筆記用具とは? わかりやすく解説

文房具

(筆記用具 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/30 17:06 UTC 版)

オフィスで使うさまざまな文房具

文房具(ぶんぼうぐ)とは、仕事場やオフィス、学校などにおいて情報の処理・記録・伝達などのために備えられる道具類をいう[1]文具(ぶんぐ)、ステーショナリー: stationery)。

概説

日本語の「文房具」とは、「文房の具」つまり書斎に備えておく道具といった意味の表現である[1]。いわゆる「書きもの」をするのに必要な道具[2]、オーソドックスなところでは筆記用具類(ノート類も含む)、(やペーパーナイフ)などを指している。文書を書いたり、(紙の)手紙を読み書きするのに必要な道具類のことである。

また、「文房具」は狭義に筆・墨・硯・紙の4点を代表して指す言葉であり、広義に水差しや文鎮などの書道用具全般から文房で文人達が文化的嗜みとして興じた茶の道具や琴や調度品を含める場合もある[3]。「文具」は短くした言葉ではなく、それ以外の品を含める言葉である。

中国では「(ひつぼくしけん)」が定番の道具であり、「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と称し珍重した[1]

高級品やファッショナブルな品もあり、コレクションの対象にもなる。厳密にはカッターナイフや工作道具は文房具には含まれないとする考え方もあるが、これらも広義の文房具には含まれると認識されるようになっている[1]

また、デジタル機器についてもデジタル文房具として文房具の一種として扱われることがある(従来の文房具はアナログ文房具と呼ぶ)[4]。1980年代にワープロが登場した直後は「文房具」に含めてはいなかったが、それが定着してからは、徐々に文房具の一種とみなす文筆家も増えた。その後、PCが普及しそのワープロ機能やメール機能が盛んに用いられるようになると、それも一種の文房具とみなす人も出た。ただし、アナログ文房具とデジタル文房具では使用法が大きく異なるほか、情報の性質と目的も大きく異なる[4]

世界全体では文房具の市場は拡大傾向にある[5]。世界人口は増加傾向にあり、また世界には発展途上国も多く、今まで識字率が低かったり、そもそも基本的な教育すらあまり行われていなかった地域もあり、そうした地域でも徐々にしっかりとした教育が行われるようになると、(紙を前提とした、従来から用いられている文具も含めて)文具の需要が増すためである。

ハノイにある文具店の店内の様子。多種多様な文具がある。

文房具を扱う業界を文具業界という。文房具は、(先進国では)文房具店などと呼ばれる専門店や、(ショッピングセンターなどの)文具コーナーなどで販売されている。

日本のメーカーの文房具は、機能性と精密さが世界的に高く評価され、ヨーロッパや北米・南米などでも広く販売されている。

なお、学校教育の場では、「文房具」という言葉を(いわば「教室で使う道具」「勉強道具」といったニュアンスで用いて)上記の筆記具やノート類だけでなく、児童生徒学生が学習時に使う補助的な道具(暗記シートなど)までざっくりと含めてしまうこともあり、役所企業での事務用品の多くも同様の扱いである。

文房具の分類

文房具は国際的なHSコードではほとんどが第96類の雑品に分類されるが、ボールペンや鉛筆はライターくしなどと同じ階層で別々になっており文具類という単一のカテゴリは設けられていない。日本標準商品分類では文具、紙製品、事務用具および写真用品(93)に分類されている。

筆記具

筆記具
鉛筆と消しゴムと鉛筆削り

筆記具関連品

押印用具

朱肉

事務用具

計算用事務用具

そろばん

図案製図用具

三角定規

一般事務用具

輪ゴム
はさみ

紙製品

封筒(エアメール)

謄写及び複写用品

絵画用品及び書道用品

絵画用品

書道用品

筆・墨・硯
和紙(杉原紙)

その他の文具

のり・粘着テープ

接着剤

消しゴム・修正液

消しゴム
修正ペン

クリップ・ピン・画鋲

その他

文具メーカー

世界全般

日本の文具メーカー

販売網は日本に限らず世界各国に展開するメーカーも多い。各分野(各マーケットセグメント)ごとに分析すると世界シェアで上位を占めるメーカーもある。

筆記具・小物文具を主とするメーカー

認知度が高い大手メーカー

大手メーカー

事務用品を主とするメーカー

作業道具を主とするメーカー

紙製品を主とするメーカー

ノート類・帳面類
包装紙・慶弔袋・封筒類
各種専門紙類
学童向け

その他

文具チェーン

脚注

  1. ^ a b c d 『文房具屋さん大賞2017』扶桑社、2017年、50頁。 
  2. ^ 広辞苑【文房具】
  3. ^ chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.tokugawa-art-museum.jp/exhibits/planned/items/%E5%BE%B3%E5%B7%9D%E6%96%87%E6%88%BF%E5%8D%9A.pdf
  4. ^ a b 『文房具屋さん大賞2017』扶桑社、2017年、51頁。 
  5. ^ The Global Stationery Products Market
  6. ^ 株式会社壽”. 2012年6月7日閲覧。

関連項目

外部リンク


筆記用具

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 15:09 UTC 版)

テーブルトークRPGの道具」の記事における「筆記用具」の解説

ほとんどのテーブルトークRPGは、筆記用具を必須とする。 テーブルゲーム多く点数管理などもコマで行うことで筆記用具を廃している(麻雀の点棒などが代表的)ことから考えると、筆記用具の使用テーブルトークRPG特徴的な部分ともいえる。 テーブルトークRPGで筆記用具が必須なのは、プレイヤーキャラクター能力値書き留める必要があるためである。 筆記用具は書くことできれば何を使ってもいいが、ヒットポイントなどの数値ゲーム中に頻繁に変化するため、筆記用具はボールペンサインペンよりも、鉛筆シャープペンシルのように消しゴム書き直せるものが奨められる。 一方書き留める紙の方については、大抵のゲーム専用フォーマット用意されている。詳細キャラクターシートの項目を参照

※この「筆記用具」の解説は、「テーブルトークRPGの道具」の解説の一部です。
「筆記用具」を含む「テーブルトークRPGの道具」の記事については、「テーブルトークRPGの道具」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「筆記用具」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「筆記用具」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「筆記用具」の関連用語



3
100% |||||

4
sharp pencil デジタル大辞泉
96% |||||

5
サイン‐ペン デジタル大辞泉
96% |||||

6
帳箱 デジタル大辞泉
96% |||||

7
書味 デジタル大辞泉
78% |||||

8
筆入れ デジタル大辞泉
78% |||||

9
筆箱 デジタル大辞泉
78% |||||


筆記用具のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



筆記用具のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの文房具 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのテーブルトークRPGの道具 (改訂履歴)、筆記 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS