参政権 日本における参政権

参政権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 22:44 UTC 版)

日本における参政権

選挙権

日本国憲法第15条「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」と規定する[7]

公務就任権

明治憲法は「日本臣民ハ法律命令ノ定ムル所ノ資格ニ応シ均ク文武官ニ任セラレ及其ノ他ノ公務ニ就クコトヲ得」(第19条)と定め、公務就任資格の平等について定めていた[11]

日本国民の公務員への就任について、日本国憲法にはこれについての直接の規定がないが、日本国憲法第14条の「政治的関係」において差別されないに内包され保障されている[11]。また特に国会議員の被選挙権については日本国憲法第44条で「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない」と定められている[11]

外国人の公務就任権について最高裁は「日本の国籍を有しない者は、憲法上、国又は地方公共団体の公務員に就任する権利を保障されているということはできない。」とし、地方公務員については「公権力を行使することなく、また、公の意思の形成に参画する蓋然性が少なく、地方公共団体の行う統治作用にかかわる程度の弱い管理職」であれば我が国に在住する外国人を任用することも国民主権の原理に反するものではないとする(最大判平成17年1月26日民集59巻1号128頁)[12]

なお、公務就任権のうち、選挙によって議員その他の公職に就く権利(被選挙権)については日本の選挙を参照。

国民発案・国民表決・国民罷免

  • 国民発案(イニシアティブ)
    国民発案(イニシアティブ)の制度は、日本では国政レベルでは採用されていない[11]。地方レベルでは、地方自治法で、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができると定められている(地方自治法74条)。
  • 国民表決(レファレンダム)
    日本国憲法は代表民主制に立ちつつ、憲法改正案に対する国民投票(日本国憲法第96条)と地方自治特別法の住民投票(日本国憲法第95条)で国民表決(レファレンダム)の制度を採用する[6]
  • 国民罷免(リコール)
    国民罷免(リコール)の制度は、日本では国政レベルでは採用されていない[8]。地方レベルでは地方自治法で地方公共団体の長・議会・議員の解散・解職の請求が定められている(地方自治法76条以下)[8]
    なお、日本には最高裁判所裁判官国民審査の制度があるが、国民の請求を受けて実施されるものではなく一定の時期に行われるものであるため、典型的な国民罷免の制度とは区別される[8]

注釈

  1. ^ 「中华人民共和国全国人民代表大会和地方各级人民代表大会选举法」第1章第3条の規定により、選挙権および被選挙権を有するのは「中国公民」と規定。但し、法律で政治権利が剥奪されている者を除く[14]
  2. ^ 「中华人民共和国国籍法」第3条の規定では、中国は多重国籍は認めておらず、国籍保持者を「中国公民」としている[15]
  3. ^ 韓国は、選挙権を取得出来る年齢を20歳から18歳に引き下げるにあたり、段階的措置として、2005年6月に19歳に引き下げている[16]

出典

  1. ^ a b c 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、155頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  2. ^ 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、155-162頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  3. ^ a b c 「国民投票制度」に関する基礎的資料”. 衆議院憲法調査会事務局. 2020年6月7日閲覧。
  4. ^ 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、89頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  5. ^ 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、155-156頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  6. ^ a b 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、157頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  7. ^ a b 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、158頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  8. ^ a b c d 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、162頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  9. ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(1)憲法I』青林書院、1997年、353頁。ISBN 4-417-00936-8
  10. ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(1)憲法I』青林書院、1997年、354頁。ISBN 4-417-00936-8
  11. ^ a b c d 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、156頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  12. ^ 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、78頁。ISBN 978-4-641-11278-0
  13. ^ Natural-born citizen
  14. ^ 中华人民共和国全国人民代表大会和地方各级人民代表大会选举法”. 中華人民共和国中央人民政府 (2010年3月14日). 2017年10月19日閲覧。 “2010年3月14日改正版(→国立国会図書館による当該法規の日本語解説)”
  15. ^ 中华人民共和国国籍法”. 中華人民共和国中央人民政府 (2005年5月25日). 2017年10月19日閲覧。
  16. ^ 佐藤令、大月晶代、落美都里、澤村典子『主要国の各種法定年齢 選挙権年齢・成人年齢引下げの経緯を中心に』(PDF)国立国会図書館調査及び立法考査局〈基本情報シリーズ(2)〉、2008年12月。ISBN 978-4-87582-676-72017年10月19日閲覧。






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