喜びの琴とは? わかりやすく解説

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喜びの琴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 02:23 UTC 版)

喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている[1]


注釈

  1. ^ ヘルダーリンの詩『帰郷』は次のような詩句で終わる[16]
    けれども、絃の弾奏はすべての時間に声を与え 近づきつつある天上たちをおそらくはよろこばせよう。 
    それが奏でられるとき、喜びの中にもまじる憂い(ゾルゲ)は、すでになかば和らげられているのだ。 
    このような憂いを、好むと否とにかかわらず、 怜人はのうちにしばしば抱かねばならぬのだ、しかし他のひとびとはそうではない。 — ヘルダーリン「帰郷」

出典

  1. ^ a b c d 「『喜びの琴』について」日生劇場プログラム、1964年5月)。33巻 2003, pp. 70–71に所収
  2. ^ 井上隆史「作品目録――昭和39年」(42巻 2005, pp. 433–437)
  3. ^ 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
  4. ^ 山中剛史「上演作品目録」(42巻 2005, pp. 731–858)
  5. ^ みなもとごろう「喜びの琴」(事典 2000, pp. 396–399)
  6. ^ 「『喜びの琴』について」(日生劇場プログラム 1964年4月)。33巻 2003, pp. 38–39に所収
  7. ^ 「私がハッスルする時―『喜びの琴』上演に感じる責任」(読売新聞 1964年5月10日号)。33巻 2003, pp. 55–59に所収
  8. ^ 「三島由紀夫インタビュー」(週刊読書人 1963年12月2日号)。磯田 1979, pp. 74–75
  9. ^ 尾崎宏次「愛と憎しみの主題」(読売新聞夕刊 1964年5月18日号)。事典 2000, p. 398
  10. ^ 野村喬「三島由紀夫と劇」(解釈と鑑賞 1966年7月号)。『戯曲と舞台』(リブロポート、1995年10月)に所収。事典 2000, p. 398
  11. ^ 鈴木晴夫「喜びの琴」(旧事典 1976, p. 446)
  12. ^ 林房雄論」(新潮 1963年2月号)。『林房雄論』(新潮社、1963年8月)。32巻 2003, pp. 337–402、作家論 1974, pp. 123–191に所収
  13. ^ a b c 「『日本』という“美”と“悪”――『林房雄論』と『喜びの琴』」(図書新聞 1964年1月1日号)。磯田 1979, pp. 74–85に所収
  14. ^ 松本鶴雄「『喜びの琴』『朱雀家の滅亡』より『豊饒の海』へ」(『三島由紀夫研究』右文書院、1970年7月)。事典 2000, p. 399
  15. ^ 「美の亡霊―『恋の帆影』」(日生劇場プログラム 1964年10月)。33巻 2003, pp. 204–206に所収
  16. ^ a b 「III 死の栄光――NLTの結成と四部作」(村松 1990, pp. 348–372)
  17. ^ a b 大久保典夫「『トカトントン』ノオト―『喜びの琴』と対比させて」(『太宰治第4号 特集 トカトントン 饗庭孝男に聞く 太宰治のトポスとパトスほか』洋々社、1988年7月)。大久保典夫『大衆化社会の作家と作品』(至文堂、2006年)に所収。論集I 2001, pp. 281–285に抜粋掲載


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