地下チンチロ編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:05 UTC 版)
「賭博黙示録カイジの登場人物」の記事における「地下チンチロ編」の解説
大槻 太郎(おおつき たろう) 声 - チョー(アニメ版)、茶風林(パチスロ版) 演 - 松尾スズキ 地下王国送りとされたカイジが配属されたE班の班長。 帝愛側と結託して地上で得た嗜好品(食品、各種つまみ、酒、タバコなど)の高額販売も行っている。大槻の班には側近の石和と沼川がいる他に、他の班にも息のかかった約20名の者達が存在する。常に笑顔を絶やさず、新入りのカイジに地下王国でやっていくアドバイスや気遣いを見せる好人物であるが、その本性は地下でそれなり以上の立場や優遇を維持するために、強制労働でない方法でペリカ(地下王国の通貨)を荒稼ぎしている卑劣漢。カイジや45組に他の囚人達に甘言を用いて堕落、浪費、食い物にさせる等、人心掌握に長け笑顔の裏に凶悪な裏の顔と狡猾な本性を持つ。 その巧みな人心掌握術を利用し、本来は博打厳禁の地下において上層部と掛け合い、囚人達のガス抜きと称してオリジナルルールのチンチロリン「地下チンチロリン」を開帳している。だがその裏では石和、沼川と共に456(シゴロ)しか目がないシゴロ賽を使用したイカサマと、それを露見させないために班長権限で改訂したルールにより、囚人達から大量のペリカを搾取していた。石和、沼川と共にシゴロ賽を使用したイカサマを実行する際は、左隣に石和を右隣に沼川を座らせている。最終的には嗜好品の高額販売や、賃金前借り組からのピンハネによる利益と併せ、ペリカを2000万ペリカまで貯め一日外出券を大量購入して長期のバカンスなどを楽しむことを目論み大金を貯め続けていた。しかし地下からの脱出は諦めていたのか、あるいは地下で弱者を食い物にする生き方に満足していたのか、脱出を目指す様子は見受けられなかった。 シゴロ賽を使用したイカサマに気付いたカイジとの熾烈な心理戦の末にカイジの奇襲を許し、自身のこれまでの不正が全て公にされた上、小田切や黒崎の介入によって逃げ場を失い、最後はカイジが「仲間内で特殊賽を使う」ことを追加したルールにより使用した1しか目がないピンゾロ賽により、今まで貯蓄していたほぼ全ての1825万2千ペリカを放出して、唯一残ったのはわずか1800ペリカとなり、地下チンチロ史上最大の大敗を喫した。 その後は、上記の一件により班長の地位を剥奪された模様で、カイジが「沼」に挑戦している様子をテレビで知った時はカイジのイカサマを非難し、「失敗しろ」と呪っていた。(アニメではカット) スピンオフ作品『1日外出録ハンチョウ』ではパラレルワールドの大槻が主人公となっているため、ペリカを溜め込まず、一日外出券を頻繁に購入し、グルメや観光を嗜んでいる。 石和 薫(いさわ かおる) 声 - 西嶋陽一(アニメ版)、松岡禎丞(『ハンチョウ』アニメ版) 演 - 載寧龍二、菊田大輔(劇場版第2作) 大槻の側近。髪型を角刈りにした体格の良い男。 高圧的な性格で、カイジたち45組が夕食を取れないように嫌がらせをする。地下チンチロリンで大槻と沼川と共に456賽を使用したイカサマを実行する際は必ず大槻の左隣に座り456賽を使用する。 『1日外出録ハンチョウ』にも登場。大槻と共に一日外出を嗜む様子が描かれる。また、原作では苗字のみで名前は明かされていなかったが、同作で新たにフルネームが設定された。 実写映画版では石和 謙介(いさわ けんすけ)というフルネームが設定され、優男風の容姿に変更されている。 沼川 拓也(ぬまかわ たくや) 声 - 逢坂力(アニメ版)、佐藤拓也(『ハンチョウ』アニメ版) 大槻の側近。長髪のオールバックで口ひげを生やしている。 疑り深い性格で、出目をメモしていた三好のことを警戒していた。「地下チンチロリン」では456賽の回収役を務めているため、彼自身は456賽を使用することはできない。そのため、大金を賭けた大勝負をすることを避け、「金が無い」と偽り、青天井を断ることが多い。 『1日外出録ハンチョウ』にも登場。大槻と共に一日外出を嗜む様子が描かれる。石和と同じく、新たにフルネームが設定された。同作1巻の特別読み切り「1日個室録ヌマカワ」では、主人公を務める。 三好 智広(みよし ともひろ) 声 - 遊佐浩二 演 - 白石隼也 「45組」の1人。大きな目が特徴。カイジと同世代。 気弱なのに調子に乗りやすく、博打に嵌まり過ぎてカイジに「人格破綻者」と評された。毎回、チンチロリンの出目を記録するなど几帳面だが、自身はそれを役立てることはなかった。