服飾と武器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:45 UTC 版)
グアンチェ族の衣服については、ヤギ皮革製のものや、Tamarcosと呼ばれる植物の繊維を織った生地からなるものがテネリフェ島の墓地で発見されている。木材・骨材・貝殻などで作られた装身具や首飾りもあり、様々なデザインがみられる。土器製ビーズは円筒状はじめ多様な形状のものが広く用いられており、いずれも表面は滑らかに磨き上げられ、多くは黒か赤色である。Dr. René Verneauはカスティーリャ人たちがpintaderasと呼んでいたものと推定される土器製の海獣型の道具を発見しており、これは様々な色のボディペインティングを行うための塗料入れであったと考えられる。この道具は粗略な作りの陶器で、多くは全く装飾がないか、爪で筋目を付けた程度の模様があるに留まっている。 グアンチェ族の武器ははじめ島内で入手出来る自然素材(木材、骨材、黒曜石、一次資材としての石材など)に留まっていたが、地中海世界との交流が行われるにつれヨーロッパの武器も流入した。基本的な武器には長さ1-2m程度のジャベリン(テネリフェではBanotと呼んだ)、球状に磨いた石、槍、棍棒(これはグラン・カナリア島とテネリフェ島に多く、Magadoまたは古王の名を取りSuntaと呼んだ)、楯類(テネリフェ島では小型のもの、グラン・カナリア島では人の背丈程のものが多く、Tarjaと呼ばれた。材はリュウケツジュが用いられ、幾何学模様が描かれていた)があった。ヨーロッパ人が到来するようになると、グラン・カナリア島のグアンチェ族のうち位の高い者はMagidoと呼ばれる大型の木剣(ヨーロッパの両手剣よりも大型)を装備していることが知られるようになった。この木剣は白兵戦や騎馬隊相手の戦闘で威力を発揮したという。木製武器は火を用いて堅く加工されていた。またこれらに併せて、Tabonaと呼ばれる黒曜石のナイフも用いられた。 住居には山地の天然ないし人工の洞窟が用いられた。居住に適した洞窟がない場合には、円形の小屋を建て——カスティーリャ人の記述によれば——簡素ではあるが要塞化も行っていたという。 グアンチェ語によるカナリア諸島の島名スペイン語グアンチェ語Tenerife Achinech Achineche Asensen La Gomera Gomera Gomahara. La Palma Benahoare El Hierro Eseró Heró Gran Canaria Tamaran Lanzarote Titerogakaet Titeroigatra Fuerteventura Maxorata Erbania Erbani
※この「服飾と武器」の解説は、「グアンチェ族」の解説の一部です。
「服飾と武器」を含む「グアンチェ族」の記事については、「グアンチェ族」の概要を参照ください。
- 服飾と武器のページへのリンク