研ぎ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 07:13 UTC 版)
両刃の洋包丁の場合、刃の角度は20度から40度程度[要出典]であり、砥石に対する角度はその半分となる。刃の角度が鋭角であるほど切れ味は良くなるが、刃の耐久性は低下する。研ぐ際には包丁を持つ右手で刃が砥石に当たる角度を一定に保持することが重要である。左手は指先で研ぐ箇所を砥石に押さえつける。切っ先から根本にかけて押さえる場所をずらしつつ刃全体を満遍なく研いでいく。一方の面が十分に砥げた場合、刃を裏面から触ると返りが出ていることが確認できる。反対側の面からも同様に研いで、その後両面を少しづつ研いでいき、どちらの面にも返りが出ないようになれば研ぎは完了である。 片刃の和包丁の場合は鎬があるため角度は決めやすいが、漫然と研ぐと柔らかい地金の部分が減りやすいため角度が寝てしまいがちである。刃の鋼の部分を意識して研ぎ、それに合わせるように地金を研ぐようにすると良い。鋼と地金では砥石の上での抵抗が違うため、研がれている箇所は感触から判別できる。裏側はあまり研がず返りを取る程度にする。裏を研ぎすぎると鋼が薄くなり、包丁の寿命を縮めるため、注意しなければならない 砥石は粗さにより、荒砥、中砥、仕上げ砥に大別される。荒砥は欠けを取るなど大きな修正が必要な場合に使用され、中砥で基本的な研ぎを行い、より繊細な切れ味を得るためにはその後に仕上げ砥が使用される。合成砥石の場合、粒度の数値が大きいほどきめの細かいものになる。砥石は表面が平らであることが重要である。砥石は使用につれ中央の部分が減って凹みがちであるが、そのような状態では正しい刃の角度を得ることは難しい。凹んだ砥石は砥石同士を磨り合わせて平らに修正しなければならない。 洋包丁の手入れにはスチール棒 (en:Honing steel) が使用されることがあるが、これは刃先の微細な鋸歯を立て直して切れ味を回復させるものである。比較的柔らかい鋼材の包丁に有効で、刃先を数回こすりつけて研ぐように使用するが、砥石とは異なりあまり刃を削らない。セラミック製やダイヤモンドの粒子をコーティングしたものもあり、使用法は同様であるが、これらは伝統的なスチール棒とは作用がやや異なり、砥石と同様に刃を削るものである。
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