韓国の反発に批判的な反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:22 UTC 版)
ナチス・ドイツ時代に国旗のハーケンクロイツ(演台)と共に掲げられる黒十字。黒十字は現在もドイツ軍の標章として使用されている。 ドイツ空軍の戦闘機ユーロファイター。機体側面に黒十字の国籍標識が見える。 韓国海軍は海上自衛隊の旭日旗使用について、2016年に「韓国が他国に行った時、艦艇の前方に海軍旗、後方に太極旗をつけるように、日本も海軍旗として使用する旭日旗と日本旗をつける」と説明した。2018年10月10日-14日に韓国の海軍基地で開催された国際観艦式に14ヶ国21隻の軍艦と45ヶ国の代表団が参加する際にも韓国海軍側は同様の説明を行った。しかし、2018年には事前に批判的報道・反対運動が激化していたため、各国海軍に対して軍艦旗の掲揚を行わず所属国の国旗と韓国国旗のみを掲げるよう要請した。日本はこの要請を拒絶して観艦式に参加しなかった。また、中国はTHAAD問題などで艦艇の派遣を取り消した。更にマレーシアも不参加を通知し、フィリピン艦艇は12日のみ参加すると通知した。軍艦旗と国旗が同じアメリカを除くオーストラリア、タイ、シンガポール、カナダなど参加各国は要請に応じずに軍艦旗で参加したが、もともと日本のみを意識した要請であったため、韓国側は抗議しなかった。 朝鮮日報は、『「軍国主義の亡霊」旭日旗、日本では一般的』という記事の中で「朝日新聞の社旗にも旭日旗の模様があしらわれている」「アサヒビールが1892年発売のビールを再現した限定商品には旭日旗が描かれていた」「(コシノヒロコ氏はロンドン五輪女子体操代表のユニホームで)日の丸を配置して太陽が躍動する力強い美しさを表現した(と述べた)」などと紹介した。中央日報は、1998年と2008年に韓国で開催された国際観艦式で海上自衛隊が旭日旗を掲揚した際にはほとんどの国民が無関心だったと指摘し、一貫性がないと主張した。 産経新聞は韓国の旭日旗に対する姿勢を批判し、「第二次大戦中に日本の敵国であった米国でさえ、旭日旗に対してなんの抗議もしていないし、それどころか友軍の旗として自然に敬意を表してくれている」と主張している。皆川豪志は、韓国人は旭日旗に似た模様が描かれた朝日新聞社の社旗・社章(上述参照)を何ら問題にした事がないと主張している。 SBIサーチナの如月隼人記者は、旭日旗をナチスドイツにおけるハーケンクロイツ旗と同じであるとする韓国内の一部の主張に対し、旭日旗の起源は「太陽信仰」であり「めでたさ」や「勢いのよさ」を表すのに対し、ハーケンクロイツ旗は成立の当初から「アーリア民族の優位性」をシンボル化したもの(「赤は社会理念」、「白は国家主義理念」、「ハーケンクロイツは、アーリア人種の勝利のために戦う使命」を表す)であって、両者の持つ背景は異なる、また、ドイツでは、第二次世界大戦中に使われていた軍旗「黒十字」の意匠が戦後もドイツ連邦軍の国籍標識に使用されており、軍旗が政治性をともなうとは限らない。さらに、もし韓国が「(日本が過去において)周辺国を侵略する際に使った国家的なシンボルは、すべて使うべきではない」と主張するならば、英国国旗やフランス軍旗など欧州列強が伝統的に用いてきた旗に対してすべて異議を唱えなければならず、さらには32万5900人の兵力をベトナムに送り込んだ韓国は、ベトナムが韓国軍旗に対して「わが国侵略のシンボルだった。使用は好ましくない」と主張した場合に自らの主義主張に基づき韓国の国旗や軍旗を排除するのか、と主張している。 室谷克実は、旭日旗は近年まで批判の対象とされていなかったと述べている。水間政憲は、かつては「朝鮮独立を認めさせた“象徴旗”として称えられていた」と主張している。 崔碩栄は、朝日新聞社の社旗やヒラリー・クリントンの大統領選挙のポスターが問題視されない点について、旭日旗デザインは「形」が問題ではなく、それを使った「主体」が問題であり、韓国の左派と繋がっているか、友好的な関係にある人、団体は攻撃されていないと主張している。 2019年8月19日、米国のモデルで歌手のシャーロット・ケンプ・ミュールが旭日旗デザインのTシャツを着た写真をインスタグラムにアップすると韓国人ネットユーザーから「ナチスと同じ意味だ」などと批判のコメントが数多く付いた。ミュールは「旭日昇天旗は明治時代に日本軍が初めて使用したもので、日本植民地時代より前から存在しているためナチスの精神的理念とは本質的に異なる」「私は複数の協会から発行された関連研究を知っているため偏ったものではない」とした上で「米国、英国、フランスも国旗が存在している間に植民地支配をしたのだから、それらの国旗も禁止しなければならないの?非常に退屈で虚しい論争」と反論。さらにジョン・レノンの息子でミュールの恋人でもあるショーン・レノンも「すべての人間は、それぞれが象徴的なものを使用することに自由でなければならない」と韓国人ネットユーザーに反論した。 2020年にはフィリピン系アメリカ人のタトゥーに旭日模様が含まれているとしてネットユーザーが攻撃を行った。それには「小さい国」「貧しい国」「学ぶことができない背低い人々」などのフィリピン人に対する人種差別的発言が含まれていたとされ、これに激怒したフィリピンのネットユーザーが「#CancelKorea」「#ApologizeKorea」などのハッシュタグ運動を行ったことが韓国のニュースなどに大きく報道された。これをきっかけに、韓国ユーザーはフィリピンの国旗を燃やし破ったり国旗につばを吐きかけ、さらにそれに対してフィリピンユーザーも韓国国旗を破ったり踏みつけるなどの応酬が続いた。
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