ボルネオとは? わかりやすく解説

ボルネオ

名前 Borneo

ボルネオ島

(ボルネオ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/10/09 23:41 UTC 版)

ボルネオ島
所在地 インドネシアの旗 インドネシア
マレーシアの旗 マレーシア
ブルネイの旗 ブルネイ
所在海域 南シナ海、スールー海、セレベス海、ジャワ海
座標 北緯1度0分0秒 東経114度0分0秒 / 北緯1.00000度 東経114.00000度 / 1.00000; 114.00000座標: 北緯1度0分0秒 東経114度0分0秒 / 北緯1.00000度 東経114.00000度 / 1.00000; 114.00000
面積 743,330 km2
最高標高 4,095 m
最高峰 キナバル山
最大都市 コタキナバル
 プロジェクト 地形
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淡色の南部がインドネシア領で、濃色の北部がマレーシア領。緑色がブルネイ。(標記: 英語)

ボルネオ島またはカリマンタン島(ボルネオとう、インドネシア語: Pulau Kalimantan、マレー語: Borneo、ジャウィ文字: بورنيو)は、東南アジアの島。南シナ海(西と北西)、スールー海(北東)、セレベス海とマカッサル海峡(東)、ジャワ海とカリマタ海峡(南)に囲まれている。インドネシア・マレーシア・ブルネイ、この3か国の領土であり、世界で最も多くの国の領地がある島[注釈 1]となっている。

面積は725,500km2で日本の国土の約1.9倍の大きさである。世界の島の中では、グリーンランド島、ニューギニア島に次ぐ、面積第3位の島である(面積順の世界の島一覧も参照)。

地名

オランダ語と英語ではボルネオ (Borneo)、インドネシア語ではカリマンタン (Kalimantan) の呼称を使うのが一般的。また、「ボルネオ」の語源は、かつて島の北半分を占めていた「ブルネイ」が訛ったものといわれている。

歴史

古代から中世

カリマンタン島(ボルネオ島)では、先史時代から人類が居住していた。島内各地の洞窟や遺跡からは、古い人類活動や生活の痕跡が発見されており、古くから多様な地域社会が形成されていたことがうかがえる。

4世紀末から5世紀初頭にかけて、島の南東部、現在の東カリマンタン州にあたる地域では、マハカム川流域を中心にクタイ王国が勢力を形成した。ムアラカマン付近で発見されたユパ(石柱)碑文には、サンスクリット語の文章がパッラヴァ文字で刻まれており、当時の支配層がインド由来の宗教・文化の影響を受けていたことを示している。これらの碑文は、東南アジアにおける初期のヒンドゥー教文化を知るうえで重要な史料である。

古代から中世にかけて、カリマンタン島の沿岸地域は、インド洋と南シナ海を結ぶ海上交易網の一部を形成した。中国やインド、ジャワ島などとの交流を通じて、樟脳などの森林産物を含む交易が行われ、沿岸部には港湾集落や政治勢力が発達した。南西部のサントゥボン周辺でも、鉄生産や交易に関係する考古学的遺物が確認されている。

中世には、島の沿岸部でイスラム教が広まり、ブルネイなどのイスラム系政権が発展した。島内の政治勢力は一様ではなく、河川流域の内陸社会と、海上交易を基盤とする沿岸社会とが、それぞれ周辺地域との交流を続けた。

欧州列強の進出と植民地化

16世紀以降、ポルトガルやスペインなどのヨーロッパ勢力が東南アジアの海域に進出し、カリマンタン島にもその影響が及んだ。その後、オランダとイギリスが島内各地への進出を進めた。島内では、ブルネイの支配が及ぶ地域、在地の諸勢力が統治する地域、欧州列強が進出する地域が並存した。

19世紀には、島の政治的分割が進んだ。北西部のサラワクでは、ブルネイのスルタンから統治権を得たジェームズ・ブルックが1840年代に支配を確立し、サラワク王国を成立させた。1888年、サラワクはイギリスの保護国となった。一方、北部では、北ボルネオ会社が1881年に勅許を受け、現在のサバ州にあたる地域を統治した。同地域も1888年にイギリスの保護国となった。

島の南部・西部の大部分は、オランダ領東インドの一部としてオランダの支配下に置かれた。現在の西カリマンタン州では、18世紀後半に客家系移民を基盤とする蘭芳公司が成立し、金の採掘などを背景に独自の政治・経済活動を展開した。蘭芳公司は羅芳伯によって1777年に設立されたとされるが、19世紀にはオランダの支配が強まり、1884年までにその勢力は終焉を迎えた。

このように、植民地時代のカリマンタン島は、南部・西部のオランダ領、北部のイギリス領地域、ブルネイなどに分かれて統治されるようになった。

第二次世界大戦

第二次世界大戦中の1941年12月、日本軍はイギリス領ボルネオへの侵攻を開始した。同月16日には英領ボルネオに上陸し、24日にはクチンを占領した[1]。その後、日本軍はイギリス領地域とオランダ領地域を占領し、1945年の終戦まで軍政を敷いた。占領統治の形態は地域によって異なり、住民は労働動員や物資不足、弾圧などの影響を受けた。

独立と島の分割

第二次世界大戦後、カリマンタン島の政治的再編が進んだ。南部・西部などの旧オランダ領地域は、インドネシア独立革命を経てインドネシア共和国に編入された。サラワクは1946年にブルック家が統治権をイギリスに返上し、イギリスの直轄植民地となった。北ボルネオもイギリスの支配下に置かれたまま、戦後の政治再編を迎えた。

