教派神道と在野の神道思想とは? わかりやすく解説

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教派神道と在野の神道思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 04:39 UTC 版)

神道の歴史」の記事における「教派神道と在野の神道思想」の解説

このように神道思想表明放棄して神道精神空白化を行なった国家神道体制に対して在野神職神道思想家からは非難上がり中には独自の神道思想打ち出したり、民間神道教団を作ってこれに対峙ていった者たちもいた。 そういった集団の中で特に大きな勢力持ったのは、教派神道13派である。この13派とは、一般的には黒住教神道修成派出雲大社教扶桑教実行教神習教神道大成教御嶽教神道大教禊教神理教金光教天理教を指す。もともとは神宮教含まれたが、のちに神宮奉斎会へと改組して教派神道からは離脱している。これらの教団は、近世神道思想民衆信仰基盤にして幕末期胎動しはじめ明治時代の宗教行政の中で発展していったものである1875年明治8年)に教部省教導職廃止されて、上述通り国家神道神道宗教論基づいて宗教的側面切り離すようになった神職による教化活動禁じられるうになると、これらの神道系教団神道教化側面を担う勢力として急速に組織化され神道事務局のもと教派神道として順次独立公認されていき、最終的に13派が公認受けたのである。 特に、天理教明治中期から急速に勢力伸ばし教派神道の中で最も大きな信者数獲得する教派となった天理教は、教祖中山みき1838年天保9年)に神懸かり受けたことから端を発し、みきが神懸かりによって得た天理王」という神の言葉を『おふでさき』と呼ばれる和歌形式文章によって筆記し、その教理形成したその内容は、「陽気暮らし」を説き夫婦関係性重視するものであり、家や祖霊信仰については重視をしない立場取っている。そしてその創世神話においては、「月日親神」が泥海中にいた人の顔を持つである「いざなぎ」と巳である「いざなみ」に夫婦営み教えその結果人間生じ、さらにいざなぎいざなみを含む十の神にそれぞれ人間守護割り当てた、という古事記日本書記とは大きく異な独特な神話形成したまた、大本出現も重要である。大本は、1892年明治25年)に教祖出口なお神懸かりきっかけ艮の金神言葉語り始め、さらにお筆先によりその言葉筆録始めたことに端を発する。なおは1898年明治31年)に聖師出口王仁三郎出会い2年後には王仁三郎がなおの婿養子入り共同活動を行うようになる。なおのお筆先王仁三郎霊術組み合わせた大本体制整った海軍機関学校浅野和三郎入信し以来知識層軍人入信も相次ぎ教勢が急拡大していったことで、社会問題ともなった大本教え神人一致説くもので、神はこの世一切創造した存在であり、この世一切のものには神の普遍的な霊が宿っているとした上で人間は神が創造したすべてのものの霊長であり、神の願う理想世界実践していくために神から絶大な知恵と力を授けられているとし、人は神の心腹の底から理解し神の力を受け、神と人とが一体となって人類理想の世界築いていくべきであるというものである大本は、後世神道系教団与えた影響極めて大きく、「大本系」と呼ばれる一連の新宗教運動を生み、生長の家形成にも影響与えた教派神道教え全体的な特徴として、伝統的な神祇信仰踏まえつつ、それぞれの教派主神を置く場合多くまじない神占いなどの伝統的な儀礼用いて布教行っていった。教派神道国家から公認され存在ではあったが、独自の教え説き広げて多く信者数獲得していったことから、しばしば国家からの弾圧にもあった。天理教は、内務省の「秘密訓令」により攻撃を受け、儀礼などの変更余儀なくされた。大本も、信者数拡大警戒感抱いた政府当局により第一次第二次二度にわたる弾圧を受け、本部施設破壊、全組織解体、全幹部拘束などが行われた。 また、教派神道その他の神道系教団とは異なり個人思想活動行なった神道思想家多数いた。神道家川面凡児は、内務省神道政策批判して、禊を中心とした神道精神復古力説し万教帰一神即一神に基づく独自の神道思想打ち出したまた、川面影響受けた今泉定助は、宣長以来実証的な神道研究行いつつ、川面入門し宗教的な行法体得し、独自の神道思想表明した。その思想は、神と人間は本来一体であり、祓えを行うことによって心身清め統一主宰である直霊神自己に発顕し神人合一境地実現することが、宇宙真理であるというものである今泉政府神社行政軍部戦争方針批判し政治家に対して戦争止めるよう講演をするなどしたため戦時中には著作講演録が発禁処分となった

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「教派神道と在野の神道思想」を含む「神道の歴史」の記事については、「神道の歴史」の概要を参照ください。

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