意志 意志の障害

意志

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 19:38 UTC 版)

意志の障害

欲動統制の障害

意志は、欲動を適切に制御して、自分の行動が目的に合うように調整する。しかし意志の力が弱くなり、欲動を抑制できないと、「衝動行為」が起こる。

意志発動の障害

  • 制止
    「精神運動制止」とも呼び、行動を起こしにくい状態。思考や行動が遅くなる。うつ病で見られる。これが極端になったのが次項の昏迷である。
  • 昏迷
    意志発動が全く行われない状態。意識清明である点で、昏睡とは異なる。うつ病のほか、解離性障害や緊張病症候群(統合失調症の一型)でもみられる。
  • 途絶
    思考や行動が突然ストップしたもの。まもなく回復する。統合失調症でみられる
  • 緊張病症候群
    主に緊張型統合失調症でみられる。
    • 緊張病性興奮・緊張病性昏迷
      突然の興奮が起こる。興奮は周囲の状況からみても了解不能で、その行為には首尾一貫性がないなど、意志によって統制されていない。やがて、すべての行動は止まり、不動となる。意識は保たれ、後にそのときのことを想起できる。このように、興奮・昏迷は交替して出現することが多い。
    • 強直症 カタレプシー catalepsy
      意志発動性が低下した上に、暗示を受けやすくなったため、一定の体の姿勢を長時間保ったままの状態。(本来は筋固縮等を伴って姿勢が固まってしまう症状をさすが、催眠術など暗示によって引き起こされる同様の状態をも意味することがあるため注意が必要)
    • 反響動作、反響言語
      被影響性の亢進によって、相手の行為や言葉を反復する。緊張病症候群だけでなく、解離性障害催眠でもみられる。
    • 常同症 stereotypy
      同じ行動を何度も反復する。常同行為・常同運動・常同姿勢・常同言語などがある。随意的である点において、保続や反復とは異なる。

  1. ^ a b 高橋文彦「「存在と当為」再考 : 論理的な観点から」(pdf)『一橋研究』第8巻第1号、一橋研究編集委員会、1983年、16頁、doi:10.15057/6246 


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