上土権とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 上土権の意味・解説 

うわつち‐けん〔うはつち‐〕【上土権】

読み方:うわつちけん

他人の持つ湿地などを開墾して田畑とした場合に、開墾者が地表についてもつ慣習上の利用権現行民法上、判例・通説はこの権利認めない。→底土権(そこつちけん)


上土権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/28 02:35 UTC 版)

上土権(うわつちけん)とは、かつて日本に存在した土地に関する権利の1つ。明治以後も慣習法として存続したが、民法における所有権の原則に反するとして否認された。

日本の近代以前の封建的な土地制度のもとでは、年貢の徴収して収益を得る権利と実際にその土地を地表とそれに付随する部分のみを自由に使用が出来る権利とが分離されており、前者を底土持、後者を上土持と称した。このうち上土持が所持していた権利を上土権もしくは甘土権と称した。

ところが地租改正によって一物一権主義の原則が定まると、1つの土地に複数の所有権者を認めることが否認され、領主制度が否認される代わりに底土持となったかつての耕作者が底土持として所有権を得ることになった。だが、依然として上土権は小作権の一種と考えられて慣習として残されてしばしば売買が行われた。

だが、大正6年(1917年2月10日大審院所有権は分割が不可能な権利であり、その権限はその物の有する使用価値・交換価値全体に及ぶものとし、上土権は分離不可能な所有権を分割するものであるから、民法175条に定めた物権法定主義に反するものとして否認されるとの判例が下されたのであった。

参考文献

  • 石田喜久夫「上土権」(『社会科学大事典 2』(鹿島研究所出版会、1968年) ISBN 978-4-306-09153-5

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「上土権」の関連用語

上土権のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



上土権のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの上土権 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS