長期的な変光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 15:51 UTC 版)
「KIC 8462852」の記事における「長期的な変光」の解説
KIC 8462852には、不規則な一時的減光に加えて、より長いタイムスケールで平常光度の変化が起きていることが示されている。ルイジアナ州立大学の天文学者であるブラッド・シェイファーは、ハーバード大学に保管されている古い写真乾板のデジタルデータを分析した結果、KIC 8462852Aと思われる光が1890年から1989年までの期間におよそ20%減光していると主張した。これに対して、ドイツのアマチュア科学者Michael Hippkeとアメリカの科学者らからなるチームはシェイファーの研究は系統誤差を過少評価しているため本当に長期的減光が起きているかは疑わしいと批判した。2017年のHippkeらの研究では、1934年から1995年にかけてゾンネベルク天文台で記録された写真乾板を分析し、KIC 8462852に長期的な減光は見られないと結論付けた。 写真乾板の議論とは別に、2016年にベンジャミン・T・モンテとジョシュア・D・サイモンはケプラー宇宙望遠鏡の約4年間の観測データを分析し、KIC 8462852がこの期間中に3%減光したという結論を得た。減光率は一定ではなく、最初の1000日間は年間0.34%のペースだったが、次の200日間は減光率が大きくなり、最後の200日間は再び緩やかなものになった。2018年にサイモンらはASAS-SN(英語版)全天サーベイの分析を行い、KIC 8462852は2015年から年間0.6%のペースで減光を続けていると報告した。さらにASAS-SNの前身であるASASのデータを分析したところ、KIC 8462852は単調に減光しているのではなく、過去11年間に2回ほど増光に転じた期間があったことが示唆された。
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