艮の金神とは? わかりやすく解説

大本神諭

(艮の金神 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 15:03 UTC 版)

大本神諭(おおもとしんゆ)は新宗教大本教典お筆先とも呼ばれる。


  1. ^ 『大本神諭』明治25年旧正月[7]〔 三ぜん世界一度に開く梅の花、艮の金神の世に成りたぞよ。梅で開いて松で治める、神国の世になりたぞよ。日本は神道、神が構はな行けぬ国であるぞよ。外国は獣類の世、強いもの勝ちの、悪魔ばかりの国であるぞよ。日本も獣の世になりて居るぞよ。外国人にばかされて、尻の毛まで抜かれて居りても、未だ眼が覚めん暗がりの世になりて居るぞよ。是では、国は立ちては行かんから、神が表に現はれて、三千世界の立替へ立直しを致すぞよ。〕
  2. ^ 『大本神諭』明治33年4月7日〔 艮の金神は、この世を始めた神なれど、あまり我が強うて、丑寅へ三千年と五十年押し込められており、蔭から構うておりたが、蔭からの守護はそれだけのこと、神の威徳はチットも人民に判らんから、表に現れて神の威勢の光を出して、世界を救けるぞよ。〕
  3. ^ 大本神諭摘録[22] この神諭は教祖の肉の宮を通して書かれた御筆先に、教祖の女房役であると神定された出口瑞月先生が、漢字を當てはめられたものであります。發表せられたものは實に一万餘冊中の一少部分に過ぎません。(以下略)
  4. ^ 凡例[29] ▲本篇に収録したる神歌三篇は、何れも裏の神諭として取扱ふべき性質のものであります。それぞれ瑞の御靈がお懸りなり、トツサの間に完結されたもので、普通の文藝的性質の作とは全然選を異にするはいふまでもありませぬ。
  5. ^ 解説[31] 皇道大本には二様の神諭がある。教祖出口直子刀自が明治二十五年正月から大正七年十一月その帰幽昇天までに出されたのが一つで、これは主として國祖國常立尊が教祖の肉体に神懸りせられ、其手を器械的に動かし筆録せしめられたものである。他の一つは教主出口王仁三郎先生が明治三十二年舊五月を以て教祖と結合せれてから十有餘年に亘りて出されたもので、これは主として豊雲野尊及其系統の神々の神懸りの産物である。同時に二様の神諭が出るので、部内では區別の爲めに前者を『表之神諭』、後者を『裏之神諭』と稱えて居るが、教祖帰幽後モーその必要が無いので、現在教主の手から出るものを単に『神諭』と稱して居る。
     本篇は右『裏之神諭』中から、主に教訓的要素に富める部分を抜萃編纂したもので、明治三十四五年の執筆にかかるものが多い。實は『裏之神諭』は総計五百巻にも上がる浩瀚のものであつたので、内容は教訓、豫言、教理等各方面に亘り、『表之神諭』に比して直裁露骨を極めて居る。今日若し全部保存されたならば、一面に於て絶好の指針であつたと同時に、他面に於ては世人の物議の種になったかも知れぬ。それは兎に角大本役員中に教主反對者が現はれ、其大部分は先年皆焼き棄てられて了つた。今日現存するものは僅々十幾冊に過ぎぬが、それでも数千頁の大冊を成す丈の分量がある。『表之神諭』を繙きて望洋の歎に堪へない者は畏らく『裏之神諭』によりて多大の満足と理解とを得らるゝ事であらうと思ふ。本篇はその第一輯で、本會は今後機會を見て第二輯以下を刊行し、大本研究者の便宜を圖る積りである。 大正八年六月下旬 編者誌 
