発車標・駅の案内表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:12 UTC 版)
「近畿日本鉄道」の記事における「発車標・駅の案内表示」の解説
ホームに設置されている発車標(列車発着案内表示器)のタイプに関しては、1980年頃までは行灯式や字幕式、それ以降2000年頃まで設置されたものは反転フラップ式(ソラリー式)が主流であった。しかし一部の主要駅では発光ダイオード (LED) や液晶ディスプレイ (LCD) タイプのものに交換され、さらに奈良線系統においては2009年3月の阪神なんば線開通に伴い、表示する情報量が格段に増えることなどからLCDタイプのものへの交換が一部の駅を除いて行われた。このLCDタイプは奈良線以外では大阪阿部野橋駅や桃山御陵前駅を皮切りに主要駅を中心に順次設置されている。なお都心部やその近郊区間での下位種別しか停車しない駅などではほとんどが列車の通過到着を知らせるだけのLED一段タイプのものであるほか、閑散区間の駅や支線の駅に至っては全く設置されていない場合がほとんどである。このほか、生駒ケーブルなどでは昔ながらの行灯式が現在でも使用されている。なお、字幕式の発車標は河内長野駅での2020年1月30日の使用終了をもって全て姿を消した。 また、近鉄特有のものとして、主にターミナル駅のホーム階段付近やコンコース、改札などに設置されている各方面別の発車案内を表示するブラウン管式や液晶式の表示装置が存在する。早い所では1970年代から設置されていたもので、長らくブラウン管タイプが使用されていたが、最近になって大半が液晶式に交換されている。また、この液晶式表示装置はダイヤの乱れなどが発生した時に、運行情報を表示する機能も導入されている。このほか、一部の主要駅では列車運行情報専用(平常運転時は旅客案内用)の液晶ディスプレイが設置されている。 発車標は、全列車を表示するもののほかに、大阪難波駅や近鉄名古屋駅などでは特急のみ表示するものも設置されている。また、特急停車駅ではホームに乗車位置の案内表示器が設置されており、発車標と同様にソラリー、LED、LCDが混在する。さらに、各方式で号車番号のみ表示するもの、発車時刻の「分」と号車番号を表示するもの、発車時刻・行先・号車番号を表示するものがある。なお、発車標での特急の表示は2013年のダイヤ変更まで一部の駅を除いて使用車種にかかわらず「特急」のみであったが、このダイヤ変更以降は全ての駅でしまかぜ・アーバンライナー・伊勢志摩ライナー・さくらライナー・青の交響曲に限り使用車種の名称が併記されるようになった。 発車標をはじめ、方向幕・駅名標などにおける、固有名詞のローマ字表記については、近年大手私鉄各社で小文字を利用した表記方法(例:「Ōsaka」「Kyōto」「Nagoya」など)が広がる中、南海電気鉄道と同様に、すべて大文字表記(例:「ŌSAKA-NAMBA」「KINTETSU-NARA」など)の、鉄道掲示規程に準じた表記方法となっていた が、これは2015年8月より実施の駅ナンバリング導入に際し小文字混じりの表記に一斉に切り換えられた。なお、2000年代以降に設置された案内サインの多くには、日本語・英語のほかに簡体字およびハングルでの案内が印字されており、また2009年以降近鉄奈良線を皮切りに更新された案内板・駅名標からユニバーサルデザインのピクトグラムや、イワタとパナソニック(松下電器産業)が共同開発 したユニバーサルデザイン対応フォント「イワタUDゴシック」が採用されている。2015年8月から2016年4月にかけて駅ナンバリングの導入、及び主要駅の案内サインや行先表示装置、駅・車内放送における多言語対応の充実に伴い、再度駅の案内板のリニューアルが行われ、シンプルでかつ文字サイズが幾分大きめになったデザインに変更されている。また、LCDタイプの発車標では、英語表記を小さいフォントで日本語の下に配置していたもの(鶴橋駅の画像を参照)から、主要駅27駅においては『日本語』と『英語(頭文字のみ大文字、以下小文字。駅ナンバリング込み)』とを交互表示させるものになった。ただし、主要駅以外では従来の表示形式のままである。 反転式表示式(高田市駅) 液晶ディスプレイ式(鶴橋駅、駅ナンバリング導入前、大阪難波駅の駅名改称前時点での表示) LED式(古市駅、同駅では現在LCD式を使用) ブラウン管式(大和八木駅、同駅では現在薄型LCD式を使用) 字幕式(河内長野駅、同駅では現在LCD式を使用) 行灯式(湯の山温泉駅、現在は撤去済) 方面を示す看板は、基本的に前述の「旧国名・会社略称を冠した駅名の扱い」に記した案内放送、方向幕、発車標の通り、旧国名を冠した駅名は旧国名を冠し、「近鉄」を冠した駅名は「近鉄」を省略して表記を行い、途中で乗り換えることで行くことができる駅も表記している(日本語・英語ともに)。2015年ごろからは路線記号とラインカラーを組み合わせたものとなっている(公式英語サイト内の"Boarding a Train: Confirming the train type and platform"に記載)。広大な鉄道網を有するだけあり、駅によっては地区名もしくは都市名で示す場合もある。大阪地区においては山田線・鳥羽線・志摩線の各駅を示す意味で「伊勢志摩方面」の地区表記を用い、名古屋地区や伊勢志摩地区においては大阪上本町駅・大阪難波駅・阪神電鉄の神戸三宮駅を示す意味で「大阪・神戸方面」の都市表記を用いる。
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