ゲームの進行と勝敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 18:47 UTC 版)
ゲームは概ねつぎのように進められる。 4人以上で1チームを構成する。チームのメンバーはそれぞれ、小売(Retailer)、二次卸(Wholesale)、一次卸(Distributor)、工場(Factory)の4つのユニットを受け持つ。それぞれのユニットを1人で受け持つことにすれば1チーム4人となり、4人以上の場合は、1つのユニットを複数のプレーヤーで受け持つ。1チームをひとつのサプライチェーンと見立て、各ユニットはサプライチェーン上の企業・組織と見立てている。通常、この他に各チームから独立したゲームリーダーと呼ばれるゲームの進行係がいる。教育や研究などの目的で、プレーヤーが全くの初心者である場合、このゲームリーダーがルールを説明し、プレーヤーが正しくプレーしているかどうか確認することになる。必要な道具は、ゲームボード(57cm×180cm)とトークン、記録用紙、紙(カード)、筆記用具、電卓などである。トークンはコイン、マッチ棒などなんでもよい。1つのトークンがビール1ケースと見立てられている。トークンは400から500ケース分用意する(10ケースをあらわす別のトークンを併用することもできる)。 最初にそれぞれのユニットにいくつか決められた数のトークンを置いておく。ゲームは1ターンごとに区切られ、35~50ターン行って勝敗を決める。1ターンの中でプレーヤーは次のことを行う。 受領: 右側(自分のユニットに向かってくる側)の輸送(Transport)のコマにあるトークンを自分のユニットに移す。 受注: 自分のひとつ下流のユニットからの注文(Order)を確認する。 発送: 注文の数のトークンを左の輸送のコマに移す。足らなければそれば受注残として後のターンでその数を加えて移す。 発注: 将来の注文を予想して、自分のひとつ上流のユニットに対する発注数を決める。 工場は発注数を上流に渡す変わりに、生産指示を出したとして、製造(Manufacturing)に自分が決めた数のトークンを置く。小売が受け取る注文は、あらかじめ用意された発注カードの山から取る。発注カードの山の中の、発注数とその順番は各チームで同じである。プレー中にチーム内の他のユニットの在庫を見ることは構わないが、他のユニットのプレーヤー同士で情報交換をしたり、方針を相談したりしてはいけない。ひとつ下流のユニットの出す オーダーだけが、自分が受け取る情報である。 ゲームの勝敗を決める点数はコストに見立てられる。例えば、在庫1トークンに対して0.5ドル、受注残1トークンに対して1ドルというように、あらかじめ在庫と受注残に対するコストを決めておく。各ターンごとに在庫ないし受注残の数を記録し、ゲームが終わった後でチーム全体でかかったコストを計算する。総コストが最も少ないチームが勝ちとなる。
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