  6. ^ 〔 早晩日米戦ハ開カレル。日本ハ如何ニ防禦スルモ一時敗軍シ尼港以上ノ惨状ヲ呈シ、東京ハ勿論大阪等ノ大都市ハ何レモ焼野原トナリ、天皇陛下ハ綾部ニ遁レ給フ事トナリ、約四十ヶ月ハ米国ノ政治ノ下ニ吾人等ハ支配セラルゝコトゝトナル。其時出口大先生ガ言霊ヲ奏上セラレ、米軍ヲ追イ退ケ、始メテ日本ガ世界ヲ統一スルコトトナル。オ筆先ノ梅デ開テ松デ治メルトアルハ此ノ事デアル[57]。〕
  7. ^ 大本教の神示に就いては貴家と最も深き因縁これある様、故教祖より毎日聞き及び居り候得者、何れ、機熟する時は、閣下の御世話に頼らねば成らぬ事之有り候に付き、向後宣敷く御願い申上げ奉り候[68](以下略)
  8. ^ 『大本神諭』明治25年舊正月…日より抜粋[69]〔 天理、金光、黒住、妙靈、先走り、とゞめに艮の金神が現はれて、世の立替を致すぞよ。世の立替のあるといふ事は、何の神柱にも判りて居れど、何うしたら立替が出來るといふ事は、判りて居らんぞよ。九分九厘までは知らしてあるが、モウ一厘の肝心の事は、判りて居らんぞよ。三千世界の事は、何一とつ判らん事の無い神であるから、淋しく成りたら、綾部の大本へ出て参りて、お話を聞かして頂けば、何も彼も世界一目に見える、神徳を授けるぞよ。(以下略)〕
  9. ^ 機関誌『神霊』大正7年5月号[72] 〔 私は大本開祖二十七年間の神諭の中から抜粋して今度天理教同志会の編集に関わる「御筆先分類研究」と相酷似せる点のみを年月順次に依らず、茲に選り出しまして両教研究者の便に供すると、一は以て神界の深き御経綸を発表する事に致しました。〕
  10. ^ 〔 私は世人の見て、最も不可解なる筆先の台詞を茲に纏めて、嘗て神霊界を探険して見聞したる神劇に合せて、教祖の筆先の出所や、いかなる神の台詞なるやを明かにせむため、この物語を口述したのであります。この神幽二界の出来事を一巻の書物に綴つたのが霊界物語である。霊界の幾分なりとも消息が通じない人の眼を以て教祖の筆先を批評するのは、実に愚の至りであります。〕
  11. ^ 〔 ただ今まで出口教祖の身魂を、全艮の金神、全国常立尊そのままの顕現と信じてゐた人の小言に過ぎないのであります。それ故、筆先にも女子の身魂が克く調べてくれと断つてある所以であります。(中略)変性女子そのものも、決して瑞の御魂の全体ではない。矢張大海の潮水を手桶に汲みあげたその一部分であります。〕
  12. ^ 『大本神諭』明治25年舊正月…日より抜粋[83]〔 からと日本の戰ひがあるぞよ。此いくさは勝ち軍、神が蔭から、仕組が致してあるぞよ。神が表に現れて、日本へ手柄致さすぞよ。露國から始まりて、モウ一と戰があるぞよ。あとは世界の大たゝかひで、是から段々判りて來るぞよ。あとは世界の大たゝかひで、是から段々判りて来るぞよ。(以下略)〕
  13. ^ 『伊都能売神諭』大正7年12月25日より抜粋[85]ナヅナ七草の用意を早く致して置かぬと、今に唐土の鳥が渡りて来るぞよ。唐土の鳥は羽が強うて口嘴が長く鋭いぞよ。脚も長いし数も沢山あるぞよ。日本の鳥は余程しっかりと神力がないと、天空から蹴り落とされる様な事が出来いたすぞよ。鵲の橋が落ちかけるから、神が守護は致して居れど、日本の守護神の改心が遅れたら、一旦は何う成ろうやら知れんから、神が心を苦しみて、日夜の守護を致して居れど、日本の神にも守護神にも今ではチツトも気が附かんぞよ。(以下略)〕 『大本神諭』明治34年2月7日〔 東の国へはるばると都に致す心淋しき東の国はもとの昔の薄野になるぞよ 〕

