春闘とは? わかりやすく解説

しゅん‐とう【春闘】

読み方:しゅんとう

《「春季闘争」の略》毎年春に労働組合が、賃金引き上げなど労働条件改善要求掲げて行う全国的な共同闘争昭和30年(1955)に始まる。《 春》「—妥結トランペット吹き込む息/斌雄」


春闘(しゅんとう)

春に集中して賃上げ要求する労働組合闘い

団結権に基づき組織される労働組合労組)は、賃上げ要求するなど、雇用環境の向上を目指し経営側と交渉を行う。春闘は、高度経済成長期定着し、春の時期一斉に労組足並みをそろえることで、経営側に圧力をかける

ちなみに労働三権基本権)の中の団体交渉権として認められているものである

最近は賃上げ要求のみならず労働時間短縮雇用確保など、労働者の権利全般について広く要求出されるようになってきた。

労組最大ナショナルセンターである連合日本労働組合総連合会)は、2001年運動方針として、定期昇給相当分を除くベースアップベア1%上の賃上げ求める。また、今回初めて、パートタイム時給10円引き上げることも要求中に盛り込む方針である。

他方経営者団体ある日経連(日本経営者団体連盟)は、停滞する日本経済背景に、ベア1%以上に難色示している。その代わりに、雇用確保優先させ、ボーナス引き上げることで対処しよう考えているようである。

組合側と経営者側の交渉難航予想され交渉ヤマ場3月14日から3日と見られる

(2001.01.18更新


春闘

春闘とは? 春闘とは、春季生活闘争の略称であり、労働組合が行賃上げ要求中心とした交渉いいます新年度労働者賃金中心とした労働条件改善求めて毎年2月3月の春頃にかけて行われるため、春闘という呼び名付きました。春闘では、各企業労働組合全国中央組織労働団体産業別組織指導調整のもと、要求を各企業提出して団体交渉行います

春闘

・春闘とは、「春季闘争」の略であり、毎年春(2月頃)に各産業別労働組合が、経営に対して賃金引き上げ統一的に要求する運動のことである。

通常、春闘の始まりは、自動車電機機器及び鉄鋼などの大手製造業交渉した後に、その年の賃金相場方向性固まりその後大手私鉄電力会社などの非製造業交渉入り大手企業の春闘は終了するまた、大手企業の春闘終了後中小企業交渉本格化し、おおよそ3月中にその年の春闘が終了する

・春闘は、1955年日本労働組合総評議会総評)の主導により、民間8単産産業別単一組合炭労私鉄総連、合化労連、電産、紙パ労連全国金属化学同盟電機労連)の共闘開始されその後1956年労協1960年には中立労働組合連絡会議中立労連)が参加するようになったこのため事実上組織労働者大半結集し日本賃金変動重要な要因として定着してきた。しかし、賃金変動大きな影響及ぼしてきた春闘は、近年労働組合組織率低下成果主義賃金制度の導入等により、これまでの主目的だった賃上げだけでなく、雇用関係維持労働時間短縮主目的一部となっている。それらに伴い連合では「春季生活闘争」、日本経営者団体連盟日経連)では「春季労使交渉」と呼び名変える至っている。

関連ページ
人事制度
HR領域

春闘

読み方:シュントウ(shuntou)

毎年春季行なわれる労働組合賃金引上げ要求闘争

季節

分類 人事


春闘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/18 14:18 UTC 版)

春闘(しゅんとう)とは、日本において毎年2月頃から行われるベースアップ等の賃金の引上げや労働時間の短縮などといった労働条件の改善を交渉する労働運動である。「春季生活闘争」(おもに労働組合側が使用)[1]、「春季労使交渉」(おもに経営側が使用)、「春季闘争」などの呼称もある。

企業別労働組合が主流である日本においては、個々の企業ごとの労働組合の交渉力の差が大きい。そこで労働者側が団結し、各企業・各産業が毎年同時期に歩調をあわせ団結することで交渉力を高める狙いがある[2]

春闘組織

  • 連合は、中央闘争委員会または中央執行委員会
  • 全労連は、国民春闘共闘委員会
  • 全労協は、けんり春闘全国実行委員会

歴史

  • 1954年に、5単産(単位産業別労働組合:炭労、私鉄総連、合化労連、電産、紙パ労連)で「5単産共闘会議」が設立された。
  • 1955年に、全国金属、化学同盟、電機労連が加わり「8単産共闘会議」が結成された。
  • 1959年に、総評中立労連により春闘共闘委員会が結成[3]
    • 他方、同盟新産別は春闘に対し批判的であったが、これらのナショナルセンター傘下にある産業別労働組合も春季に賃金交渉を行うようになっていった[3](ただし、同盟は「春闘」という用語を嫌い、「賃金闘争(賃闘)」の用語を使用していた。連合に統一された現在も、これら同盟系の組合は「春闘」ではなく正式名称の「春季生活闘争」を使用している場合が多い)。
  • 1974年の春闘は、狂乱物価を背景に物価や税制、社会保障問題なども取り上げられるようになり、「国民春闘」と名付けられた[3]
  • 1975年には、共闘会議の名称も「国民春闘共闘会議」とされた一方、鉄鋼労連などの輸出産業単産が主導権を握るとともに、ストライキ等を伴う実力闘争から労使トップレベルによる交渉が主体となっていった[3]
  • 1988年に連合の前身となる民間連合が結成された際、各組合が春季に行っていた賃金闘争は、「春季生活改善闘争」として民間連合が指揮を執ることとなった[3]
  • 1989年に、民間連合は官公労と組織統合し、連合が結成された。連合は、民間連合が行っていた春季生活改善闘争を「春季生活闘争」として、官公労も加えて取組むこととなった。他方で結成された全労連は純中立労組懇などとともに「国民春闘共闘委員会」を、全労協は、全港湾などとともに「けんり春闘全国実行委員会」を発足させ、現在に至る。

