エンパス
「エンパス」とは・「エンパス」の意味
「エンパス」(empath)とは、[共感力が人よりも極端に強い人たち」「共感覚能力が非常に高い人たち」のこと。共感、感情移入の力を意味する言葉「エンパシー」(empathy)と似ているが、「エンパシー」は他者との感情を共有することそのものを指す場合もあるため言葉を使用する際には注意が必要である。人並外れて共感力が高く、生まれつき人の感情やエネルギー、些細な変化等に過敏な気質がある。そのため相手の体調と同じ現象が本人の身に起こりやすく、相手のことを思う能力が優れているといえる。あくまでも「共感力が強い体質」であるため病気ではなく、治さなければならない症状でもない。しかし他者の感覚を感じ取りすぎたためストレスを溜め込みやすく、もともとの疾患や弱いところに症状が出るケースもある。そのためうつ病や依存症などの精神的な疾患につながりやすい傾向にある。
「エンパスになる」原因の一つに、生まれつき感受性が人より優れていたため「エンパス」になるという場合がある。よって、本人には「エンパス」の特性に自覚がないことも多い。また、感受性の強さは遺伝する傾向がある。
「エンパス」の原因
「エンパス」の原因には科学的な仮説が立てられている。脳科学的には他人の心を理解する能力の元となっている、脳の「ミラーニューロン・システム」が非常に敏感であるとされている。「共感」する際に動く脳細胞「ミラーニューロン」は他人の感情に深く共感する。神経伝達物質のひとつであり、ニューロンを活性化させる作用のある「ドーパミン」は幸せを感じるために分泌される。そのため内向的な「エンパス」は外向的な人よりもドーパミンが過敏に反応するとされている。
共感覚が優れている「エンパス」は「ミラータッチ共感覚」という、第三者の感覚をあたかも自分が体験しているように感じる現象を体験する機会が多い。そのため些細な出来事であっても簡単に心が乱れてしまうことがある。
「エンパス」のタイプ
「エンパス」には大きく分けると6つのタイプが存在するが、どれも「非常に共感覚が優れている」という点においては変わらない。「身体直感型」は相手の身体に起きていることや求めているこがを直感的に認識できるタイプである。そのため相手の体調不良や些細な変化を見抜くことが優れている。妊娠・出産を経た女性に多いとも言われており、セラピストや施術者に向いているとされている。「身体ワンネス型」は「ミラータッチ共感覚」が優れているタイプである。「身体直感型」とは少し違い、相手の痛み等を無意識的に伴うことがある。そのため刺激の強い映画やアニメを見ることが苦手である場合が多い。
「感情直感型」は相手の感情が直感的にわかるタイプである。心を見抜く能力に長けているため、相手の発言と感情の矛盾を瞬時に見つけることがあることがある。弱っている人に対しては癒し手となるが、他人の強い自己陶酔や嘘などを見分けることもできてしまうためストレスが溜まりやすい。「感情ワンネス型」は相手の感情を自分のことのように感じるタイプである。「身体ワンネス型」とは違い、身体的な状態ではなく相手の気分や感情を受け取ることに長けている。そのため自分の感情が周りの人からの影響を受けやすい。本人ですら理由が分からずにイライラしてしまったり、泣きたくなってしまうことがある。
「知的変容型」は人の思考の構造を自分の物のように体験するタイプである。「エンパス」の中でも理解されにくい能力であり、本人ですら気付きにくい。複雑な作業や論理であっても、それを理解している人と一緒にこなすとすぐに身についたり、高度であればあるほど早く理解できる能力がある。勉強していない分野であっても知識を得ることができる。「スピリチュアルワンネス」(霊的一体化)は人の内面をそのまま体験できる能力である。人の奥深くにある資質を感じることができる。「身体ワンネス型」とは違い、遠方に居る人や既に亡くなっている人や守護霊であっても内面を理解することができる。ただし、この能力は誰にでも備わっているとされている。
他にも動物や植物、鉱物などとエネルギーのやり取りをする「エンパス」もいる。また、周囲の影響を一方的に受けるだけでなく、周囲への影響力を持つ「逆エンパス」があり、「逆エンパス」の人は」目に見えない影響力を兼ね備えている」とされている。
「エンパス」の特徴
「エンパス」の特徴として、以下に挙げる。・相手に合わせるのが得意である
・人の話を聞いていると、自分の感情と混ざり合ってしまって分からなくなる
・他人の悩みを自分のことのように感じ、一緒に悩んでしまう
・体調の悪い人と一緒にいると、自分にも同じ症状が現れて苦しむため病院が苦手
・「あなたはどう思う?」と聞かれたとしても、自分の本心が分からず返答に困ってしまう
・人の話を聞いていると、まるで自分のことを言われているようでデジャヴを感じる
・自分でも気づかぬうちに、他人の隠された意図を組んで行動してしまう
・相手が何も言わなくても、本音に勘付く
・残酷なニュース、映画や漫画の暴力的なシーンを見るのがつらい
・話すことよりも人の話を聞くことの方が得意
・悪口を聞いているだけなのに気分が悪くなってしまう
・人が怒られていると自分が怒られているように感じてしまってつらい
・イヌやネコなど、言葉が通じない動物の気持ちでも何となくわかる
・他人や霊的なものに影響され、自分の感情が動いてしまう
・土地や場所などの悪いエネルギーを受け取ってしまう
・一緒にいる人に似ていき、環境によって自分が変わっていく
・相手の気持ちや考えを想像しすぎてしまい、よく思い込みや勘違いをしてしまう
・人込みや満員電車が苦手
・人と長時間話すのが苦手で、絶対に一人の時間がほしい
・人助けばかりが気になってしまい、自分のことをおろそかにしてしまう
このように多くの症状があるが、基本的には人並み以上に「場の空気を読む」ことに長けている。そのため周囲の人に「繊細」「人見知り」と評価されやすい傾向にある。ただし明確な定義がないため、上記の症状全てが現れているわけではなく、他にも症状がある場合がある。そのため些細なことで感情が揺さぶられてしまい、自分でも知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまっている場合がある。
「エンパス」の人は意識して相手に合わせているわけではなく、あくまで無意識に相手に共感し、感情や意図、ムードを感じ取ってしまう能力であるため人の心に寄り添って話を聞く能力も高く、人から頼られやすい。一方、感情やその場の雰囲気に影響されやすいとも言えるため、人間関係やちょっとした出来事で疲労感が溜まりやすく慢性疲労症候群(CFS)」と診断される人も多い。さらに慢性疲労症候群(CFS)が長引くとうつ病を併合させてしまうこともある。
エンパスとHSPの違い
「エンパス」は周囲の人の思考や感情に対する共感力が極端に優れているためスピリチュアルなエネルギーにも反応してしまうのに対し、「HSP」は「人よりも繊細な性質の人」のことであり、「論理的で心理学的な特徴」が強く、すべてのことに敏感である。そのため「HSP」は「エンパス」よりも広義であり、「HSP」の人が必ず「エンパス」の性質を持ち合わせているわけではない。大きな違いは「心と行動を分析するとき、化学的であるかどうか」「理論や客観性を重視するか」「自分の目で見えるものを重視しているかどうか」である。すべてが当てはまる場合は「HSP」である。
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