脚注

  1. ^ #女という経験33頁、#金光と大本79-80頁
  2. ^ #スサノオと王仁三郎123頁。霊界物語第7巻総説。
  3. ^ #金光と大本85-86.140頁
  4. ^ #日本の10大新宗教59-60頁、#金光と大本110-111頁
  5. ^ 霊界物語、第1巻 1925, p. 195.
  6. ^ #ミロク信仰の研究(2010)235-236頁、#金光と大本87頁、「霊界物語」第1巻総説等。
  7. ^ 大本神諭、天之巻 1919, p. 6.
  8. ^ #金光と大本90頁、#人間解放の福祉論20頁、#神界のフィールドワーク235-236.413頁
  9. ^ #人間解放の福祉論23頁
  10. ^ #人間解放の福祉論73-74頁、#周縁性の歴史学60頁
  11. ^ #人間解放の福祉論78-79頁、#スサノオと王仁三郎103頁
  12. ^ #金光と大本119-120頁、#スサノオと王仁三郎106頁
  13. ^ #村上2007新宗教151-152頁、#金光と大本111-113頁
  14. ^ #女という経験69頁、#宗教の可能性107-108頁
  15. ^ #民衆の宗教・大本143.147.197頁
  16. ^ #新宗教の世界Ⅳ35頁
  17. ^ #周縁性の歴史学192頁
  18. ^ #金光と大本137頁
  19. ^ #金光と大本137頁、#神界のフィールドワーク378頁、#新宗教時代(1)37頁
  20. ^ #屹立するカリスマ45-46頁
  21. ^ #周縁性の歴史学202頁
  22. ^ 大本の大要 1925, p. 29.
  23. ^ #村上2007新宗教141頁
  24. ^ #金光と大本174頁。発行は皇道大本大日本修斎会。
  25. ^ #金光と大本139頁
  26. ^ #金光と大本177頁
  27. ^ #周縁性の歴史学208頁
  28. ^ #村上2007新宗教143頁、#屹立するカリスマ148頁
  29. ^ 瑞能神歌 1932, p. 6.
  30. ^ 伊都能売神諭 2002, pp. 302–303■裏の神諭
  31. ^ 裏の神諭、第1輯 1920, pp. 4–5.
  32. ^ #民衆の宗教・大本4頁、#新宗教の精神構造177頁
  33. ^ #新宗教の世界Ⅳ10頁、#屹立するカリスマ65頁
  34. ^ #村上2007新宗教135頁、#スサノオと王仁三郎107頁
  35. ^ #金光と大本136頁
  36. ^ #屹立するカリスマ71頁
  37. ^ #屹立するカリスマ66頁
  38. ^ #周縁性の歴史学194頁
  39. ^ #民衆の宗教・大本10頁
  40. ^ #周縁性の歴史学199頁、#屹立するカリスマ18頁、#神界のフィールドワーク397頁
  41. ^ #周縁性の歴史学203頁、#屹立するカリスマ67-68頁
  42. ^ #屹立するカリスマ73.92-93頁
  43. ^ #スサノオと王仁三郎107頁
  44. ^ #日本人と宗教193-195頁、#屹立するカリスマ114-116頁
  45. ^ #屹立するカリスマ95頁
  46. ^ #新宗教の世界Ⅳ15頁、#人間解放の福祉論27頁
  47. ^ #民衆の宗教・大本14頁、#村上2007新宗教139-140頁
  48. ^ #人間解放の福祉論28頁、#新宗教時代(1)30頁
  49. ^ #人間解放の福祉論29頁、#スサノオと王仁三郎120-121頁
  50. ^ #民衆の宗教・大本22頁
  51. ^ #民衆の宗教・大本24頁
  52. ^ #屹立するカリスマ137頁
  53. ^ #屹立するカリスマ149-151頁
  54. ^ #ミロク信仰の研究(2010)241-242頁、#大本襲撃120-121頁
  55. ^ #村上2007新宗教141頁、#神界のフィールドワーク379頁
  56. ^ #金光と大本175頁、#屹立するカリスマ139頁
  57. ^ #周縁性の歴史学210-211頁
  58. ^ #日本人と宗教200頁、#大本襲撃122頁
  59. ^ #民衆の宗教・大本29頁、#日本の10大新宗教63頁
  60. ^ #ミロク信仰の研究(2010)243-244.254頁、#日本人と宗教206頁、#女という経験34頁
  61. ^ #屹立するカリスマ155-156頁
  62. ^ #帝国時代のカリスマ150頁、#神界のフィールドワーク440頁
  63. ^ #金光と大本179頁、#屹立するカリスマ154頁
  64. ^ #女という経験36頁、#周縁性の歴史学193頁
  65. ^ #新宗教の精神構造180頁
  66. ^ #新宗教の世界Ⅳ37-38頁
  67. ^ #九鬼文書の謎226-227頁
  68. ^ #九鬼文書の謎229頁
  69. ^ 大本神諭、天之巻 1919, p. 7.
  70. ^ #屹立するカリスマ61頁、#周縁性の歴史学182頁
  71. ^ #金光と大本82.110頁、#新宗教の精神構造177頁
  72. ^ #神界のフィールドワーク401-402頁
  73. ^ #神界のフィールドワーク421頁
  74. ^ 大本神諭略解 1918, pp. 3–5解説
  75. ^ #屹立するカリスマ149頁
  76. ^ #人間解放の福祉論91頁、#新宗教時代(1)32頁
  77. ^ 朝嵐 1997, p. 79.
  78. ^ #新宗教時代(1)23-24.32頁
  79. ^ #人間解放の福祉論91頁
  80. ^ #神の活哲学19頁
  81. ^ #新宗教の世界Ⅳ26.33頁
  82. ^ #村上(1973)70頁、#新宗教の世界Ⅳ27頁
  83. ^ 大本神諭、天之巻 1919, p. 9.
  84. ^ #新宗教の世界Ⅳ31頁
  85. ^ 伊都能売神諭 2002, p. 36.
  86. ^ #村上(1973)157頁
  87. ^ #屹立するカリスマ211-212頁
  88. ^ #屹立するカリスマ225頁
  89. ^ 大本神諭、天之巻 1919, p. 8.
  90. ^ #屹立するカリスマ226頁


