オートマティスムとは? わかりやすく解説

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オートマティスム【(フランス)automatisme】


オートマティスム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 20:55 UTC 版)

シュルレアリスム」の記事における「オートマティスム」の解説

シュルレアリスム基本概念はオートマティスムであり、オートマティスムは本来、生理学精神医学用語であったが、ブルトンは「理性による監視をすべて排除し美的道徳的なすべての先入見から離れた思考書き取り」という心的オートマティスムとして再定義した。これは言語自動記述だけでなく、絵画表現においても同様であり、たとえば、アンドレ・マッソン人為的なトランス状態で「自動デッサン」を制作し1924年から25年にかけて『シュルレアリスム革命』誌に発表)、イヴ・タンギーは、制作時に完全に自由になって思いがけない表現生まれるように、事前に下絵を描くことはなかった。また、偶然性狙ったコラージュフロッタージュデカルコマニーなどの技法意識介入排除して無意識表出させようという試みである。実際言語自動記述直接的であるのに対して絵画場合は描く行為イメージ化において意識介在するため、ピエール・ナヴィルは「絵画のオートマティスムは不可能である」と語っていた。 最初自動記述試みは、シュルレアリスム運動本格的に始まる前の1919年ブルトンとスーポーによって行われたフロイト自由連想法影響受けた自動記述は、理性制御されない純粋な思考表現するために、できるだけ無意識に近い状態で浮かんでくる言葉書き付けて行った次第にその速度上げることで、主語主体性)が排除され内容前後脈絡のない抽象的な言葉イメージ連続になる。スーポーとブルトンはこの実験毎日8時間から10時間にわたって行った。この結果同年10月から12月の『リテラチュール』誌(第8号から第10号)に「磁場」として発表され、翌1920年シュルレアリスム出版社オ・サン・パレイユ(フランス語版)から刊行された。自動記述著書としては、1930年エリュアールブルトンによって発表された『無原罪の御宿り』も重要である。ここには自動記述試みとして、神経衰弱疑似症実験強烈な偏執狂疑似症実験全身麻酔疑似症実験表現錯乱疑似症実験早発性痴呆疑似症実験などについて記述され表紙にはダリエロティックな絵が掲載された。だが、一方でこうした自動記述試みは、多く場合催眠状態行われたため、危険を伴うものであった1922年9月行われた催眠実験は、バンジャマン・ペレルネ・クルヴェルロベール・デスノス被験者になり、催眠状態入った3人が他の参加者質問答えるという霊媒実験心霊実験)を模した試みであったこの様子についてブルトンが「霊媒登場」と題する一種報告書書き、『リテラチュール』誌第2シリーズ第6号1922年11月)に掲載した。だが、催眠実験睡眠実験)がエスカレートすると、被験者自分自身参加者危害加え恐れがでてきた。クルヴェルは自殺企てようとし、デスノスは周囲友人ナイフ持って襲いかかったという。こうした危険性は、離人症幻覚に伴う死の危険とともにブルトン自らが1934年の『ミノトール』誌第3・4合併掲載の「自動メッセージ」と題する記事明らかにし、事実上、これ以後自動記述実験行われなくなった

※この「オートマティスム」の解説は、「シュルレアリスム」の解説の一部です。
「オートマティスム」を含む「シュルレアリスム」の記事については、「シュルレアリスム」の概要を参照ください。

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