相対論的ビーミングによる検出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 14:53 UTC 版)
「太陽系外惑星の発見方法」の記事における「相対論的ビーミングによる検出」の解説
恒星が惑星の重力を受けると恒星はわずかに揺れ動く。ドップラー分光法では、この揺れを発見してその速度から惑星の軌道要素などを求めるが、この方法では揺れによる恒星の「光度」の変化を捉える。光源が観測者の方向に向かってくる場合、相対論的な効果によって光源の見かけの明るさが増大し、遠ざかる場合は逆に減少し、放射が恒星の移動方向に集中する効果があらわれることがある。この効果は相対論的ビーミング(英語: Relativistic beaming)と呼ばれている。恒星の揺れ動く速度は相対論的な速度に比べると遥かに遅いものの、相対論的ビーミングによる変動は検出可能であり、2003年にアメリカの天文学者Abraham Loeb(英語版)とScott Gaudiによって初めて惑星の発見方法として提案された。この手法ならばドップラー分光法と同様に、惑星の軌道離心率と下限質量を求める事が出来る。この手法はトランジット法と同様に、ホット・ジュピターのような公転周期の短い木星クラスの惑星が発見されやすい。ドップラー分光法とは異なり、高精度のスペクトルを必要とせず、また、トランジット法のように地球から見て惑星が恒星面を通過する必要もないので、他の方法では検出できない惑星を発見できる利点がある。 この方法の最大の短所は、光度の変化がとても小さいという事である。この方法では、恒星から0.025au(374万km)離れた木星クラスの惑星でさえ、ほとんど検出する事が出来ない。 2013年に、この手法で初めて太陽系外惑星が発見され、その惑星はケプラー76bと名付けられた。
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