全国協議会の「新方針」とは? わかりやすく解説

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全国協議会の「新方針」(1974年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 05:07 UTC 版)

日本のうたごえ全国協議会」の記事における「全国協議会の「新方針」(1974年)」の解説

1974年2月25日日本のうたごえ全国協議会第7回総会において、同協議会の「新方針」が採択された。 採択された新方針決議要点以下の通り現状問題点うたごえ運動1960年以後、「一千万人みんなうたう会運動」と称する普及・組織活動打ち出したこの方針のもとで、創作演奏郷土の歌踊り器楽などの教育活動取り組み蓄積され経験理論メソッド全国的に普及したその結果として、センター合唱団中心合唱団)やうたごえ活動家技術水準向上し1970年から72年にかけて、歌劇「沖縄」制作上演されるという成果生み出すいたった。その技術水準高まり通じて、各合唱団が、定期演奏会日本のうたごえ祭典コンクール形式による発表会向けて演奏技量競い合う傾向強まった一方センター合唱団活動家自分自身練習演奏会組織運営上の問題大きな労力割き、それを自己目的化したことにより、その「音楽活動に対して普及活動」の比重が、相対的に少なくなった。あるいは、普及重視する方針出しながらも、それが十分に進まない事態生み出した今後の方針 上述問題点踏まえて運動の基本的な性格をより鮮明にし、平和で健康なうたごえ全国民広げていく活動が必要である。そのために次の活動進め運動の現状における弱点欠陥改める。 1.普及する曲目選択の幅思い切って広げ、平和で健康な音楽国民中に広げる国民の生活と闘い狭くとらえていた。ストライキデモなど、直接的な政治課題闘争課題応える部分強調し、それに役立たないものは「労働者的」でない、といった狭い考え方があった。 「敵」明らかにされていない歌は軽薄であり、うたごえ運動の歌として役立たない絶対平和主義的な歌は平和の力にはならないから、歌うべきではないのではないか、という議論生じた性急に、「この歌は労働者的でない」、「マスコミ的だ」、「日和見主義的だ」などのレッテルを貼ることもあった。創作演奏においても、一つ表現方法固定せず、クラシック・ポピュラー・フォーク・民謡歌謡曲など、多様な表現方法追求し大衆要求正しくこたえていく必要がある。 2.普及する対象飛躍的に広げる 3.サークル員を増やしサークル数多く組織しサークル協議会拡大し運動の規模倍加する職場地域におけるサークル数とその人員の減少が、数年来合唱発表会参加数から明らかである。主な原因として、一方では、1960年代強まったサークル対する官側・企業側の圧迫などが挙げられる他方では、うたごえ運動内部で、サークル重視して拡大する活動弱まったのも事実である。サークル専門的技術労働者意識求めることや、楽しみを期待するサークル員の要求沿わない活動内容など、多数人々好み要求変化即応しない運営方法が、運動の弱体化を招く原因なった。これを、運動の主体的な問題として認識すること。 4.専門音楽家および他の民主的音楽団体や、労働組合などとの協力協同活動強化する(1)かつて古い活動家の間で、「専門家は官側・企業側の攻撃妥協的であるから国民真の音楽要求には応えられない」、「主人公国民大衆なのであって専門家はこれに従属すべきだ」とする誤った考え存在した日本の音楽真の発展は、うたごえ運動はじめとする大衆的民主的音楽運動と、楽壇における専門家民主的な諸活動との結合なしには勝ち取れない。「労働者主人公である」と誇示することでセクト的・排他的になり、専門家との協力狭めることは、運動にとっての不利益である。うたごえ運動は、労働者階級歴史創造担い手であると考えその役割重視するがゆえにこそ、労働者自身に不利を招くセクト性や排他性克服せねばならない。 (2)うたごえ運動労働組合とは、当初から友好的関係を広げ職場うたごえ普及協力協同してきた。一部労組との不正常な関係は、1964年春闘ゼネストをめぐる意見食い違いから、一部労組員が組合から除名される事態から始まった直接きっかけは、同年仙台開かれた第9回電通うたごえ祭典」の開催をめぐる出来事であった。全電通労組幹部は、除名した組合員祭典から締め出そうとして、一方的に祭典中止通告した当時の「日本のうたごえ実行委員会」の対処にも考え方狭さあらわれ必要以上に対立深めてしまった。うたごえサークル活動と、労組との関係をより大きな連帯観点でとらえ、話し合い深めて慎重に対処すべきであったうたごえ運動セクト的な考え方から生じた誤りであった。これを正して、平和で健康なうたごえ職場広げていくために、労働組合との協力粘り強く進めるよう、一層の努力をしていく。 5.他の文化サークルとの相互協力強める 6.世代超えて活動家団結強める 7.日本のうたごえ祭典を、多彩新鮮なものとする 8.みんなうたう会を盛んに催し、「うたごえサークル」として定着させるこの組織化成功するための留意点は、 (1)レパートリーあくまでも大衆要求重視して選曲し、歌謡曲などについても、これを歌わない、といった、かたくなな態度とらないこと。 (2)合唱技術の向上を、性急に押し付けたり要求したりしないこと。 (3)何よりもまず、楽しく歌わせて、またそのように指導すること。 9.理論的な勉強強め理論活動活発に進め今日の日本音楽文化における最大課題は、米日反動勢力日本音楽文化破壊退廃反動化抗するすべての人々共同で、日本音楽文化民主的発展勝ち取ることにある。労働者新し音楽文化をつくることはたしかに重要だが、うたごえ運動を、労働者音楽文化建設運動限定して捉える狭い考え除去すべきである1950年頃の民主的文化運動の一部には、「真の民主的な文化労働者階級によってのみ創出されるのであり、ブルジョア的、小ブルジョア的な知識人の間からは生まれてこない。階級的な文化活動職場集中すべきである」との理論があった。それは一見労働者日本文化建設主人公であり、労働者役割重視する理論のようでありながら、じつは他の広範な階層労働者対置し、専門文化人労働者をも対立させ、労働者階級そのもの孤立させてしまう理論であった今日日本音楽文化民主的発展政治革新は、広範な革新統一の力でなければ不可能である。それを一刻も早く実現することが国民大多数要求である現在では、上述理論きわめて有害である。

※この「全国協議会の「新方針」(1974年)」の解説は、「日本のうたごえ全国協議会」の解説の一部です。
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