服飾の変遷とは? わかりやすく解説

服飾の変遷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 17:42 UTC 版)

服飾」の記事における「服飾の変遷」の解説

服飾地域立場等によって異なるだけでなく、変化していく。小川安朗その変遷原則次の20項目にまとめている。 環境順応 - 服飾自然環境気候等)や社会環境政治体制経済状態宗教・戦争有無等)に順応したものになる内因優越 - 自然環境社会環境(特に規制等)による外因性変化の力と、快適性新奇性美しさ奢侈等を求め内因性の変化の力は、しばしば対立し長期的に内因性の変化優越する長期的に禁令破られることや、制服簡略化する等)。 優勢支配 - 服飾文化発達程度が高い集団から低い集団に伝播する古代日本における隋・唐服飾制度移入等)。一方で政治的に優勢となった新興集団は、伝統的集団服飾打倒するゲルマン民族の大移動によるローマ風の服飾から現在の洋服祖型への変化サン・キュロット等の革命における服飾変化等)。 模倣流動 - 新形式や改変され形式服飾模倣によって伝播普及流動)し、旧来の形式を置き換える模倣には上位優勢にある集団模倣機能面着目した模倣過去の形式リバイバル集団心理による追随的な模倣創意加味し創造的な模倣等がある。同一集団内で特定の形式伝承される場合がある一方で特定の形式一時的に模倣され広がる流行もある。集団内の流行は、雑誌テレビなどメディアによって増幅される流行した服飾普及し固定すると、社会的強制力を持つ風俗・慣習となる。 漸変慣化 - 意識的に強制をしなくても服飾は漸変する。また、人間慣れによって漸変は容易に受け容れられる(スカートがだんだん短くなってミニスカート一般的となった等)。人為的な急変刺激が強すぎるため社会定着しにくい。 逆行変化 - 複雑化簡素化重層化・軽装化、肥大縮小等の逆方向変化交互に繰り返される実用的な服飾は、権威をあらわす等のために装飾増え重くなり、形式化し、礼装へとなる。形式的装飾的な服飾は、窮屈なため簡易的になり軽装化する。 競進反転 - 特徴的な形態流行しはじめると、集団内の競争により、その形態の変化急激に進行し極端な形に至る(下襲クリノリン等の長大化、コルセット端化、露出薄着端化等)。形態の変化極点に至ると時に不経済あるいは不健康不衛生な状態にもなり、批判起き流行反転する。その形態伝統的服飾として温存されたり、もとの形式復帰退化したり、別の形態転換したり、あるいは単に消滅する表衣脱皮 - 表衣なくなり下着だったものが表衣化する十二単から小袖への移行背広下着だったワイシャツ表衣になる等)。 形式昇格 - 簡素な服飾複雑化し、常用服飾礼装となり、庶民服飾貴族取り入れられる庶民服飾であった直垂武家礼装化、古代ローマにおけるダルマティカ正装化等)。 格式低下 - 礼装簡略化されたり上流階級服飾下位人々着用することで格式失われる高位者のみに許された色・地質庶民にも用いられるうになる等)。 系列分化 - 長く使われる形式がだんだん細分化される。同系列でより簡略なものが生まれたり(直垂からの大紋素襖分化)、使用者階級毎に分化したり、用途別分化したりする(さまざまなコート等)。 不用退化 - はじめは実用的な機能のあったものが不要になる退化し、単に装飾として残ったり、省略され消滅したりする(背広の袖のボタンラペル切り込み等)。 無縁類同 - 隔絶した無縁地域時代において、自然環境文化水準類似、あるいは人間人体構造普遍的心理により、よく似た服飾発生する下襲トレーンチョピン高下駄チャードルはんこたんな等)。 性別対立 - 形状色彩によって性差表現されるが、平和で富裕な時代、あるいは上流貴族の間では性差対立大きく戦乱下や困窮した時代また下庶民の間では対立小さ傾向がある。その一方で服飾流行、また機能的な理由から、男装女性が、あるいは女装男性借用する性別転換もしばしば起きる。また性別対立利用した異性装行われる融合消化 - 在来服飾外来要素取り込まれ融合在来要素外来要素がほぼ対等に混合する十字軍遠征影響によるブリオー変化等)、消化外来要素解体され在来服飾新形発生促す南蛮文化影響受けた軽衫普及等)、混成それぞれの形式そのまま混ぜて着られる羽織袴山高帽服装等)したり、あるいは併存洋服和服併存等)する。 停滞残存 - 山間部離島部など文化流入少な地域には昔からの服飾が残ることがある洋服現代服飾主流とするならば、各地民族服全て停滞残存の例と解釈し得る。 孤立爛熟 - 孤立しかつ安定した環境下で、特定の形式独自に発展し爛熟する(クレタ文明服飾江戸時代の日本服飾等)。 不変定着 - 服飾流動の中で数十年から数百年の間、服飾がほとんど変化せず風俗として定着することがある各地民族服等)。 礎型復帰 - 人体構造生理、また人間の心理適応した基本的な服飾形式(礎型)に反復的に復帰する国際同化 - 交通・通信発達により国際的な交流活発になると、全世界的な服飾共通化が起こる。

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「服飾の変遷」を含む「服飾」の記事については、「服飾」の概要を参照ください。

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