しかし、カイジが大槻の不正に気付く大きなきっかけになった。カイジが大槻とのチンチロリン勝負で得た約1,800万ペリカを全てカイジに託すことにより地下からの脱出を図った。その読みが的中して、カイジが得た大金によって晴れて自由の身となる。 『賭博堕天録』では村岡が経営する裏カジノに勤めるもまた借金を重ね、カイジにギャンブルでの共闘を持ちかける。だが、実際はカイジからありもしない大金を奪うための罠であり、カイジが皆に分配する約束のパチンコ「沼」の賞金の大半を独り占めしているという村岡の讒言を真に受け、前田と共にカイジを陥れようとする。11回戦の途中でカイジの策に嵌まってボロを出してしまい裏切りが露呈、カイジとは縁切りとなる。その後『和也編』では、カイジに負け情緒不安定の村岡を非難し続けた。 実写映画版でも2作共にわずかに登場。 名前は当時の福本伸行のアシスタントから借用している。 前田(まえだ) 声 - 梶雅人 45組の1人。眼鏡を掛け、無精髭を生やしており丸刈り。カイジよりも年上。 短気な性格で大槻の不正を知った時は襲撃しようとしたが、カイジに止められる。最初はカイジのことを「カイジくん」と呼んでいたが、地下から解放後はカイジを尊敬するようになり「カイジさん」と呼ぶようになった。カイジも最初は、前田のことを「前田さん」と呼んでいたが、彼を助けた後は「前田」と呼び捨てするようになる。 『賭博堕天録』では、三好と共に村岡の裏カジノに勤めるがまた借金を重ね、カイジがみんなに分配する約束のパチンコ「沼」の賞金の大半を独り占めしているという村岡の讒言を真に受け、17歩で三好と共にカイジを陥れようとするが、その絡繰りを見破られて失敗に終わり、カイジとは縁切りとなる。その後、『和也編』では、三好と共に村岡を非難する描写がある。 北川(きたがわ) 声 - 奈良徹 45組の1人。唇が厚い。カイジの初給料時に焼き鳥とビールを飲み食いしていた。45組では目立たず名前は原作『賭博破戒録』最終話で判明。地下から解放された後の消息は不明。 横井(よこい) 声 - 金光宣明 45組の1人。目が細い。12月生まれの41歳で、年齢を理由に参加を悩んでいたが、カイジの言葉により決起。チンチロリン勝利後のカイジの優しさを絶賛する。45組では目立たず名前は原作『賭博破戒録』最終話で判明。地下から解放された後の消息は不明。 橋本(はしもと) 声 - 会一太郎 45組の1人。髪は前田と同じく丸刈。45組決起時に1300ペリカしか手持ちが無かったため参加に少しためらったが、カイジの言葉によって決起。45組では目立たず名前は原作『賭博破戒録』最終話で判明。地下から解放された後の消息は不明。 石田 広光(いしだ ひろみつ) 声 - 鳥海浩輔 演 - 吉高由里子 石田光司の一人息子。年齢は推定20代前半(父親曰く「カイジと同世代」)。 「地下王国」では、半ば生還を諦めたような感覚であり、適度に仮病を使い休みつつ勤労している。エスポワールでのカイジの話を父から聞かされており、一目会ってみたいという気持ちからカイジと対面する。 自分のギャンブルで負った借金にもかかわらず、それを肩代わりできなかった父のことを侮蔑する(なお、広光自身は父の最期の瞬間は知らない)。その死を見届けたカイジに殴り飛ばされ、一喝される。しかしその後、父光司との借金返済の約束を果たせていなかったカイジは広光を見殺しにすることができず、『賭博破戒録』最終局面でカイジに45組と共に救出される。そしてカイジに何度も感謝し、今度こそ真面目に働くと告げる。地下から解放された後の消息は不明。 アニメ版では、テレビ中継でカイジの沼開放を目の当たりにし、亡き父へカイジの強さが父の言った通り本物だった旨のことを、涙ながらに語るシーンが追加された。 実写映画版では、石田 裕美(いしだ ひろみ)という女性に設定変更されている(この名前は、原作における石田の妻のもの)。 小田切(おだぎり) 声 - 小野健一(アニメ版)、 前野智昭(『ハンチョウ』アニメ版) 地下王国でのC班班長。B班班長の岩田とA班班長の坂井とは親友。カイジと大槻の最終戦において、不正の現場を押さえられた大槻がカイジから不正の証拠を取り上げようとした際、自分が吟味を申し出たり、それに対するカイジの策をそれまでのやりとりから認めたりと、終始中立の立場で冷静に判断していた。 『1日外出録ハンチョウ』では大槻のライバルとして登場。下で映画館を開くことが夢であり、タブレット代と映画のダウンロード代のためにペリカを稼ぎ、地下映画館を事業を展開する
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