装飾経とは? わかりやすく解説

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そうしょく‐きょう〔サウシヨクキヤウ〕【装飾経】

読み方:そうしょくきょう

《「そうしょくぎょう」とも》料紙などに意匠をこらし、美しく装飾した写経平安中期から鎌倉時代盛行し扇面法華経平家納経などが有名。


装飾経

読み方:ソウショクキョウ(soushokukyou)

料紙経文、軸などに装飾こらした経巻


そうしょくきょう 【装飾経】


装飾経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 14:53 UTC 版)

装飾経(そうしょくきょう、そうしょくぎょう)は、表紙・見返し・本文料紙りょうし[3]・本文(経文)・軸首などに意匠を凝らして美しく装飾した仏教の経巻[4][5][6][7][8][9][10][注 1]写経と版経[注 2]の別なく見られ、東アジア古代から現代まで作られている[4]荘厳経(しょうごんきょう)ともいう[10]


注釈

  1. ^ 経巻(きょうかん)とは、経文を記した巻物[11]
  2. ^ 版経(はんぎょう)とは、印刷された仏典[12]
  3. ^ 種々の色に染めた紙[13]。日本では奈良時代に高度な発達を遂げており[13]正倉院文書には約40種もの紙名が見られる[13]
  4. ^ 現在は『中尊寺経』の大部分が高野山金剛峯寺が所蔵している。
  5. ^ 巻第六十一が大東急記念文庫、巻第六十二が藤田美術館、巻第六十三が国立歴史民俗博物館、巻第六十四が五島美術館、巻第六十五が個人、巻第七十が奈良国立博物館の所蔵となっている。
  6. ^ 巻第五の断簡5紙と巻第六の断簡2紙を甲巻、巻第二十の断簡9紙と巻第二十三の断簡1紙を乙巻とする。

出典

  1. ^ a b 妙法蓮華経 授記品”. 公式ウェブサイト. MOA美術館. 2020年6月1日閲覧。
  2. ^ 紙本著色扇面法華経冊子〈巻第八/(二十二面)〉 - 文化遺産オンライン文化庁
  3. ^ 料紙”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  4. ^ a b c 日立デジタル平凡社世界大百科事典』第2版. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  5. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  6. ^ 小学館『デジタル大辞泉』. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  7. ^ 三省堂大辞林』第3版. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  8. ^ 平凡社百科事典マイペディア』. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  9. ^ 島谷弘幸、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  10. ^ a b 『山川 日本史小辞典 改訂新版』 2016, 「装飾経」
  11. ^ 経巻”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  12. ^ 版経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  13. ^ a b c 染紙”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  14. ^ 扇面写経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  15. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “装飾経”. コトバンク. 2020年6月1日閲覧。
  16. ^ 華厳経 巻第七十 - 文化遺産オンライン文化庁
  17. ^ 収蔵品データベース 華厳経甲巻(二月堂焼経)”. 奈良国立博物館. 2020年6月19日閲覧。
  18. ^ 華厳経 巻第五十二残巻(二月堂焼経) - 文化遺産オンライン文化庁
  19. ^ a b illuminated”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年6月1日閲覧。


「装飾経」の続きの解説一覧

装飾経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:39 UTC 版)

院政期文化」の記事における「装飾経」の解説

院政期には、浄土教広がり末法思想影響によって人びと極楽往生願い善美尽くした装飾経が競って作成された。この時代代表作として、大治元年1126年)に藤原清衡発願して作成した紺紙金銀一切経』や平氏一門厳島神社奉納した平家納経』がある。 「扇面古写経」(扇面法華経冊子)は、12世紀末葉流行した装飾経のひとつで、自然や風俗えがいた扇形紙面扇面料紙)に法華経写したのである大阪市四天王寺東京国立博物館などに所蔵されている。中央おりたたみ扇形半分表紙前後につけられている。その下絵には京都における民衆の生活が大和絵の手法によって生き生き描き出されている。 『平家納経』は、長寛2年1164年)、平清盛重盛らが平氏一族繁栄願って安芸厳島神社奉納した33巻の装飾経である。一族分担して奉納し各巻とも水晶金銀透彫りの金具ほどこした軸首や金銀砂子(すなご)・切箔(きりはく)などを多用した料紙、あるいはまた紐などに当時工芸技術伝えている。また、金銀彩色され表紙見返しには唐絵大和絵の手法によって装飾画が描かれている。経典内訳は『法華経30巻、『阿弥陀経1巻、『般若心経1巻平清盛自筆願文1巻であり、さらに経箱唐櫃をともなう。平氏貴族的一面をあらわす遺物であるとの評価もある。 『紺紙金銀一切経紺紙金銀字交書一切経)』は、紺紙に銀で罫線を引き、金泥銀泥一行ごとに交互に経文書いた装飾経である。藤原清衡発願によって書写された「中尊寺経」と呼ばれる経巻のひとつで、永久5年1117年)より8年かけて完成した見返しには金銀泥で釈迦説法図や経意を表している。「一切経」とは仏教における全経典(大蔵経)を意味しており、もとは5,300前後にもおよんだ考えられるが、その多く安土桃山時代高野山移り、現在では15巻のみが中尊寺に、4,296巻が高野山金剛峯寺それぞれ伝わっている。 『久能寺経』は現存最古一品経法華経二十八品を一巻毎に書写したもの)。静岡市久能寺(現在は鉄舟寺)に伝来したもので、久能寺所有しているものは東京国立博物館寄託してある。永治2年1142年待賢門院出家に際して鳥羽法皇美福門院をはじめ、近臣女房らが加わった逆修供養のために結縁書写された。元は法華経二十八品に開教結経加えた三十巻か、或いは更に『阿弥陀経』『般若心経』を加えた三十二巻本だったと想定される鉄舟寺にはそのうち17巻伝わっており、他に五島美術館2巻重文)、東京国立博物館3巻重文)、個人4巻国宝[1])の計26巻が現存している。鉄舟寺所蔵品員数19巻だが、そのうち陀羅尼第二十六普賢菩薩勧発品第二十八2巻は補配本見なされる

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「装飾経」を含む「院政期文化」の記事については、「院政期文化」の概要を参照ください。

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