長期的な問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 09:52 UTC 版)
地球の自転は、短期的にはさまざまな予測困難な小さい揺らぎを示しつつ、長期的には、潮汐力を主要原因として減速傾向にあり、変化率は過去2700年間の平均で (+1.70±0.05) ms/cy、つまり、1ユリウス世紀ごとに、LODは1.7ミリ秒ほど長くなってきたとされる。この状態が続くと正の閏秒の挿入頻度は徐々に増加し、21世紀中には毎年1回ずつが当たり前になるかもしれない。今後の地球の自転の変動をどう推定するかによって予測時期は変わるが、恐らく22世紀 - 23世紀には年2回の閏秒も一般的になり、西暦3000年 - 4000年ごろには年12回の閏秒が必要になると考えられ、それを超えると現在の閏秒の方法では平均的に間に合わなくなってしまうし、常にUTCとUT1の差を±0.9秒以内に保つという目標も、遅くとも同時期(場合によってはより早期)には達成不可能になる。この問題について、いくつかの提案がなされている。 反対に、うるう秒を廃止した際の長期的な問題もあり、うるう秒がなくなることは、地球の自転に基づく時刻(天文時)と原子時計との同期が取れなくなるため、現在から100年経過すると原子時計のほうが15秒 - 70秒程度進むと考えられている。非常に長期的に見れば昼夜逆転の可能性もありうる。そのためうるう秒を廃止した場合も原子時計の時刻と天文時が同期されなくなり、時刻と昼夜の関係が崩れていく問題がある。
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