陳腐化への対処
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「通勤形車両 (鉄道)」の記事における「陳腐化への対処」の解説
日々過酷な運用をこなす通勤形電車では、30年程度使用した後に新車と置き換え廃車するのが一般的であるが、事業者のコストに対する考え方は様々である。 新技術搭載の新車導入により運行コストを下げる場合には、廃車が選択されることになる。廃車後はほとんどが解体されるが、新車導入の体力のない地方中小事業者へ譲渡されるケースも見られ、東急5000系や7000系、京王初代5000系や3000系は多くの車両が中小私鉄に移って活躍している。国鉄・JRでも101系を秩父鉄道へ譲渡するなど数例がある。また、京急1000形(初代)や営団5000系のように相互乗り入れを行なっている路線では乗り入れ相手先に譲渡やリースによって移籍するケースもある。 最近では日本国外への譲渡も増えており、営団500形や名古屋市交通局300形・1200形がアルゼンチン・ブエノスアイレス地下鉄(メトロビアスS.A.)に売却された。インドネシア国鉄へは、東京都交通局6000形や東急8000系、JR東日本の103系・205系などが無償譲渡されている。 一方、車両を長期間使用することで導入コストを下げ、リニューアルにより30年以上使用される車両も存在する。 大規模な車両リニューアルの例としては、就役後約20年を経過した1986年より開始された、東武8000系の車体修繕が挙げられる。屋根の防水性向上と塗装総剥離の上、腐食部分の張り替え・車内化粧板の変更・床材の変更、そして後には前面形状の変更・表示器のLED化・HIDライト化などが実施された。2008年頃までに在籍する約700両全ての修繕が完了した。 JR西日本では通勤形電車のリニューアルを進めており、103系に対して行われたリニューアル改造では屋根の張り上げ、一部外板のステンレス化、前面窓の1枚化と側面窓枠の取り替えなど根本的な延命が図られた他、座席モケットを207系と同様のものに交換したり、冷房ダクトや貫通扉が新品に交換された。この改造メニューは途中から一部工程が省略されたものの、本形式で培われたノウハウは後年の201系・205系・207系のリニューアルにも生かされている。 その他、私鉄では阪急5000系、阪神8000系、小田急1000形、西武2000系、東武9000系などが大規模なリニューアルを受けている。ただし、京成3500形や営団02系のように費用対効果の観点や情勢の変化、新技術導入の難しさなどから途中で更新工事を中止し、車両の置換えに方針を切り替えた事業者や、近鉄2600系電車のように代替車両導入の目途がつかず、二度目の更新工事を実施している事業者もある。 制御装置を更新する事例もあり、東急7000系、大阪市交通局10系、JR東日本205系(一部)、京王電鉄7000系、南海電気鉄道6200系・8200系・9000系、阪急電鉄7000系・7300系などがVVVFインバータ制御への更新を施工されている。東急7000系が7700系にVVVFインバータ制御化改造された当時、車体は新製時と比べほとんど劣化しておらず、ステンレス車の有効性を世に知らしめることとなった。京王3000系、営団01系、名古屋市交通局5000形などは、譲渡に際してVVVFインバータ制御への更新が行われている。2000年代以降では大阪市交通局(20系および新20系、66系、70系)や北大阪急行8000形(一部)、阪急電鉄(8000系および8300系)、北神急行7000系など、VVVFインバータ装置を更新(GTO→IGBTまたはSiC化等)した車両が登場している。 北陸鉄道7000系(元東急7000系) 東武8000系 阪神8000系 阪急7000系(VVVFリニューアル車)
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陳腐化への対処
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旧型客車は時代とともに変化し、後継車が登場すれば当然陳腐化する。終戦後以降、陳腐化に対処するための改造工事が行われた。
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陳腐化への対処
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 23:27 UTC 版)
特急形車両は車両の性質上、高速運転と快適性を要求されるため、時代とともに変化し、10数年も使用すれば陳腐化する。また、高速・長距離運転を行う性質上、老朽化を進行させやすい。陳腐化に対処するために大規模な車両リニューアルが行われた車両もあり、有料特急形車両ではJR東日本485系電車3000番台や近鉄30000系電車などが挙げられる。変わり種としては東武1700系電車は後継形式である1720系電車に比べて見劣りしていたため、1720系電車と同一の車体に乗せ換えた事例がある。料金不要特急形車両においては10数年ごとに新車を投入し、捻出した車両は前述のとおり一般車両への格下げする傾向があったが、こちらにおいても昨今では一貫して特急専用で使用する方針に転換しつつある。京阪電気鉄道では1900系以前の特急形車両は後継車両の登場につれて一般車格下げ改造を行っていたが、3000系(初代)以降の特急形車両は一貫して使用する方針に転換した。しかし3000系は後継車両である8000系に比べて見劣りが否めず、経年が若いながらも1編成を残して廃車となった。残った1編成は大規模なリニューアルを施し、2008年に8000系30番台に編入され、2013年まで使用された。後継車両である8000系は2008年から座席の一部をロングシート化・テレビの撤去などのリニューアルが行われ、2011年までに全車完了した。 その一方でJR東日本E351系電車や京成AE100形電車のように他用途に転用されたり大規模なリニューアルがされることなく経年が若いながらも廃車となる車両が現れている。 大規模なリニューアルが行われた485系3000番台
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