前科者議員・立候補者問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 11:14 UTC 版)
「大韓民国」の記事における「前科者議員・立候補者問題」の解説
韓国では選挙期間になると候補者たちの「前科歴」や「納税状況」、「兵役義務」についての項目がある冊子が配布される。「兵役義務」は女性候補でも成人男子がいる場合無関係ではない。何故なら、その女性の子息が「兵役義務」を果たしているかどうかを明記されるからである。共同通信は驚いたこととして、韓国の選挙候補者たちの「前科歴」が多いことを上げている。飲酒運転を筆頭に、「選挙違反」や「贈収賄」が目立つと報道している。このように前科者の候補者が多数出馬、当選することで前科持ちの政治家が多数存在することが韓国の問題になっている。2017年の大統領候補の14人中9人というの60%以上が前科持ち、2014年6月4日に行われた全国同時地方選挙立候補者8994人のうち、前科者はなんと全体の39.8%を占めた。市・道の知事候補のみなら45.7%を占めた。キム・ボヨン弁護士は2016年選挙の予備候補者の4割が飲酒運転、暴力、詐欺、横領、窃盗、殺人未遂、名誉毀損、選挙法違反、不法デモ、国家保安法違反などの前科持ちだったことから、「国会議員選挙における予備候補者たちの遵法精神のなさを知ると、彼らが掲げている公約を信じてもいいのか疑問だ。」「倫理観の欠如している人物が、国民の意思を反映させた政治を行うことは期待しにくい。前科があっても平気で政治家になろうとする風潮が蔓延したままでは、政治に対する国民の不信は高くなる一方だろう。」と指摘している。2016年の国会議員総選挙の候補者の4割が詐欺、横領、飲酒運転、暴行、窃盗、殺人未遂など前科を持っていて、2019年時点の現職韓国国会議員では前科数最多は共に民主党の姜勲植議員の前科5犯となっている。子供の交通安全法案の提案議員のうち確認されただけで姜議員を含つ3人が無免許運転など重大な道路交通法違反で処罰を受けた前歴があることが分かり、韓国内で法案を提出する資格があるのかという批判が起きた。 韓国の毎日経済新聞の調査によると、調査時点で2016年の第20代総選挙への国会議員候補者647人の51.3%が過去5年の間に税金滞納、犯罪歴、兵役未了者のいずれかに該当するのが332人に上っている。2016年の第20代総選挙立候補647人の候補者への細かい分析の結果によると下記のようになった。税金滞納者は73人で候補者の約10人に1人で10%の割合を占めている。最も多額の候補では3億9720万ウォン(約3900万円)滞納したまま立候補している.。立候補登録期限最終日の立候補登録した者を含まずとも、前科者の候補者は253人で前回の2012年の国会議員総選挙候補者の186人の記録を上回った。2016年の候補者のうち前科4犯以上の候補は15人、前科10犯も1人。共に民主党候補には詐欺、公文書偽造、賄賂、脅迫による前科持ちが多数いた。「兵役義務を果たしていない者」の割合は韓国の一般人の割合(10%)より高く、男性候補者583人に対して17%に上る102人だった。韓国の2016年の選挙前の第19代国会の会期中で政治資金問題などで23人が国会議員として失職している。 禁固刑以上の前科がある時のみが公開基準だったが、2012年の公職選挙法改正で罰金100万ウォン以上の前科記録が全て公開されるようになった。2016年03月末に中央選挙管理委員会が提供した第20代総選挙候補者情報の中央日報の分析結果が下記になる。地方区・比例代表候補である1102人のうち38%の426人に罰金100万ウォン以上の前科がある。 全地方区候補944人のうち40.7%の384人に702件の前科が、比例代表候補158人のうち26.6%の42人に101件の前科があった。前科持ちの理由で最も多いのは飲酒運転で、候補者全体の11.3%で124 人との結果になった。内訳はセヌリ党が28人、共に民主党が26人、国民の党が26人、正義党が12人になっている。セヌリ党では鄭斗彦など現役議員7人が含まれ、比例代表当選の前青瓦台国政企画首席秘書官も2009年11月27日に飲酒運転で罰金200万ウォンの処分を受けて前科持ちになっている。 共に民主党でも李相ミンなどの現役議員3人、趙正湜議員は飲酒測定拒否により150万ウォンの罰金刑の前科がある。 国民の党の鄭ホ駿議員は飲酒運転と無免許運転の前科が、正義党の魯会燦元代表や共に民主党離党後に無所属出馬した姜東遠議員にも2件の飲酒運転の前科があった。セヌリ党を離党したチョ海珍議員やソウル特別市陽川区のセヌリ党と共に民主党、国民の党の主要3政党の候補には全員に飲酒運転の前科があった。 2019年には交通安全法案に連盟した議員のうち最低でも3人が無免許運転など重大な道路交通法違反で処罰を受けた前歴があることが分かり、法案を提出する資格があるのかという批判が起きた。代表提案者の共に民主党の姜勲植議員は2003年12月、無免許運転による道路交通法違反で罰金100万ウォン(約9万2000円)処分を受けた。2011年8月には飲酒運転、ひき逃げ、横断歩道や歩道での事故など12種類の重過失を犯し、死傷事故などを起こした場合に適用される交通事故処理特例法違反で罰金150万ウォンを支払っている。姜議員は建国大総学生会長出身で、2017年の大統領選では文在寅大統領の選対で広報担当として活動した。文氏の大統領当選直後には共に民主党の院内副代表として重用されていた。同党所属で2016年初当選した韓国労働組合総連盟委員長出身の李竜得議員は犯罪歴が5回あり、現役国会議員では「最多前科者」である。1992年12月、道路交通法、交特法違反などで罰金250万ウォンを支払った前歴が判明した。1994年3月には道路交通法違反と摘発した警察官に賄賂でもみ消しを図ろうとした贈賄意思表明などで罰金100万ウォンの処分を受けた。同党所属の政策委員会議長で2004年の総選挙で初当選し、これまで4選を果たしている趙正湜議員は2000年7月、飲酒運転取り締まりの測定拒否による道路交通法違反で150万ウォンの罰金刑を受けていた。 一連の事実が知られると、「前科者たちは正義感があふれているふりをする」「子どもに対する性犯罪者が幼稚園で保育士として働くようなものではないか」といった批判世論が起きた。
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