にっしん‐がく【日震学】
日震学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/13 17:51 UTC 版)
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日震学(にっしんがく、英語:helioseismology)とは、太陽の振動や波動現象(日震)に関する研究、特に太陽表面での波動現象の観測をもとに、インバージョンなどの手法による太陽内部構造の推定を目的とする学問分野である。
日震学の始まりは、1960年代初頭にロバート・B・レイトンらが、5分振動を発見したことによる。レイトンらは、太陽表面の速度場の時間変動を調べていて、約5分の周期で変動する振動成分を発見したのである。
1970年代には、太陽で音波的な固有振動モードが励起されていると考えれば、5分振動が説明できることがわかった。太陽の固有振動が観測できるなら、その振動数を測定することができる。固有振動数は太陽の構造によって決まるので、固有振動数を精密に測ってやれば、インバージョンなどによってその内部構造を推定することができることになる。こうした内部構造探査は1980年代後半から急速に進み、当時の太陽標準モデルが概ね正確であることや、太陽の対流層の差動回転の様子などもわかるようになった。
その後、1990年代後半から局所的日震学と呼ばれる手法が進展した。局所的日震学では、固有振動数を測定する代わりに、太陽表面の2点間を波が伝わる時間の測定などから、活動領域直下の構造など、局所的な内部探査を行なうことを目的としている。
関連項目
外部リンク
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日震学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:01 UTC 版)
詳細は「日震学」を参照 太陽内部では乱流的対流とともに音波的波動(太陽の固有振動)が存在し、この2つが表面の運動速度場を決定している。太陽光、特に吸収線のドップラー効果から、光球表面の各部分についてこれを知ることができる。これは1960年にアメリカのロバート・レイトンらが粒状斑を観察する中で発見したもので、「5分振動」と呼ばれる。これは当初、太陽大気の局在が原因と思われたが、1970年代にpモードと呼ばれる太陽が持つ固有の振動が原因と判明した。太陽光球上で非常に目立つ5分振動は、量子力学で扱われる球面調和関数で記述できる、量子数が異なる様々な音波の固有振動が重なり合った結果だった。この理論は可視光で観察不能な太陽内部を調査できるために注目され、また地球内部を地震波で調査する手段と基本的に同じであるため、「日震学」(helioseismology) と呼ばれる。 日震学は、対流層の深さを明らかにした。外部から対流を観察するだけでは不明瞭だった対流の深さが固有振動の分析で判明し、それまで考えられていたよりも対流層は厚かった。また、音波が伝わる速度が温度に依存する点から、太陽内部の温度分布が計算可能となった。これは、後述する「太陽ニュートリノ問題」が解決される前に提示された中心温度への疑問に対し、計算値は標準太陽モデルに近いことを示した。さらに太陽内部の自転速度分析にも回答を与え、表面のような差動回転は内部には大きく見られないことが解明された。
※この「日震学」の解説は、「太陽」の解説の一部です。
「日震学」を含む「太陽」の記事については、「太陽」の概要を参照ください。
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