長期・短期を問わず有効とされる物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 17:50 UTC 版)
「サバイバル」の記事における「長期・短期を問わず有効とされる物」の解説
マッチ・ライター等の点火器具 火は熱と光を与えるため、夜の闇を照らし、冷えた体を温め、生のままでは食用に適さない動植物を食料に変え、汚水や海水などの飲用できない水を蒸留するために利用され、野生動物を避けさせて安全な寝床をもたらし、日中の煙や夜間の光で捜索隊から発見される確率を高めてくれる。その他、きちんと管理された火は見る者を安心させ、炎はささやかな娯楽を提供してくれる。 長期のサバイバルにおいては、有限の点火器具を長持ちさせるため、火を絶やさないように、かまどを作って火を保護する必要がある。また、晴天の日中には虫眼鏡、凹面鏡もしくは大量の鏡も有効となる。 ナイフ 刃物の類いは、すこぶる基本的な道具であるため、様々な局面で役立つ。手や爪や歯が役立たないほど丈夫な物を壊して移動経路を作るのに使える他、様々な道具を作るのに役立つ。ただし、この道具の設計・強度・構造を無視して、例えば切っ先で何かをこじ開けたり、柄頭をハンマー代わりにして何かを叩いたりするなどの、あまり無理な使い方はすべきでない。煉瓦やタイルの目地を壊して外部に脱出する際などは、高価なナイフなど使わずに、「安物」の出刃包丁の切っ先で目地を壊した方が安上がりだし理に適う。ただ、ナイフを使用する際は、怪我をしない・させないため細心の注意が不可欠である。特に厳しいサバイバル状況下では、十分な治療を受けにくく傷口が化膿・壊死するなど、小さな怪我も命取りになりかねない。そのため、これら刃物を日頃より研ぎ方も含めて扱い慣れておき、手に馴染ませておけば不慮の怪我を負う(負わせる)確率も下げることが出来る。刃物を持つ以上はメンテナンスが必要なので、できれば砥石に関する知識も日頃より一教養として身に付けておくと良い。なお日本国内における銃刀法・軽犯罪法、あるいは旅客機搭乗の際には手荷物に刃物の類が持ち込めないなど、法令や規則により刃物の所有・所持や携帯が制限される場合もあり、平時からサバイバル状況に備えてナイフを持つことは無理な場合もある。その一方、身の回りの物品を加工したり石器の作り方など、ナイフの代用品を自ら作り出す知識も、サバイバル状況において役立てられた事例も見られる。 布 布は遭難初期の頃は衣服等の形で幾らでも手に入るが、時間が経つにつれて清潔な布が入手しにくくなる。布は様々に加工して利用する事が可能であるため、比較的早い段階で確保しておくのが望ましい。しかし衣服は、脆弱な人体を保護する役目があり、寒い所では保温を、暑い所では暑さから身を守る断熱効果が期待できる。また直射日光や虫・植物のかぶれから皮膚を保護するのにも必要である。このため、着ている衣服を無闇に布地として切り裂いて用いるのは良くない。出来るだけ肌着などの柔らかい布を様々な用途に利用するようにして、上着などは服のまま使用すると良いとされている。負傷時の包帯や、止血の際には圧迫用のパッドとして、また骨折時には添え木を使って患部を固定するのに使用する。また体を衛生的に保って病気を防ぐのにも布は必要である。長期間の場合、不衛生な衣服を着用し続けることはノミやダニといった吸血虫の温床となるだけではなく、擦り傷・虫刺されなど小さな傷の化膿を招くため、定期的に洗って干し清潔にしておくのも大事である。夜間が氷点下となる寒冷な地域では、吸血虫駆除のため夜間に寒風に晒すということも行われる。 ポリタンク 非常時に水を運び、蓄えるのに役に立つ。同様の用途では、耐久性に劣るが、ビニール袋でも代用可能である。堀江謙一は最初の太平洋横断の際、水をビニール袋に詰めてヨットに搭載した。また防災用品の中には水運搬用のビニール袋も販売されている。その一方で長期では燃料の確保も重要であり、液体燃料の運搬や保管には、専用のタンクがあると便利であるが、この場合は信頼性の観点から、粗悪な製品を使うべきではないし、また危険であるため指定用途外の利用も避けたほうが良い。日本では灯油用ポリタンクでJIS規格をパスしたものに、日本ポリエチレンブロー製品工業会が灯油かん推奨認定ラベルを貼付している。なお灯油用タンクにガソリンを入れるのも危険で、ガソリンには専用金属製タンクを用いる。燃料の入ったタンクは、火気を避け遠ざけることが重要である。特にガソリンタンクは揮発したガソリンがタンクを破裂させないよう、外部に放出するようになっているため、ガソリンタンク周辺での喫煙を含む火気の取り扱いには十分注意が必要である。 靴 地震発生時等に革短靴やパンプスは不利である。釘やガラス等の踏み抜き事故を防ぐため底の丈夫なものを選ぶ。くるぶし・アキレス腱を負傷から守るためには足首まで覆うデザインが良い。サイズ合わせは慎重に、足が疲れるほどにきついものは良くないが、逆にゆるい長靴などは中に水がたまったりすると移動を困難にさせるため、良くフィットした歩きやすい靴が必要である。屋内でもガラスや食器の破片で怪我をする可能性がある事から、寝室に靴を用意することも防災の観点で勧められている。 合成皮革・化学繊維は熱や油脂類に弱いのが弱点。丈夫な皮革およびキャンバス地のハイキング・シューズなどが適する。冠水するほどの水害の際には、長靴よりもむしろ長ズボンにスニーカーの方が行動しやすく安全である。漂流物で怪我をすることがあるため、足が露出した服装で冠水時に移動は避けるべきである。
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