1963年、サラワクと北ボルネオは、マラヤ連邦などとともにマレーシアを結成し、それぞれ同国の州となった。北ボルネオはサバ州と改称された。これにより、カリマンタン島は、インドネシア領のカリマンタン地方、マレーシア領のサバ州・サラワク州、そして独立国ブルネイに分かれる現在の政治的構成となった。ブルネイはイギリスの保護下に置かれていたが、1984年に独立した。

現代

冷戦期以降も、カリマンタン島では国境を越えた民族・経済関係が続く一方、国境や領有権をめぐる問題が生じた。サバ州の帰属をめぐっては、フィリピンが歴史的な権利を主張している。2013年には、スールー王国の王族を称する勢力の武装集団がサバ州のラハダトゥに侵入し、ラハダトゥ対立が発生した。

インドネシア領では、森林資源や鉱物資源の開発、都市化、環境保全などが重要な課題となっている。2019年8月、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、首都をジャワ島のジャカルタから東カリマンタン州の地域へ移転する方針を発表した[2][3]。2022年1月18日、インドネシア議会は首都移転に関する法律を可決し、新首都の名称をヌサンタラとすることを定めた[4]。

地理

キナバル山
ボルネオ島の衛星写真

アルプス・ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の交点にあたる地域に位置し、全体的に山がちの地形である。また、両造山運動の影響により、山脈が上空から見ると南北にK字になっており、同様の形状となるスラウェシ島、ハルマヘラ島と合わせ、学術的に「3K諸島」と呼称することもある。1億年ほど現在の位置から動いておらず、その為、温暖な気候を保つ事が出来た為、この島の熱帯雨林は世界最古の熱帯雨林と考えられている。最高峰は島中央を貫くイラン山脈の北東部、マレーシア・サバ州に位置するキナバル山で、標高は4,095mである。インドネシア・カリマンタンの最高峰はイラン山脈南部のラヤ山(標高2,278m)である。主な河川にはカプアス川、マハカム川、バリト川、ラジャン川がある。

鉱物資源が豊富で、石油、石炭、ダイヤモンド、金、銅、スズ・鉄、マンガン、アンチモン、ボーキサイトなどが産出する。

気候は熱帯気候であり、降雨量は年平均4,000mm。雨季は10月から3月頃であるが、サバ州ではキナバル山の影響で年の前半はあまり雨が降らない[5][6]。熱帯雨林が発達しており、北部にはスマトラサイ、ボルネオゾウが生息し、その他、オランウータン、テナガザルなどの中大型哺乳類や、ワニ、ニシキヘビなどの爬虫類が生息している。また、ウツボカズラの種類が多く、特にキナバル山には特産種が多く知られる。キナバル山が標高約4千mなので麓の熱帯気候から山頂の亜熱帯気候まで存在する。それもあって、ボルネオ島には全世界の既知の植物約30万種のうち約1万5千種が存在しているといわれる。グヌン・ムル国立公園ではコウモリ・アカエリトリバネアゲハ・ビワハゴロモ・ナナフシが生息する。グヌン・ガディン国立公園[7]は大きなラフレシアが見られることで有名。他にオランウータンの保護で有名なセメンゴ野生生物保護センターなどもある。

一見すると緑豊かな土地であるが、高温多湿で雨が多い土地であるが故に落ち葉がすぐに腐り、腐葉土は雨に流され地上に堆積できず、落ち葉の直ぐ下は粘土質の土であるため、イチジク以外の果実は数年に一度しか実らない、果実に乏しい森である。ここ50年程はパーム油の採取のために熱帯雨林を切り開いてアブラヤシを植えることが広まっており、自然破壊が懸念されている[8]。

行政区分

インドネシア、マレーシア、ブルネイの3国が領有している。

人、民族、言語

奥地を中心に先住民族のダヤク族(イバン族)が住んでいるが、近年は都市生活者も多い。沿岸部はマレー系が多く占め、人口集積部には中国系の住民も多い。114種の言語(方言ではない)が話されている。

人口

全島の総人口は、約1750万人である。

脚注

注釈

  1. ↑ 承認国家が少ない「国」も入れた場合、キプロス島も国連192か国が承認するキプロス共和国、トルコ共和国のみが承認する北キプロス・トルコ共和国、イギリスの海外領土のアクロティリおよびデケリアの3か国の領土がある島となる。

出典

  1. ↑ 「要地クチンを占領」『朝日新聞』1941年12月17日夕刊(昭和ニュース編纂委員会『昭和ニュース事典 第7巻 昭和14年-昭和16年』毎日コミュニケーションズ、1994年、451頁)。
  2. ↑ “インドネシア、首都移転先はカリマンタン島”. BBC News. 英国放送協会. 2019年8月27日. 2022年1月19日閲覧.
  3. ↑ “東カリマンタンへの首都移転、2024年中に開始”. 日本貿易振興機構. 2019年9月3日. 2022年1月19日閲覧.
  4. ↑ “インドネシア議会、首都移転法案を可決 新首都は「ヌサンタラ」”. ロイター. 2022年1月18日. 2022年1月19日閲覧.
  5. ↑ マレーシア政府観光局. “旅の基本情報”. 2014年10月7日閲覧。
  6. ↑ インドネシア共和国観光クリエイティブエコノミー省. “旅の基礎知識”. 2014年10月7日閲覧。
  7. ↑ Visit Malaysia 2014公式サイト. “グヌン・ガディン国立公園”. 2014年10月7日閲覧。
  8. ↑ ホット・スポット 最後の楽園 2015年2月15日

関連項目

外部リンク


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