彰子周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:57 UTC 版)
藤原彰子(ふじわら の しょうし) 定子の従妹。定子と紫式部に特別な愛情を抱いている。好意を抱いた相手へ依存しがちで、紫式部が自分以外の人間のことを考えるのは許せないと本気で考えている。定子と紫式部に親しく接する者には、相手がだれであろうと強い敵愾心を露わにし実力行使も辞さない。清少納言を定子から引き離すために、定子との距離ができる原因であることから恨みを抱いている主上と結託したり、紫式部目当てで女房に志願した菅原孝標女を清少納言を倒す戦力になると判断し登用するなど、気に入らない相手でも自らの欲求を満たすために利用できると判断すれば柔軟に対応する利己的かつ合理的な性格の持ち主。 定子が中宮になって以来距離を感じており、同じ立場に立つことで再び距離を縮めることができると信じて中宮を目指しているが具体的にそれが何を意味するのかはいまいち分かっていない。 何だかんだ言いつつ勉強は嫌いではなく、呑み込みもいい。 紫式部(むらさき しきぶ) 彰子の女房・家庭教師で元は倫子の女房。24歳。常に胸元を強調するように着崩しているが、本人の意思ではなく、浮気を疑った彰子が首や胸元についてキスマークがつけられた場合にすぐ分かるよう指示したもの。無邪気で我儘な彰子の言動に振り回されることが多く、その他清少納言や藤原道長等やりたい放題な面々にも囲まれ苦労が絶えない。 現在では周囲の人間と円滑なコミュニケーションを図っているが、彰子の女房となる以前は、自らの能力の高さを鼻にかけて周囲の人間を見下して関係を絶っていた。幼馴染との関係性の変化にショックを受け腐っていた際、彰子に出会って助けられて以来、彰子に忠誠を誓い周囲と壁を作ることなく接するようになった。彰子の自分に対する独占欲の強さに呆れながらも、同時に彰子が自分を必要としなくなることに対して強い不安感を抱いており、相互に依存した関係にある。 清少納言に対して対抗意識を燃やしつつ、感情をぶつけ合う関係として特別な意識を持っているが、定子一筋の清少納言とは互いへの意識に温度差がある。清少納言に著書の源氏物語をただの卑猥な小説と見做されている一方、清少納言の書いた枕草子を著者の自己顕示欲が前面に押し出された作品だと批判している。 作中きっての巨乳の持ち主で、特に清少納言からは胸をネタにいじられる事が多い。 和泉式部(いずみ しきぶ) 彰子の女房にして紫式部の同僚。20歳。教養よりも容貌に磨きをかけるタイプで、しょっちゅう異性と恋をしては破れて落ち込み、紫式部の慰撫を求める。その割には恋愛に懲りる様子はなく、逆に恋路に興味が薄い紫式部に恋愛のための努力を促すなど打たれ強い面も見せる。容貌を重視する一方で勅撰和歌集の常連になる歌人として優れた才能を発揮し、恋愛に関する数々の歌を世に送り出している。紫式部のことを慕っているが、紫式部からは嗜好の違いから苦手意識を持たれている。 恋に恋するタイプで数時間にわたりのろけ話を披露したり恋の相談を持ち掛けたと思えば、付き合っては失恋したりふったりを繰り返しており、妻子持ちから別れた元恋人の弟までその相手は幅広い。そのせいか道長同様に未練を残した男性達の生き霊に憑かれていた。 藤原倫子(ふじわら の のりこ) 彰子の母。長い黒髪で片目を隠している。面倒になると直ぐに殺す・死ぬなどの物騒な発想に落ち着く。乗り気ではなかった道長との結婚が決まったときも呪い殺すか自殺するという結論に達するが、貴子に口説き落とされてからは一転して結婚を承諾、更に貴子に対して偏執的な盲愛を抱くようになった。娘・彰子の家庭教師である紫式部にも屈曲気味ながら愛情を注いでおり、彼女に危害が及べば実力行使も辞さない。特に貴子のお気に入りである弁官を目の敵にしている。 結婚前から既にプレイボーイとして名をはせていた道長には全く興味が無く、要領だけで生きてきて出会って2秒で抱こうとする男との結婚は無理と言い切っていたが、貴子に口説かれて結婚となった経緯がある。対して道長は自分に全く興味がない初めての女性である事を気に入っていた。 そんな打算的に決まった結婚ではあったが女に手を出しまくる道長の事を許容し、自分が正妻なら浮気してもいいと言ったり女房達の間では何だかんだ道長の事が好きである、ともっぱらの話題となっていて夫婦仲は悪くない様子で娘の彰子も可愛がっている。 基本的に道長に手厳しく、呪いにびくともしなかった道長が部屋を覆いつくす程の呪いに圧倒されて寝込んだ時も、瀕死にならないと学ばないからと冷静にあえて放置したり、うっかり愚痴を呪いに上乗せしてしまったりと彰子共々容赦がない。 菅原孝標女(すがわら の たかすえ の むすめ) 更級日記の作者にして彰子の女房。源氏物語を全巻暗記するほどこよなく愛するオタク少女。源氏物語を読みたい一心で自ら等身大の仏像を彫り上げ拝み倒した、夢に出てきた僧侶に源氏物語だけに熱中せず法華経の勉強を促されたが全力で拒否するという、いかれたエピソード(実話)の持ち主。ただ僧侶の件については後年反省の弁を書き残している。大人しそうな雰囲気に反して、源氏物語や紫式部のこととなると非常に積極的になり、紫式部目当てに彰子の女房となったほど。源氏物語への度を越した執着ぶりから、紫式部からは迷惑がられているが、本人は自覚していない。リア充である和泉式部のことは苦手。 紫式部の書いた日記を原本を少し読んだだけで全て暗記し、大量に写本を書く観音の手(キヤノンのコピー)という特殊能力の持ち主。 安倍の人(あべ の ひと) 倫子専属の陰陽師。素顔を仮面で隠しており、素性も不明である。仮面に顔文字のような表情が現れることで感情を表現する。占いや式神の召喚、呪い、天気予報、天候操作など陰陽師としての能力は本物だが、普段は倫子や主上、彰子と戯れていることが多く、陰陽師として真面目に仕事をすることは少ない。 安倍晴明の女体化でないことが単行本にて言及されている。 何かとトラブルを招き、それに巻き込まれる事が多い清少納言にはトラブルメーカーとして認知されており、また怪我や病気の治療のための祈祷が胡散臭いという理由で全く信用されていない。 和気の人とは幼少の頃から知り合いだが、仕事内容が被る上に知識と理論派の和気の人に対して祈祷と呪術の安部の人と仕事のやり方も真逆で全くそりが合わず、苦手意識がある。 単行本12巻では祈祷や呪術を馬鹿にされた事に拗ねて、陰陽師から倫子の女房へと転職し、顔も平安風の別人となって新たな仕事を始めた。ノリで転職したものの、案外女房としても仕事が出来そうな事に倫子は腹を立てていた。
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