「大本神諭」の続きの解説一覧

艮の金神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 21:52 UTC 版)

出口なお」の記事における「艮の金神」の解説

なおの住む丹波綾部町宗教色の強い土地で、明治に入ると従来神道仏教加え天理教黒住教、妙霊教、金光教キリスト教進出していた。当時綾部郡是製糸明治29年に、綾部製糸大正2年それぞれ製糸工場作っており、半農半商田舎町から蚕糸中心とする資本主義的商品経済の町へ急速に転換していた。 三女・久を治癒したのが金光教亀岡教会長・大亀吉であり、これがなおと金光教出会いとなる。後の神懸かりに、同教が説いた金神影響指摘される1892年明治25年1月30日辰年旧正月元旦)、56歳のなおは『艮の金神、元の国常立尊』と宣言する神と出会う霊夢見た2月3日旧正月5日)、本格的に『艮(うしとら)の金神』が帰神(神懸かり)した。この直に帰神(神懸り)した艮の金神こそ、この世界創造修理成した元の親神である国常立尊である。大本では、この日を開教の日としている。 なおはすみに、「西町長女嫁ぎ先)に行って36体の燈明供えて『ご祈念せい』と言う来て下されと言った目撃したすみは、その時の母の声には普段と違う威厳があり、染み透るような力だったと回想した。本来の美しい声と神の威厳のある声が交互に出るため、まるで自問自答しいるようだったという。帰神状態となったなおは、まず13日間の絶食75日間寝ず水行を行う。同居していた四女・龍と五女・すみのうち、すみにだけの各場所に塩をまかせる等の用事頼んだこうした奇行周囲から「がついた」と思われ当初大目に見られた。 やがて放火犯と間違われ警察拘留され釈放される自宅の家の座敷牢40日間押し込まれる入牢中になおは、神に「声を出さないで」と頼んだところ、神は「ならば筆を執り神の言葉を書くがよい」告げた。なおは、落ちていた釘で神の言葉文字に刻むようになり、これが後年の「御筆先/おふでさきとなった。彼女は文盲であったが、日が暮れて部屋真っ暗になっても、書き続け自動書記により没するまで20年間あまりで半紙20万枚綴ったという。ほとんど平仮名記され内容は『さんぜんせかい いちどにひら九 うめのはな きもんのこんじんのよになりたぞよ』『つよいものがちのあ九まばかりの九にであるぞよ』という痛烈な社会批判含んだ終末論黙示録であった。のちに、平仮名漢字置き換えて娘婿出口王仁三郎発表したのが「大本神諭」である。

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