うたかた荘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 04:17 UTC 版)
明神冬悟(みょうじん とうご) 本作品の主人公。「案内屋」の男性であり、霊と生者のためのアパート「うたかた荘」の管理人を務める。1月15日生まれのA型。黒いコートとサングラスを愛用している。生まれながらにして魂の力が強いため、髪の毛が白い。飄々とした性格で人目を気にせずアズミに絵本を読んだり、敵の攻撃をわざと受けたり、その場の成り行きで名前を勝手につけるなど、掴みどころのない言動が多い。また、非常に寝相が悪く、体力は高いが学力は低い。幼い頃に航空機事故で両親と死別し、その時を境に霊が見えるという特異体質が現れ始めた。親族の家をたらい回しにされ、霊に対する恐怖も重なり人に対して心を閉ざして不良となるが、先代明神と出会ったことで更生して案内屋の修行をする。「明神」の名前は死んだ師匠から受け継いだものであり、本来の名前は「久能冬悟」(くのう とうご)である。 梵術を駆使して「陰魄」と戦うが、未熟なうちに師匠を失い、経験を重ねながら手探りの状態で徐々に技を習得していく。始めの頃は「黄布」を補助具として腕に巻きつけて戦闘していたが、ハセとの戦いで「空の梵痕(キャのサン=スティグマ)」を得てからは黄布を必要としなくなった。敵を倒した時の決め台詞は「梵(BOMB・ボン)」である。平凡な生活を何より大切に思っており、姫乃の生活を守るために彼女を全力で守ろうとする。 決戦後に24歳の誕生日を迎えている。 桶川姫乃(おけがわ ひめの) うたかた荘の住人の中では、明神を除いて唯一生者である女子高生で、あだ名は「ひめのん」。4月12日生まれのO型。幼少時は母親の雪乃と2人暮らしをしていたが、母親と死別後は祖父宅や親戚を転々とした後、都内の私立高校に入学するため上京した。物心つく前に陰魄に遭遇したことがあり、10年後の上京初日にその陰魄から命を狙われる。明神と出会い、霊が見えるようになるが接触することはできない。自分より他人を気遣う優しい性格だが、いざというときには譲らない強情さも併せ持っている。母親のお腹にいる時に「無縁断世」の力を半分受け継いだために霊感が強く、無縁断世の力を求めるコモン達やパラノイドサーカスに狙われる。 エージ 陽魂の少年。本名は眞白(ましら)エージ。5月25日生まれのO型。趣味は野球で、具現化したバットを常に持ち歩く。熱血少年で明神に憧れ、明神の言う「クールにサイキョー(最強)」を目指している。アズミやツキタケに比べれば年長で落ち着いている様子だが、異性に対する年相応の好奇心も持っている。生前、肝試しのつもりで富士樹海に入り、そこで陰魄に殺害された。一緒にいた妹・真知(まち)は樹海の入り口に留まったので無事だったが、家族は彼の死を知らずに帰りを待ち続けているため、自分を殺した陰魄を倒し、自分の死体を見つけて両親と妹に自分の死を証明しようとする。 アズミ 陽魂の少女。本名は「木備野安曇(きびの あずみ)」。8月8日生まれのAB型。 「小さな怪獣」と言われるほど活発で、絵本や落書きを好む。母親と道を歩いていた時に車に轢かれ、そのまま死亡した。一切の戦闘能力を持たず、明神達が戦いに趣く時は留守番をしている。 ガク 陽魂の青年。本名は「犬塚我区(いぬづか がく)」。10月11日生まれのB型。通称「Mr.ガラスのハート」。普段は色々な所を放浪していて、うたかた荘にはたまに訪れる程度だったが、姫乃に一目惚れしてからはうたかた荘に定住するようになる。姫乃に対する恋心と性格的に合わない理由から明神を敵視し、喧嘩をすることがしばしばある。姫乃にははじめのうちは恐がられていたが、後に「ガクリン」という愛称で呼んでもらえるようになる。 繊細でナイーブな反面、感情の起伏が非常に激しく、一度感情的になると手がつけられず、陰魄に近い状態になる。生前は裕福な家の出身で数学が得意科目の秀才だったが、自身の精神構造が災いしてみるみる落第し(数学だけは全国トップを維持)、女子への嫌がらせに近い告白や「ピコピコハンマー乱闘籠城事件」などの数々の逸話を残している。浪人生の時にツキタケと出会うが、「雉ノ葉月武誘拐事件」に巻き込まれて命を落とした。そのため、事件の黒幕である轟宗之助とその協力者であり、悲劇の舞台となった団地の全住人を憎悪して復讐を目論んでおり、その強い負の感情を十味から危惧されている。 ピコピコハンマーを所持しており、感情に伴って金槌など様々な形態に変化させる。このハンマーはガク自身の破壊衝動の現れであり、特に感情が昂った時には大きな木槌や弾丸に変化する。さらにコモンとの戦いの中で焔狐の力を吸収し、炎を自在に操れるようになる。戦闘能力はうたかた荘メンバーの中で明神に次いで高く、鋭い洞察力による頭脳戦を得意としている。敵を倒した時の決め台詞は「愛の障害排除完了!」である。自分を慕ってくる相手が傷付けられた時は激高し、敵が女であろうと容赦する姿勢は見せない。 当人曰く「愛されるのではなく愛する側の存在」。また、陽魂としての存在には「陽魂も陰魄も違わない」と断言しており、「自分を縮こまらせる常識はいらない」としてコモンの眷族であった焔狐を食って取り込む、平然と空を歩くなど、通常の陽魂を超越した力を持っている。 ツキタケ 陽魂の少年。本名は「雉ノ葉月武(きじのは つきたけ)」。6月6日生まれのA型。ガクの弟分で常にガクと行動を共にしている。一人称は「オイラ」。ガクを「アニキ」、明神を「ダンナ」、姫乃を「ねーちゃん」、そして澪を「アネゴ」と呼ぶ。性格は強気で意地っ張りである。家のことで周囲から苛められていたので、あまり他者と交わろうとはしなかったが、バオとの戦いを通じてエージとの間に友情が芽生える。生前はかなり裕福な家庭の生まれで、不良に恐喝されていたところを生前のガクに救われる。ガクの家から帰宅する途中、覆面の男達に拉致されて最終的にガクと共に命を落とし、陽魂となった。戦闘はできるが、直接攻撃するような手段は持っておらず、基本的にエージとコンビで戦い、エージの援護をする。
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