劉暁波への批判とそれに関する騒動とは? わかりやすく解説

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劉暁波への批判とそれに関する騒動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 02:20 UTC 版)

鈴木将久」の記事における「劉暁波への批判とそれに関する騒動」の解説

岩波書店2011年2月刊行した最後の審判生き延びて――劉暁波文集』に訳者である鈴木将久および丸川哲史による劉暁波と彼へのノーベル平和賞授賞批判する鈴木将久丸川哲史訳者解説」が付されているが、この鈴木将久丸川哲史訳者解説」および岩波書店について子安宣邦が「岩波書店によるこの書の刊行は、岩波書店歴史だけではない、日本出版史上に汚点を残す大きな不正である。それは道徳的にも、思想的にも許されるものではない」と厳しい批判加えている。子安宣邦によれば岩波書店および雑誌世界』は、劉暁波が「08憲章」を2008年12月公表してから、中国民主化運動関心を示すどころか劉暁波のノーベル平和賞受賞について雑誌において全く言及しないほど一貫して無視してきたにも関わらず劉暁波のノーベル平和賞受賞後、一転して劉暁波文集について独占的出版権得た。これに対して子安宣邦は「『良識』を看板にしてきた岩波書店商業主義的な退廃ここまできたか」と驚いた。 さらにこの文集鈴木将久丸川哲史訳者解説」はノーベル平和賞受賞について「問い立てておく必要」があるとして疑問点述べているが、これについて子安宣邦は、「問い立てる」とは劉暁波投獄原因となった「『08憲章』における中国民主的改革構想に、そしてその中心的起草者である劉暁波対すノーベル賞授賞疑問がある」ということであり、さらに鈴木将久丸川哲史による、 「人権表現の自由という理念それ自体に関しては、実のところ誰も反対ていないであれば劉氏への授賞理由長年にわたり、非暴力の手法を使い中国において人権問題闘い続けてきた』こととは別のところで、授賞劉氏と『〇八憲章』の思想にある国家形態転換深く関連してしまう、ということである。平和賞授賞は、中国政府からすれば、やはり中国国家形態転換支持する内政干渉』と解釈されることとなりそうだその意味からも、ノーベル平和賞持っている機能対す問い立てざるを得なくなる。」 という文章について、子安宣邦は 「これは実に曖昧で、不正確で、不誠実な文章である。劉暁波問題という現実あまりに不釣り合いないい加減な文章である。これを読んで、何かが分かるか。分かるのはこの『解説』の筆者中国政府立場代弁していることだけであろう劉暁波中国国家体制転覆煽動する犯罪者であり、その国内犯罪者授賞することは内政干渉であるとは、中国政府主張するところである。丸川鈴木この中国政府主張と同じことを、自分曖昧な言葉でのべているだけである。この曖昧さとは、これが代弁しかないことを隠蔽する言語がもつ確信無さである。私はこれほど醜悪で、汚い文章読んだことはない。」 「劉暁波ノーベル賞受賞因んで出版された書に、その授賞そのものを疑う 『解説』が付されていることをどう考えたよいのか。これは常識的に考えられない出版行為である。これは普通ではない特別な意図をもってした出版としてしか考えようがない。」 と強く批判し岩波書店謝罪訂正改版処置公開要求した。なお、鈴木将久丸川哲史岩波書店ともに子安宣邦批判反応していない。 高井潔司は、子安宣邦鈴木将久丸川哲史訳者解説批判には事実誤認があるとしつつも、それでも「劉暁波氏の受賞歓迎しない岩波解説」は、「曖昧さ残している」として、鈴木将久丸川哲史訳者解説」は「『08憲章に対して書名しなかった人が存在する」として秦暉挙げ、「(秦氏は)『08憲章』がかつてヴァーツラフ・ハヴェル氏などが中心になって署名運動展開したチェコスロバキアの『77憲章』を多く模倣しているとして、しかし社会状態の違う中国においてそのような手法有効だろうか、と問い立てる」「なぜなら、1977年チェコスロバキアにおいては恐怖圧政第1番課題であったが、現在の中国において喫緊の課題はむしろ経済問題だ。…そのような歴史的前提のない中国においては、それよりも福祉公共サービスどうするかという『生存権』の議論の方が重要であるが、『08憲章』にはそれがない」と秦暉利用しながら鈴木将久丸川哲史見解述べる。しかし劉暁波は、「改革開放国家発展社会の変化もたらした」「仇敵意識弱まりは、政権に対してしだいに人権普遍性受け入れるようになり、1998年には中国政府国連二つ重要な国際人権規約への署名世界約束したが、これは中国普遍的な人権について国際的な基準承認行ったことを示すものであった2004年全国人民代表大会憲法改正し、『国家人権尊重し保障する』という文言をはじめて憲法書き入れ、これは人権がすでに中国法治根本的な原則一つになったことを示している」と述べており、評価が違うだけであり、劉暁波生存権経済考慮していないという批判は全く当たらないとして、「秦氏こそ、いまや日本追い越し世界第2のGDP大国となりながら、『生存権の方が大事』と主張し政治改革人権改善先送りしようとする中国当局代弁者になり下がっている」と批判する鈴木将久丸川哲史訳者解説」は、ノーベル平和賞受賞決定後の10月11日中国共産党内の自由派党員たちが「公民言論出版の自由実現しよう」とする公開書簡運動取り上げ、「この公開書簡では、中国共産党総書記胡錦濤国務院総理温家宝言論の自由重要性述べた発言強調された。日本ではあまり注目されていないが、温家宝は、2010年8月深圳講話から始まり国内外数回にわたり政治体制改革進め決意語った」「この公開書簡求めた道は、中国共産党内の改革派の力を強めることであり、胡錦濤温家宝発言実現することであった劉曉波氏のノーベル平和賞受賞を境に、温家宝総理政治体制改革への意欲聞かれなくなった長期的に見たとき、こうしたことが中国民主化どのような影響与えるかは未知数である」という鈴木将久丸川哲史訳者解説」は、あたかも劉暁波のノーベル平和賞受賞共産党内の改革派の足を引っ張ったかのように記述していると批判する。なお、2011年4月花伝社から『劉曉波中国民主化行方』を出版した矢吹晋は、まえがきで「本書劉暁波のノーベル平和賞受賞契機として出版されるが、ノーベル賞便乗しようというさもしい本ではない」と記述しているが、高井潔司は、これは鈴木将久丸川哲史訳者解説」の岩波本のことを皮肉っていることは明々白々指摘する

※この「劉暁波への批判とそれに関する騒動」の解説は、「鈴木将久」の解説の一部です。
「劉暁波への批判とそれに関する騒動」を含む「鈴木将久」の記事については、「鈴木将久」の概要を参照ください。

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