光度の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/21 15:04 UTC 版)
さそり座U星は、反復周期だけでなく、増光現象の時間尺度もとても短いのが特徴である。増光が始まってから、半日足らずで光度極大を迎え、極大後3日と経たずに3等級以上暗くなる。反復新星は、主星が白色矮星の近接連星系と考えられているが、さそり座U星の増光期間の短さは、白色矮星の質量が大きいことを示唆しており、さそり座U星の主星は、チャンドラセカール限界に非常に近い質量を持つと推定される。 2010年の増光では、非常に密に観測が行われたので、光度曲線の複雑さが明らかになった。極大後の急速な減光の後、プラトーと呼ばれる減光がかなり緩やかな段階があり、更にもう一段階の減光とプラトー、それらとは別に細かな増光や減光が乗ってくる、といういくつもの成分がみられる。これらは、爆発後の星系の振る舞いを反映しており、光源となる領域の形状や大きさが時間とともに変化したことを示すと考えられる。 さそり座U星はまた、食連星でもあることがわかっている。主極小では、1.5等程度減光する。そのため、食の観測から軌道要素を求めたり、増光後の食の見え方から増光時に起こる現象を推測したりすることで、天体の詳細を知る手掛かりになる点で、とても重要である。
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