陸軍航空総監部兼航空本部長とは? わかりやすく解説

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陸軍航空総監部兼航空本部長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 08:24 UTC 版)

阿南惟幾」の記事における「陸軍航空総監部兼航空本部長」の解説

1944年12月航空総監航空本部長への異動命じられた。レイテ島攻略した連合軍ミンドロ島皮切りにフィリピン全体制圧目指しており、大本営には、阿南に豪北、ボルネオ南部フィリピン一元統帥させ連合軍対抗させる案もあり、阿南もこの地で軍司令官として玉砕する覚悟であったため、この日の阿南日記には「若者多数失い生きて再び皇土を踏むの面目なしと迄覚悟までした身」と無念を滲ませた記述をしている。しかし、阿南信念は、「死ぬことだけでは義務果たしたことにはならない生きていられるだけ生きて戦力になれ」であって部下にも常々言って聞かせており、戦死した部下将兵殉じたいとする気持ち抑えて東京向かったこの頃には、戦局の悪化伴って阿南陸軍大臣待望論が強まっており、ダバオ阿南面談した三笠宮崇仁親王は「阿南人格高潔部下心服し海軍との関係良い阿南南方第一線指揮することはもっとも必要であるが、陸軍大臣として活動してもらうことはそれ以上必要である」と帰国後に東久邇宮稔彦王進言しているなど、この異動阿南陸軍大臣就任見据えて陸軍中央外地から呼び戻したという意味合い大きかった阿南の耳にも陸軍大臣待望論は聞こえていたが、「予を陸相擬するもの多きも、重要作戦任務拝命して任を尽くさず。豈何ぞ甘受し得んや。勿論其の器にあらざるを自ら識る」と日記記しているなど否定的であった阿南東京帰る途中でルソン島寄って第14方面軍司令官としてフィリピン悪戦苦闘する同期親しい山下を激励したい願ったが、サイゴンで、フィリピン戦況に詳しい南方軍総参謀長沼田多稼蔵中将より現状聞かされて、ルソン島行き断念した結局この後阿南山下再会することはなかった。 阿南着任して間もなく硫黄島の戦い始まり、いよいよ連合軍本土迫ってくることとなったフィリピンでの「万朶隊」と「富嶽隊」を皮切りに陸軍航空隊でも、既に特別攻撃隊多数出撃している状況であったが、阿南自身は「特別攻撃決死隊であっても生還の道は講じるべきである。敵艦への航空特攻のように、死によってのみ任務遂行できる出撃命じるのは、上官としてあまりに武士の情にかける」と考えて航空特攻には批判的であった。しかし、大本営方針天号作戦として、本土付近に侵攻してくる連合軍に対して航空攻撃大出血を強いるという計画決定、その主戦術は特攻とされており、阿南否が応でも特攻に関わっていくこととなる。 天号作戦においては、どうしても陸海軍航空戦力総合的に運用する必要があった。しかし沖縄決戦をしようと計画する海軍に対して一定の戦力拘置し本土決戦重視する陸軍方針相違しており、海軍中には陸軍航空海軍指揮下に入れ陸海軍統合戦力として決戦するべきという意見強く陸軍内でも同調する意見もあった。しかし、このような重要な提議をするためには航空総監である阿南諒解が必要であり、陸軍航空海軍指揮下編入に同意していた参謀本部第1作部長宮崎周一中将は、気兼ねしながら阿南申し出た阿南第2方面軍司令官の際には何回海軍煮え湯飲まされており、私怨もあって簡単に同意しないものと思われたが、気兼ねしている宮崎に対してあっさりと笑顔で「結構ですよ」「喜んで豊田大将連合艦隊司令長官豊田副武)の指揮をうけましょう」「すぐにでも日吉台挨拶行ってよい」と答えて宮崎を安心させている。 阿南陸軍本土決戦のための戦力温存策には反対であり、特攻には批判的ながら「本土決戦ばかり考えず航空戦力すべてを挙げて沖縄の敵を叩くべきだ」「俺も最後に特攻隊員として敵艦突入する覚悟だ」と梅津美治郎参謀総長詰め寄っている。特攻隊員出征を見送る際には熱涙注ぎことあるごとに富士山目標として来攻する敵機群の横っ腹向かって自ら最後に突入する」と周囲公言もしていた。阿南熱意もあって、陸軍航空隊の第6航空軍海軍連合艦隊指揮下で統一した作戦行動をとることとなったが、沖縄戦海軍特攻指揮した第5航空艦隊と第6航空軍は、連合艦隊指揮下であくまでも並立扱いであって形式的な陸海軍協同作戦の域を脱することはなく、また海軍の第5航空艦隊司令部鹿屋基地最前線にあったに対して陸軍の第6航空軍司令部後方福岡市にあって連携も不十分であり、阿南理想通り陸海軍統一作戦とはならなかった。

※この「陸軍航空総監部兼航空本部長」の解説は、「阿南惟幾」の解説の一部です。
「陸軍航空総監部兼航空本部長」を含む「阿南惟幾」の記事については、「阿南惟幾」の概要を参照ください。

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