機関誌『コミューン』
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「革命作家芸術家協会」の記事における「機関誌『コミューン』」の解説
革命作家芸術家協会結成の翌1933年7月に創刊された機関誌『コミューン』は、バルビュス、ヴァイヤン=クーチュリエ、アンドレ・ジッド、ロマン・ロランが編集委員、ポール・ニザンとルイ・アラゴンが編集事務局を務めた。1934年8月の第一回ソビエト連邦作家大会の後に、ソビエト連邦作家同盟会長のゴーリキーが編集委員として参加し、9月にヴラジーミル・ポズネル、ピエール・ユニック、ジェラール・セルヴェーズが編集事務局に参加した。 『コミューン』誌は、1933年7月の創刊号に以下の方針を掲げた。 『コミューン』誌は、革命作家芸術家協会が推進する闘いについて公表する。同誌は闘いのための雑誌である。 『コミューン』誌は、ファシズムに向かって進んでいる現在の文化から生じた混乱に直面して、唯一の革命はプロレタリア革命であると主張する。 『コミューン』誌は、フランスの右派であれ左派であれファシズムに向かって歩み始めたら、帝国主義が戦争のための理論武装を始めたら、ソビエト連邦が武装闘争を始めたら、これに対して闘う。 『コミューン』誌は、ブルジョワ文化とあらゆるブルジョワ宣伝の死の要素を糾弾する。 『コミューン』誌は、革命文化の生の要素について理解を促す。 さらに同年11月号には以下の宣言を掲載した。 革命作家芸術家協会は、文化において、プロレタリアの大衆と連携し、ファシズムと戦争の原因である、衰退しつつある資本主義による、あらゆる思想の退化に対する闘いを挑む。 ファシズムが推奨するスピリチュアリズム(精神主義、唯心論)の概念(精神性を優先すること、人格主義など)に反対する。これは、個人の隷属を覆い隠そうとする思想である。 資本の独裁制を覆い隠すことを目的とする権威主義的・宗教的概念に反対する。 現代社会の混乱に対する責任を回避し、これをマルクス主義のせいにしようとするような民衆扇動に反対する。 若者たちに新しい世界を約束しながら、実際には悲惨さ(貧困)、軍隊化、戦場での死のみをもたらす、若者たちの救済者を偽称する者たちに反対する。 革命作家芸術家協会は、労働者階級の解放の武器であるマルクス主義を支持することの必然性を主張する。 『コミューン』誌の主な寄稿者を以下に示す(国名が記されていない場合はフランス)。記事を掲載した者だけでなく、「誰のために書くか」などのアンケート特集に回答を寄せた者を含む。また、革命作家芸術家協会の会員以外の者も含む。 アンリ=ジョルジュ・アダム(フランス語版)(版画家、彫刻家) ピエール・アルベール=ビロ(フランス語版) ラファエル・アルベルティ(詩人、彫刻家、画家) ルイ・アラゴン(作家) マクス・アウブ(スペインの作家) W・H・オーデン(イギリスの作家) ガブリエル・オーディジオ(フランス語版)(作家) ジョルジュ・オーリック(作曲家) クロード・アヴリーヌ(作家) マルセル・エイメ(作家) イサーク・バーベリ(ロシアの作家) ジャン・バビー(フランス語版)(歴史学者、政治活動家) テオドール・バルク(ドイツ語版)(ドイツの医師、ジャーナリスト、作家) アンリ・バルビュス(作家) エルサ・バルレーヌ(フランス語版)(作曲家) ジャン・ボーフレ(哲学者) ヨハネス・R・ベッヒャー(ドイツの作家) ジュリアン・バンダ(作家、哲学者、評論家) エドヴァルド・ベネシュ(チェコスロバキアの政治家) クリスチャン・ベラール(フランス語版)(画家) マルク・ベルナール(フランス語版)(作家) アントニオ・ベルニ(スペイン語版)(アルゼンチンの画家) ジョルジュ・ベッソン(フランス語版)(美術評論家) オト・ビハリ=メリン(英語版)(セルビア、ユーゴスラビアの作家、美術評論家、画家) アンドレ・ビリー(フランス語版)(作家) ジャック=エミール・ブランシュ(画家) オーギュスト・ブランキ、1881年死去なので、明らかに論文などの紹介 ジャン=リシャール・ブロック(作家、ジャーナリスト、文芸評論家) ニコライ・ブハーリン(ソ連の政治家) シャルル・ブレバン(フランス語版)(作家) ベルトルト・ブレヒト(ドイツの作家) ヴィリー・ブレーデル(ドイツ語版)(ドイツの作家) ジャン・ブリュア(フランス語版)(歴史学者) レイモン・ビュシェール(フランス語版)(俳優) クロード・カーアン(フランス語版)(歴史学者) クロード・カーアン(写真家、作家) カレル・チャペック(チェコスロバキアの作家) ジャン・カルリュ(グラフィックデザイナー) 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