)。 ジョーカーの扱い デッキ投入枚数 ジョーカーをデッキに入れる枚数を0-2枚の範囲で選ぶ。 代用カードの効果の付与 効果を持つ数字が採用されたルールの時、ジョーカーでその数字を代用した際に効果を持たせるか。 交換対象 カード交換時の対象外とするか。そうした場合、貧民側はジョーカーを渡す義務はないが、富豪側はそれを渡す権利も無い。 スートの選択 ジョーカーを出した時、同時に出したカードやそれまでの場札の状況によって、ジョーカーが持つスートをどのように決定するか。 実物のトランプではジョーカーを出した時に、可能であれば以下のルールによってスートを選べる。但し、非合法となるスートは選べない。無色 階段に含めた時や縛りが起きている時を除いて、ジョーカーは常にスペード、ハート、ダイヤ、クラブの何れでも無いスートを持つ。 4色 ジョーカーを出した時、必ず4つのスートから任意の1つを選ぶ。 5色 4つのスートに加えて無色を含めた5つのスートの中から選ぶ。 オンラインゲームではジョーカーを出した瞬間、その持ち主の手番が即座に終わるものが殆どで、プレイヤーにはスートを選ぶ権利が無い。ジャッジを務める自動プログラムが独自のアルゴリズムでスートを決定する。概ね以下の傾向がある。手札にあるジョーカーは無色である。 ジョーカーのみの場札は無色である。 ジョーカー+その他のカード1枚を出した時は、無色のスートを持つその数字に変わる。 階段に含まれたジョーカーは、その階段と同じスートに変わる。 スート縛りが起きた時に出されたジョーカーは、縛られたスートと同じスートを持つ。 無色でスート縛りを起こすことは出来ない。 エンペラーに含まれたジョーカーは、他の3枚が持たないスートに変わる。 数字の選択 ジョーカーを何らかの数字と共に出した際に、その数字を指定出来るか否か。例えば、5♠ 6♠ジョーカーを出した時、このジョーカーは4♠か7♠のどちらにするかを選べるかどうか。 公式ルールではこの選択が可能である。 一方でオンラインゲームでこの選択ができる業者は殆ど存在しない。ジョーカーに用いた数字は自動的にカードを出す時点での出来る限り強い数字に変わったり、或いは手札のカードを減らせる効果等プレイヤーにとって有益な数字に変わるなど、融通が利かないサービスが多い。例1:4♥ 5♥ 6♥ジョーカーが手札にあり階段革命を起こしたい。プレイヤーの考えではできれば場を流したいのでジョーカー=3♥になってほしいと思ったが、手札からカードを出す時点では革命が起きていないため、プログラムが勝手に現時点での強い方の数字である7♥として扱ってしまう。 例2:9♣ 10♣ J♣ジョーカーが手札にある。ルールでは8切りとQボンバーを採用している。手札を減らすよりも場を流したいという場面でこれら4枚を出したら、8切りは起きずにQボンバーでの数字指定イベントが入ってしまう。 例3:K♦とジョーカーを2枚持っている。親で場を流したいがためにジョーカー×2=A♦ 2♦の階段扱いでこれら3枚を出したつもりが、無色のKに変わってしまい場を流せなくなった。 パスに関するルール 場にカードがある場合 戦術上出せるカードがあってもパスし、同じ場で再度ターンが回ってきた場合にカードを出すことを許可するかどうか。 許可されない場合は強制的にパスとなる。 場にカードがない場合(親のパス) 親になった時にパスが出来るかどうか。 何度も同じ手が繰り返されて、ゲームが永久に終わらない事態(千日手)が生じたらどうするか。大富豪においては親のパスを許容するかどうかが問われる。 親でのパスは殆どの場合、攻略上無意味な行為になる事が多いが、オフでの遊戯はそれが可能だったり、制限時間が設定されていなかったりして、そもそもカードを出す義務も無かったりする。 オンラインゲームでは、大半の業者が親でのパスが出来ない作りになっていて、加えて制限時間も設けられている為、タイムオーバーの際に親の手札から勝手にその時点での最弱のカードを出す等、膠着防止の策が存在する。 公式ルールでは、全員が親でパスした際の2巡目の最初の親はカードを出す義務を負う。 誰かが上がったときの場の扱い 上がった後に札を流すか、そのまま場のカードとして残してゲームを続けるか。