トカトントンとは? わかりやすく解説

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トカトントン

作者太宰治

収載図書無頼の文学
出版社響文社
刊行年月1986.3

収載図書昭和文学全集 第5巻
出版社小学館
刊行年月1986.12

収載図書太宰治全集 8
出版社筑摩書房
刊行年月1989.4
シリーズ名ちくま文庫

収載図書太宰治全集 8
出版社筑摩書房
刊行年月1990.8

収載図書ちくま日本文学全集 004 太宰治
出版社筑摩書房
刊行年月1991.3

収載図書グッド・バイ
出版社角川書店
刊行年月1998.6
シリーズ名角川文庫クラシックス

収載図書太宰治全集 9 小説 8
出版社筑摩書房
刊行年月1998.12

収載図書斜陽人間失格桜桃走れメロス 外七篇
出版社文芸春秋
刊行年月2000.10
シリーズ名文春文庫

収載図書走れメロス
出版社舵社
刊行年月2005.8
シリーズ名デカ文字文庫

収載図書大活字版 ザ・太宰治全小説全二冊 下巻
出版社第三書館
刊行年月2006.10

収載図書ヴィヨンの妻桜桃・他八篇 改版
出版社岩波書店
刊行年月2007.4
シリーズ名岩波文庫

収載図書太宰治
出版社筑摩書房
刊行年月2008.1
シリーズ名ちくま日本文学


トカトントン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/19 03:51 UTC 版)

トカトントン」は、太宰治書簡体形式短編小説

概要

初出 群像』1947年1月号
単行本 『ヴィヨンの妻』(筑摩書房、1947年8月5日)[1]
執筆時期 1946年11月上旬完成(推定)[2]
原稿用紙 35枚

太宰の妻美知子は本作品について次のように述べている。

「二十一年の秋頃、帰京を控へて、金木で書きました。金木で書いた最後の作品ではないかと思ひます。東京に帰つてから、M市居住のHといふ方が尋ねてこられたとき、あの人の手紙からヒントを得て、『トカトントン』を書いたのだと私に語りました」[3]

「M市居住のHといふ方」とは、水戸市に住んでいた保知勇二郎のことである。1946年(昭和21年)7月頃、復員青年だった保知は疎開先の太宰にファンレターを何通も送っていた。保知は太宰治全集の月報の中で「『トカトントン』のトンカチの音のことを、私は手紙の何通目かに書きました。しかし太宰さんの創作とちがって、当時の私は幻聴に悩まされているとは書きませんでした」[4]と述べている。

あらすじ

若者である「私」は、好んで読んでいた作品の「某作家」へと悩み相談にも似た身の上話を記した手紙を送る。
敗戦を迎え「私」は、軍人としては徹底抗戦してお国のために死ぬべきという若い中尉の演説に心揺さぶられるが、その時どこからか聞こえてきた「トカトントン」という金槌の音を聞いた途端に何故か熱意も感慨も消え失せ、白々しくなってしまう。
それからの「私」は、小説を書こうと思い立ったり、仕事も恋愛も奮闘しようとするも、熱意が絶頂になろうとする度に「トカトントン」が聞こえてきて、どうでもよくなってしまう。この「トカトントン」は一体なんなのだろうか、という内容だった。
この手紙に対し「某作家」は気取った悩みであると一蹴し、マタイ十章・二八を引用して、このイエスの言に霹靂を感ずることができれば「私」の幻聴は止むはずだと締める。

脚注

  1. ^ 作品集『ヴィヨンの妻』の収録作品は以下のとおり。「トカトントン」「男女同権」「親友交歓」「メリイクリスマス」「父」「母」「ヴィヨンの妻」。
  2. ^ 『太宰治全集 第8巻』筑摩書房、1990年8月25日、解題(山内祥史)より。422頁。
  3. ^ 『太宰治集 上巻』新潮社、1949年10月31日。井伏鱒二の解説で引用された「美知子夫人の手記」より。
  4. ^ 『太宰治全集 第八巻 月報8』筑摩書房、1956年5月20日。保知勇二郎「『トカトントン』と私」より。

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