朱雀家の滅亡とは? わかりやすく解説

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朱雀家の滅亡

作者三島由紀夫

収載図書英霊の声
出版社河出書房新社
刊行年月1990.10
シリーズ名河出文庫


朱雀家の滅亡

読み方:スザクケノメツボウ(suzakukenometsubou)

作者 三島由紀夫

初出 昭和42年

ジャンル 戯曲


朱雀家の滅亡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/22 06:01 UTC 版)

朱雀家の滅亡』(すざくけのめつぼう)は、三島由紀夫戯曲。「」「」「」「」の全4幕から成る。太平洋戦争大東亜戦争)末期の戦中・戦後2年間の東京を舞台に、堂上華族侯爵家である「朱雀家」の承勅必謹と崩壊を、大日本帝国の崩壊と重ねて描いた作品である。狂気としての孤、滅びとしての忠節を、ギリシア悲劇エウリピデスヘラクレス』を典拠とし、「僭主征伐」を第1幕、「子殺し」を第2幕、「妻殺し」を第3幕、「運命愛(アモール・ファティ)」を第4幕に該当させている[1]。三島の天皇観や戦後世界への違和感が表われている作品でもある[2][3]


注釈

  1. ^ 弁財天については、元公爵西園寺家が弁財天をまつっていることから発想が浮かんだという。また、この芝居は中村伸郎劇団NLT)のために書いた芝居だとも述べている[6]

出典

  1. ^ a b c d 「『朱雀家の滅亡』について」(文藝 1967年10月号)。「後記」として『朱雀家の滅亡』(河出書房新社、1967年10月)に同時収録。河出文庫 2005, pp. 263–264、34巻 2003, pp. 566–567に所収
  2. ^ a b c 「第十一回 雅びとエロスと 『孔雀』『春の雪』『朱雀家の滅亡』」(徹 2010, pp. 145–158)
  3. ^ a b c d e 有元伸子「朱雀家の滅亡」(事典 2000, pp. 195–198)
  4. ^ 井上隆史「作品目録――昭和42年」(42巻 2005, pp. 444–448)
  5. ^ 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
  6. ^ a b c d e f g h i 「『朱雀家の滅亡』の三島由紀夫――著者との対話」(名古屋タイムス 1967年11月13日号)。「解題――朱雀家の滅亡」(24巻 2002)に所収
  7. ^ a b 「『朱雀家の滅亡』について」(NLT上演プログラム 1967年10月)。34巻 2003, pp. 568–570
  8. ^ 千谷道雄「朱雀家の滅亡」(旧事典 1976, pp. 218–219)
  9. ^ 「新劇」舞台採点(朝日新聞夕刊 1967年10月19日号)。事典 2000, p. 196
  10. ^ 日沼倫太郎「恋闕の形而上学」(NLTプログラム 1967年10月13日)。『我らが文明の騒音と沈黙』(新潮社、1970年9月)に所収。事典 2000, p. 196
  11. ^ a b 山本健吉「文芸時評」(読売新聞夕刊 1967年9月29日号)。山本時評 1969, pp. 480–481に所収。事典 2000, pp. 196–197
  12. ^ 大岡昇平「文芸時評」(朝日新聞夕刊 1967年9月29日号)。『大岡昇平全集16巻』(筑摩書房、1996年5月)に所収。事典 2000, p. 197
  13. ^ 奥野健男「現代をえぐる戯曲」(読売新聞夕刊 1968年1月25日号)。事典 2000, p. 197
  14. ^ 池田弘太郎「朱雀家の滅亡」(論争ジャーナル 1968年6月号)。事典 2000, p. 196
  15. ^ 長尾一雄「悲劇不在の証明」(新劇 1967年12月号)。事典 2000, p. 196
  16. ^ 磯田光一「無私この残酷なるもの」(図書新聞1967年12月16日号)。『磯田光一著作集1 三島由紀夫全論考 比較転向論序説』(小沢書店、1990年6月)に所収。事典 2000, p. 196
  17. ^ 大久保典夫「第二次世界大戦下における狂気と文学」(國文學1970年8月号)。『批評と研究 三島由紀夫』(芳賀書店、1974年12月)に所収。事典 2000, p. 197
  18. ^ 松本鶴雄「『喜びの琴』『朱雀家の滅亡』より『豊饒の海』へ」(『三島由紀夫研究』右文書院、1970年7月)。事典 2000, p. 197
  19. ^ 富岡幸一郎「〈近代〉の自裁」(新潮 1986年9月号)。『仮面の神学』(構想社、1995年)に所収。事典 2000, p. 197
  20. ^ 田中美代子佐伯彰一との対談)「三島由紀夫 空虚と豊饒のパラダイム」(『朱雀家の滅亡』公演プログラム セゾン劇場 1987年9月)。事典 2000, p. 197
  21. ^ 「先生の予言どおりになったこと」(英子 2007, pp. 48–63)
  22. ^ 「美濃子」(『喜びの琴 附・美濃子』新潮社、1964年2月)。24巻 2002に所収


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