札を流す場合、上がった次のプレイヤーが親となる。 席替え 2回目以降、プレイヤーの席順をどのように並べ替えるか。固定 1回目の席順をそのまま引き継ぐ。 無作為化 籤等の抽選で席を決める。 昇順 時計回りに低い階級から並び替える。 降順 時計回りに高い階級から並び替える。 禁止上がり(反則上がり) 強いカードである2(マーク問わず、革命中は3)やジョーカー、最も弱い3(マーク問わず、革命中は2)を含めて上がったり、3♠(スペ3ルール適用時)や8(8切りルール適用時)、11(11バックルール適用時)など強力な効果を持つカードで上がったりすることを反則として禁止するルールである。この場合、次のゲームで大貧民となる。なお、禁止上がりが2人以上いた場合、一番先に禁止上がりをしたプレイヤーが大貧民となり、それ以降最下位から徐々に一つずつ順位が上がる。 2での上がりを禁じており、且つ革命も採用しているとなれば、2(或いは3)の4枚組で上がると反則か否か判定は以下のABのうち何れか一方を採用する。尚、革命返しが遅延方式である場合、強制的にAを採用する。A.革命が起きていない時に2の4枚組で上がったら反則とするならば、革命が起きている時に3の4枚組で上がると反則である。 B.革命が起きていない時に3の4枚組で上がったら反則とするならば、革命が起きている時に2の4枚組で上がると反則である。 都落ち 大富豪が次のゲームでトップで上がることができなかった場合、その次のゲームでは無条件で大貧民に転落する。それに加えて、次のゲームでは最初の親になれない[要出典]。大富豪はゲームを継続するかどうか(参加を無意味とするかどうか)、または都落ちが確定した時点で手札を公開しゲームから抜けるかどうかに関しても解釈が異なる可能性がある。また、前述の禁止上がりを採用している場合、都落ちした大富豪と反則を犯して上がったプレイヤーのどちらが大貧民となるかに関しても複数のルールが存在する。 大富豪の都落ちが確定してもゲームに継続参加させる場合、以下の方法で参加に意味を持たせることがある[要出典](敗戦処理と呼ばれる)。都落ちが確定したプレイヤーより先に上がった全てのプレイヤーは、次回大貧民と1枚ずつ追加でカードを交換してもらうことができる。賠償金、都税と呼ばれる。 点数制の場合、単に上がるのが遅いほど点数がマイナスされる。 下克上(階級革命) 大貧民がトップで上がった時点でそのゲームは終了し、次のゲームでは全員の階級が逆になる。すなわち、大富豪が大貧民に、富豪が貧民に、貧民が富豪に、大貧民が大富豪になる(平民は平民のまま)。秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』105巻では単に「革命」となっていたが、秋本は一般的な(カードの強弱が逆になる)「革命」を当該話執筆時点では知らなかったと思しきことが同作品で再び大富豪をはじめとしたトランプゲームが扱われた際の記述から分かる。 都落ちと併用している場合に下剋上が発生したら、都落ちはキャンセルされる。 京落ち 大富豪が1着で上がった際に、富豪は手札を捨て山へ移し、次回のゲームでは大貧民になる。 マッチの終了条件 1ゲームを終了する毎にプレイヤーに得失点を与える場合、以下の2点のうちどれを採用するか。累計点が定められた値に達したプレイヤーが現れるまで続け、そのプレイヤーをマッチの勝者とする。 定められたゲーム数を行ったら終了し、合計得点が最も多いプレイヤーをマッチの勝者とする。 同時多発イベントの解決順序 出したカードの内容によっては、複数のイベントが発生するケースが考えられる。これは、どのイベントから順番に解決していくかの取り決めである。以下に例を示す。後述する革命と、2での禁止上がりを採用していて、3の4枚組で上がった人を反則負けにするかどうか。 9 10 J Qの階段を出して残りの手札が2枚になったところ、革命、9リバース、10捨て、Jバック、Qボンバーが同時に発生した。さらに10捨てでの禁止上がりも採用されている設定であるとき…Qボンバーで手札を捨てる順番が時計回りか、それとも反時計回りか? 10捨てを行ってからQボンバーでのコールを行うのか、またはその逆の順番か? 