交渉の流れ

毎年1月に経団連が春闘への姿勢を示す「経労委報告」を公表する。これを受け、まずは自動車電気機器鉄鋼などの大手製造業(各社の労働組合全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)に所属しているため金属産業と呼ばれる)が口火を切って交渉し、その年の労働条件の方向性が固まる。その後、鉄道電力会社などの非製造業が交渉に入り、いわゆる大手企業の春闘が終了する。そして中小企業では概ね3月中に労働条件の改善交渉が行われて、その年の春闘が終了する。なお、公務員などの春闘もある。

2013年以降は毎秋、翌年の春闘に向け、政府が経団連に賃上げを要請しているため、「官製春闘」とも呼ばれ、ここがスタートとなる[2]

しかし、近年では若者を中心にイベント化しているとの声が上がっている。また、非正規社員は参加できないため、製造業などでは組合員数の減少が深刻な問題になっている[4]

春闘賃上げ率

春闘賃上げ率は、各年の春闘の結果、各企業の使用者と労働組合間で妥結した平均の賃金引上げ率である。通常採用されている春闘賃上げ率の数値は、厚生労働省が発表している「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」における賃上げ率である。これ以外に、速報として日本経団連が発表している「春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」や「春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧」などが利用される。

雇用者の賃金は、所定内給与だけでなく所定外給与(いわゆる残業手当など)や賞与(ボーナス)にも大きく左右される。景気動向によって所定外労働時間は大きく変動し、また近年は賞与の支給も企業業績に連動するなどの方式を採用する企業も増加している。

多くの日本企業では、所定内給与(いわゆる本俸)の改定は春闘の結果を受けて年度単位で実施され、所定外手当てや賞与の計算も所定内給与を基礎に計算されるので春闘賃上げ率は各年度の賃金の動向に大きな影響を及ぼしてきた。このため春闘賃上げ率は、その年度の雇用者所得の推計や労働コストから物価上昇率に与える影響などの予測に利用されてきた。

近年、年俸制や賞与の業績連動制を採用する企業が増加し、各従業員の給与についても年功序列型で個人差の少ない賃金体系から、各個人の業績に応じて賃金格差を拡大させる方向に変化しているため、春闘賃上げ率が日本全体の雇用者所得の動向を示す指標としての役割もかつてに比べて低下している。月額千円程度のベースアップ意見もある。

国民春闘

2007年

  • 国民春闘共闘委員会は貧困解消と格差是正、労働法制改悪ノーを掲げ1月18日厚労省経団連を包囲する行動を行い、全日本金属産業労働組合協議会(金属労協:自動車や電機など主要製造業の5産業別労組)も、同日静岡県熱海市で2007年闘争中央討論集会を開いた。
  • 電機連合は、1月25日に中央委員会で月額2,000円以上の賃金改善要求する2007年春闘方針を決めた。
  • 全労連と国民春闘共闘委員会が2月21日に、全国で地域総行動を実施した。

近年の状況

主要な労働組合は毎年春にベアを求めて横断的な労使交渉を行う春闘を1955年以来、行ってきた。しかしこの春闘・ベアは企業収益が順調に成長し、それを労使が取り合うことを意味しているが、近年の低成長においてはその原資が存在しない。実際、春闘という言葉がだんだんなくなり、雇用維持・定昇を求める春季労使交渉へとの変化もみられる[5]

脚注

  1. ^ 連合|労働・賃金・雇用 春季生活闘争”. 連合(日本労働組合総連合会). 2020年3月11日閲覧。
  2. ^ a b 『解剖財界2』読売新聞2018年10月25日付朝刊経済面
  3. ^ a b c d e 春闘とは - コトバンク
  4. ^ 労組は働く人の味方か?(テレビ東京WBS1月27日放送)
  5. ^ Shinka suru nihon no keiei : Shakai toppu senryaku soshiki.. Okamoto, Daisuke, 1958-, Furukawa, Yasuhiro, 1962-, Sato, Yamato, 1963-, 岡本, 大輔, 1958-, 古川, 靖洋, 1962-, 佐藤, 和, 1963-. Chikurashobo. (2012.4). ISBN 9784805109915. OCLC 820755015. https://www.worldcat.org/oclc/820755015 

関連項目

外部リンク


春闘

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 08:11 UTC 版)

名詞

しゅんとう

  1. 争の略。

「春闘」の例文・使い方・用例・文例

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