先に革命の効果で数字の強さを逆にしてからまたJバックで逆にするのか、反対に逆順のイベントで数字の強さを変更するのか? 何れも『どの効果から先に解決していくか』の正解は存在しない。実物のトランプでの試合ではこの取り決めを省略するのが普通である。 一方、ゲームアプリではこういった稀なケースを想定して、厳密な意味で同時ではなく別々に一定の法則に従ってイベントが解決されていく。この裁定はアプリ開発者が独断で決めており、原則公にしていない。前者の例であれば、革命を先に解決してから反則負けの判定を行う仕様だと、反則の判定をしている時点で既に革命が発生していると見なされ、そのプレイヤーは反則負けになる。 後者の場合、例えば革命→9リバース→10捨て→Jバック→Qボンバー→禁止上がりの順で解決する仕様であればまず革命が発生するので、3>2の強さになる。 9リバースが発生し、席順が反時計回りになる。 10捨てで2枚ある手札が残り1枚になる。 Jバックが発生し、次に場が流れるまでは3<2の強さになる。 Qボンバーが発生し、残り1枚の手札と同じ数字をコールする。持ち主から先に反時計回り順に各プレイヤーは指示されたカードを捨てる。 禁止上がりの確認が入る。手札が0枚になった要因が10捨てではなくQボンバーである為、禁止上がりとは見なされない。 といった裁定になる。 割り込み(状況起因処理) ゲーム中に特定の状況が発生した際に発生する処理のこと。これはカードに付与された効果が持つ処理ではなく、ルールによる処理である。 割り込み可能と分類されたイベントは、前述した同時多発イベントの解決順序を無視し、優先して処理される。 ルール設定ではどんなイベントも割り込みに分類して良いが、その中で同時多発しうるイベントは全てに序列を定める。 以下は割り込まれることがあるイベントの一例。手札がなくなったプレイヤーはゲームに勝利する。又は禁止上がりの判定が行われ、勝敗が決まる。 富豪以下のプレイヤーの手札がなくなったら、都落ちが発生する。 場が流れた時、縛りの効果が終了する。 場が流れた時、11バックの効果が終了する。 時間切れのプレイヤーはパスになる。 上記のイベントのうち、どれを割り込みに分類するかで勝敗の判定が異なる場合がある。例えば、禁止上がりを採用していてそれを割り込み可とすると、解決順は禁止上がり→都落ちとなる。もしも富豪がジョーカーで上がったとしたら、手札が無くなったことを理由に禁止上がりの判定が行われ、その結果富豪は次回大貧民。次に富豪の手札が無くなったことを理由に都落ちが発生するので、大富豪は次回は貧民となる。 逆に都落ちを割り込み可にしたら、解決順は都落ち→禁止上がりとなる。同様に富豪がジョーカーで上がると、都落ちが優先して解決されるので大富豪は次回は大貧民。その後の禁止上がりの判定で富豪は次回は貧民となる。 制限時間 実物のトランプを用いた遊戯では通常この取り決めは行われない。 一方でオンラインゲームや公式大会等では遅延行為を抑止する目的で、プレイヤーに手番が来るたびに計時する仕様がある。以下のうち何れかの方式を採用して行われる。秒読み制 - 手番が来たプレイヤーは一定時間以内に行動を選択する。経過するとパスの扱いになる。プレイヤーの手番開始時に制限時間が設定した秒数まで回復する。 持ち時間制 - 各プレイヤーにはそれぞれ均等な持ち時間が与えられる。手番が来ると持ち時間を消費し、手番を終えてもそれは回復しない。持ち時間を全て失ったプレイヤーはゲーム終了時まで秒読みになる。 どかん 場に出されたカードと自分の持っているカードの合計値が同じである時、ゲームに勝利する。 ギロチン時計 n回目にパスしたプレイヤーはゲームに敗北し、次回は大貧民になる。 nの値は大貧民がカード交換後に設定し、何れかのプレイヤーがパスする度にカウンターが減る。 10≦n≦50の範囲内で決める。 ブラックセブン 革命中の7♠と7♣は3よりも強いが、ジョーカーよりは弱い。 レッドセブン 通常時の7♥と7♦は2よりも強いが、ジョーカーよりは弱い。
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